はじめに~FXとは何か~
FXとは「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」といいます。
日本円とアメリカドルやユーロをはじめ世界各国の通貨を売買し、その差益の獲得を目的とする金融商品のことです。
通常の株取引とは異なり、小口投資ができることや24時間取引可能であることなどがFXの魅力です。ところが、とにかくFXというと仕組みが難しそうとか大損しそうで怖いといった危険なイメージをもたれることが多いのではないでしょうか。
初心者にとっては、為替レートの行方を予想しながら取引のタイミングを見極めることは容易ではないでしょう。しかし、想定以上の損が発生しないように、充分な知識を身につけてチャレンジすれば、初心者でも充分に戦えます。
実際に取引をしてみるとわかりますが、FXは実に奥深く、面白いものです。ただし、FXで一攫千金を狙う人や知識のない人は確実に破綻します。FXの世界で、トータルで勝っている人は全体の10%未満にすぎません。90%のディーラーは1年以内に市場から撤退していますが、そのほとんどが、一発勝負を狙ってパンクしたか、FXに対する知識がないまま取引を開始して、訳もわからないうちに資金を失ってしまった人たちです。
したがって、ここで提言する初心者の目標はズバリ、5年間FX市場で生き残ることです。その頃には自然に利益を出せるようになるはずです。そのためには、闇雲に取引をスタートするのではなく、まずはFXの仕組みを理解してから投資をはじめることをおススメします。
最初に申し上げておきますが、猫道場では根拠のない必勝法や無理なトレード方法はおススメしません。FXはあくまでも投資であって、バクチとは違うということを心に誓いましょう。
FX超初心者専科 猫道場
FXの魅力
為替レートが上がっても下がっても利益を出せる
FXは円安でも円高でも利益を狙うことが可能です。
FXは他国通貨を「買う」だけではなく、「売る」こともできるからです。1ドル100円のときにドルを買い、101円に値上がりしたところで売れば利益は1円になります。反対に、1ドル100円のときにドルを売り、99円に値下がりしたところで買えば、利益は1円になります。
つまり、為替相場が上がっても下がっても収益を生む可能性のあるトレードなのです。
はじめにFXの仕組みを紹介しますので、できれば最後まで読んでくださいね。
24時間取引が可能
FXの取引が24時間可能な理由は、為替の取引が世界中でおこなわれているからです。
オセアニア、東京、欧州、ロンドン、ニューヨーク市場が時差の順に次々にはじまり、ニューヨーク市場が終了する頃には、ふたたびオセアニア市場がスタートするため、土日を除いて平日は24時間取引が可能になります。
24時間市場が動いているといっても、とくに取引が活発になる時間帯に注目しましょう。それはロンドン市場とニューヨーク市場が稼働している時間で、日本時間で21時から3時の間です。
この時間は取引参加者が増えるとともに、アメリカの経済指標が発表されることなどによって、値動きが活発になります。もっとも24時間取引可能とはいえ、一日中家にこもってパソコンとにらめっこするような生活はおススメできませんよ。
FX会社を通じてトレードする
FXはFX会社を通じて取引します。どの会社を選んだらいいかについてはトレードのスタイルによっても異なると思いますが、無難なのはやはり大手の会社です。
主要な10社程度の会社から選べば問題ないと思いますが、操作性やサービス企画などには各社特色があります。当サイトでも推奨記事を掲載しますので、参考にしてください。
さまざまな通貨でトレードできる
通貨によって特徴がある
FX会社によって取引可能な通貨には違いがありますが、おおむね以下の通貨が取引されています。
米ドル、ユーロ、豪州ドル、英ポンド、NZドル、カナダドル、スイスフランといった基軸通貨のほか、香港ドル、南アフリカランド、ノルウェイクローネ、スウェーデンクローナ、トルコリラ、人民元、メキシコペソ、シンガポールドル、露ルーブルなどの新興国通貨があります。
無難なのはドル、ユーロなど基軸通貨
初心者には情報量の多い米ドルかユーロがおススメで、大手のFX会社も推奨しています。
一方、最近では新興国通貨の取引も増えています。これらの新興国通貨は国内外の影響を受けて大きく為替が変動するケースがあり、より投機性が強い取引になるケースが多いといわれています。
たとえば戦争やクーデターが起これば通貨相場は一気に暴落します。油田やレアアースが発見されれば、相場が高騰するケースもあるでしょう。取引高が少ないと変動率も高くなります。たとえば、日本円とトルコリラの取引高は、円ドル取引の300分の1程度にすぎないので、大きく値動きする可能性が高いのです。
FXの魅力は大儲けを生む可能性があるレバレッジの活用
レバレッジという仕組み
FXのもうひとつの大きな特徴は、少ない資金で大きな取引ができる「レバレッジ」という仕組みです。レバレッジを活用すると、預けた資金を担保にして、担保資金の何倍もの取引をおこなうことが可能です。
これは魅力でもありますが、危険な要素でもあります。上手にお付き合いしていきましょう。
レバレッジの上限は25倍まで
日本では、最大担保資金の25倍までレバレッジをかけてトレードすることが可能です。
そのように法律で定められています。日本の金融庁に登録されていない海外のFX会社では、25倍以上のレバレッジが可能なところもありますが、投機性が強すぎるので初心者にはあまりおススメできません。
レバレッジをかけて儲ける仕組みとは
1ドル100円のときに1万ドルを買うためには100万円の資金が必要ですが、FXの場合は、担保資金にレバレッジをかけることが可能なので、4万円を証拠金として担保しておけば、25倍のレバレッジによって、1万ドルを買うことが可能です。
この条件のもとで、1ドルが100円から101円になった場合、購入した1万ドルを売却すると、1ドルあたりの利益は1円になるので、1万ドルでは1万円の利益(為替差益)になります。これとは逆に1ドルが100円から99円になった場合は、1ドルあたりの損失が1円になり、1万ドルでは1万円の損失(為替差損)ということになります。
スタート資金(証拠金と手元資金)はどれぐらい必要か
証拠金額を決める前に
すぐに取引をスタートしたい気持ちになりますが、その前に少しだけ立ち止まって考えましょう。FXでは証拠金を前提にして、レバレッジを活用して取引をおこないます。
取引のためには銀行口座を開設しますが、証拠金とはその残高のことです。
この残高をもとに、FX取引をおこなうのですが、証拠金の設定とともに、どれぐらいのレバレッジをかけて取引するのかを想定しておかなければなりません。
ロスカットの基準に注目する
ロスカットについて、詳しくはのちほど説明しますが、損失が一定額発生する可能性がある場合に、トレーダーの意思と関係なく、FX会社が勝手にトレードを決済してしまうという仕組みです。
つまり、トレーダーの証拠金がマイナスになってしまうとFX会社が負けをかぶらなければいけないので、その前に清算してしまうのです。
ロスカットの基準はFX会社によって異なります。たとえば、1回の取引におけるロスカットの基準が「証拠金の80%まで」といったものです。したがって、その基準を前提にして取引会社をどこにするかを決め、証拠金額とレバレッジを設定するという考え方ができるでしょう。
必ず手元資金を準備しておく
もうひとつ大事なことは、証拠金以外に手元資金を準備しておくことです。
これは必ず守ってください。手元資金がないと、証拠金が消えるとそこでフィニッシュになってしまうからです。トレードは100%勝ち続けることはできません。勝ったり負けたりのくり返しになりますが、一旦証拠金が減った場面では、証拠金を追加しておかなければ取引を継続することができません。
FXは少額からでも始められるが、自己資金は50万円から始めたい
「1万円からでもスタートできる」などとアピールするFX会社がありますが、その金額で始めてもほとんど投資の意味はなく、ただの時間つぶしになってしまいます。証拠金が少ないと、一度のトレードで損をしてフィニッシュという結果にもなりかねません。
そこで個人的見解ですが、スタート時は自己資金50万円として、20万円を証拠金として当初はレバレッジをあまりかけずにトレードをスタートする形がいいと思います。
その後、慣れてきたところで証拠金を増やし、レバレッジ率を上げていくスタイルがおススメです。繰り返しになりますが、金銭的な余裕がなくスタートしてしまうと、精神的にも追い込まれてしまいますから、よい結果は生まれません。
まずはFX会社選びから
開設するFX口座の選び方について
FX口座を開設する際には、その会社が信頼できる会社であるかどうかが重要なポイントになります。したがって大手の取引会社を選ぶようにしましょう。
スプレッドを確認する
はじめて出てきた用語ですが、スプレッドとは、FX取引で発生するコスト(買値と売値の差)のことです。ほとんどの会社は、FX取引手数料無料と謳っていますが、スプレッドは事実上の手数料だと考えておけばいいでしょう。スプレッドの設定は業者によって異なるため、業者選びのひとつのポイントになります。
最低取引単位
ほとんどのFX業者は、最低取引単位を設定しています。
1通貨単位(1回の取引は米ドルの場合で約5円から)からという会社もありますが、100通貨単位(450円から)、1,000通貨単位(4,500円から)もしくは10,000通貨単位(45,000円)からと会社によってさまざまです。
キャッシュバックキャンペーンなどにも注目する
FX業者はたくさんの人に自社の口座を開設してもらうため、さまざまなキャンペーンをおこなっています。
キャッシュバックキャンペーンを実施している会社もあるので、キャンペーンを比較して開設する口座を決める方法もアリです。ただしその際は、キャンペーンの内容だけでなく、肝心な取引条件をしっかりと確認しましょう。
最初の一歩は口座開設から
FXの口座開設に必要なものは、本人確認書類(運転免許証、健康保険証、住民票のコピーなど)とマイナンバーの2つです。
FX口座開設のためにはマイナンバーの登録が必須になっています。事前に用意しておきましょう。
申し込みフォームを入力して、Webもしくは郵送で提出すると、FX会社の独自の審査を経て、口座開設完了となります(通常、1~2日で審査は終わります)。登録費用は無料なので安心してください。銀行口座を指定して、証拠金を入金すれば取引をスタートできます。
登録後、取引会社のマニュアルとともに、当サイトのセクションごとの解説に目を通していただくと理解が早いと思います。
このサイトでは「猫でも理解できるFX」をテーマにFXをわかりやすく解説していきます。
ここまで最初の一歩として簡単なトレードの仕組みやスタート資金について解説しましたが、イメージはできたでしょうか?
次からは、さらに詳しくFXの仕組みを解説していきます。
最初に「FXの基礎編」を読んでいただき、「テクニカル編」にすすんでください。また、「初心者を狙う罠」では、ビギナーが陥りやすい事例や事故を紹介しているので、参考にしていただければと思います。
いずれも、できるだけ要点をしぼって短い時間で読み切れるようにしてあります。ひと通り読み終わった頃には、FXを始める際の最低限の知識は備わっているのではないでしょうか。記事は随時追加していきますから、気軽に読みすすめていただければ幸いです。
コメント