ここで断言しますが、FX取引で破綻する原因の90%以上は資金管理ができていないからです。
「資金管理なんて面倒だし、いまは勝っているから、考える必要はないや」というトレーダーは、大きな損失を出し、最悪の場合は破綻する可能性があります。資金管理をすれば大きな損失を避けることができ、具体的には損切りのタイミングを適切に判断することができます。とくにFX初心者には最初に学んでほしいのが資金管理です。資金管理ができていれば、勝率が低くても資金を増やすことができるのです。
資金管理には2つの要素があります。それは「勝率」と「損益比率」です。
FXでは毎回仕入れ価格が異なり、販売価格も異なりますから、取引ごとに収支に差が出ます。無計画に取引をおこなっていては、安定した利益を出すことができないことは理解できると思います。
「どれぐらいの仕入れ価格」で仕入れ、「どれぐらいの販売価格」で処分するのかを決めることを、資金管理というのです。さらにいえば、FX取引においては、「どのように赤字を出さないか」に注目すべきです。
許容リスクを確定する
取引でプラスとマイナスを繰り返すFX取引において、許容リスクを確定しておくことが重要です。つまり、資金(証拠金)に対して、どれだけの損失額を容認するかという基準を定めるわけです。
許容リスクを確定するための要素は、「勝率」と「損益比率」です。
そうはいっても、勝率にはブレがありますから、数か月の実績を月ごとに集計して、予測値を算出しておく必要があります。極端なトレードをしなければ、おそらく40~60%の範囲に収まるでしょう。
損益比率の意味
損益比率とは、損失と利益の比率です。別名リスク・リワードといいます。
たとえば、想定損失比率(1:1)というのは、実際の取引において損失1万円、利益1万円を見越していることをいいます。ちなみに、想定損失1万円というのは、それ以上の損失になる前に損切りすることを意味しています。
能書きはともかく、損益比率の設定によって結果がどう変わるのかを確認してみましょう。
損失比率(1:1)勝率50%の想定で10回取引した場合
損益比率、勝率ともに50%ですから、勝ちが5万円、負けが5万円で、プラスマイナスゼロになるようなイメージをしがちです。しかし、1回の取引で損失を出してしまうと、次の取引で必ず勝たないと、その次は2連勝しなければマイナスを解消できないという意味でもあります。勝ち負けの確率は半々ですから、負けが2連続以上続くこともあるのです。
何をいいたいのかといえば、この損益比率の想定では利益を出すことは難しいということです。
損失比率(1:2)勝率50%の想定で10回取引した場合
こちらも勝率は50%で、1回の損失を1万円とすると損失は5万円ですが、利益は10万円です。
以上のことから、損失比率(1:2)であれば、勝率が33.4以上でトータルプラスになるということがわかります。損失比率(1:2)の想定では、2回続けて負けても、1回の勝ちでプラスマイナスゼロにできるのです。
損益比率の設定の違いによって結果は全然違ってくる
勝率をコントロールすることは難しいですが、損益比率は比較的、合理的に設定することができます。
損失比率(1:1)なら勝率は50%以上必要です。つまり、このプランで勝つためには丁半博打的なギャンブルが必要になります。損益比率(1:2)なら勝率は33.4%なので、手堅い設定でOKということになります。参考にしてみてください。
最初のシミュレーションでは、(損失1万円、利益1万円)としましたが、いろいろ設定を変えて計算してみてください。利益想定が高すぎると思えば、(損失1万円、利益5千円)のように設定を変えたり、損失額の設定(=ロスカットの設定)も低く抑えれば、より堅実なシミュレーションになります。

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