円ドル取引をする場合、日本国内の状況のほかに、外国での為替の動きがどうなっているのかを知っておく必要があります。ニューヨーク取引市場のFXトレードにおける重要性はナンバーワンです。トレーダーは普段からこの市場の動きに最大の注意を払うべきです。
FXにおけるニューヨーク時間の特徴は3つあります。とくに、NYオプションカットという独特の仕組みがあり、のちほど詳しく説明します。取引をしていると自然と身につく事なのですが、痛い目を見ないと分からない場合があるので、このページをしっかり読んでほしいと思います。
ポラリティ(値動き)が高い傾向がある
FX市場ではニューヨーク、ロンドン、東京の3市場が世界三大市場と呼ばれています。なかで、おニューヨーク市場は大きく相場が動くことが多いので、注視する必要があります。
日本時間の22~1時は、ニューヨークとロンドンを含むヨーロッパの市場がオープンしていて、ニューヨークはロンドン市場の影響を受けて大きく値が動きます。
重要経済指数が集中している
雇用統計やFOMC(金融政策会議)など、さまざまな経済指数が発表されると、相場の変動に大きな影響を与えます。たとえば、FOMCからは年4回の経済見通しの発表があり、毎月第一金曜日には、アメリカの雇用統計が発表されます。
FOMCや雇用統計はアメリカの経済状況を推し量るための重要な指標になります。米ドルの価格変動はそれ以外のすべての通貨価格に影響を与えますから、ドル以外の通貨でトレードをおこなっている場合でも、アメリカらの指標に注目する必要があります。
オプションカットの影響がある
通貨オプションとは、外国為替をあらかじめ決められた期日までに決められた数量と価格で売買する権利を売買することです。具体的には、「1か月後にドル円を100円で100万ドル買う購入予約」といったイメージで、その権利を執行する際のタイムリミットをオプションカットといいます。
NYオプションカットには、日本時間の24時(夏時間は23時)という締め切り時間が設定してあります。購入予約権は売り買いができます(通貨オプション)。通貨オプションを売る側は、証券会社や銀行などの金融機関で、買う側はグローバルメーカーや投資目的の金融機関になります。
オプションカットの実例をみてみよう
具体例で説明しましょう。まず、購入予約の権利を行使するかどうかは買い手の自由です。ある企業がドルを100円で買う権利を所有している場合、オプションカットの時間にドルが100円よりも安ければ権利を行使する必要はありませんが、ドルが100円よりも高くなれば100円で買うという権利を行使するのです。
かりにドルが105円であれば、市場でドルを105円で売って、すぐに100円で買い戻せば(権利を行使すれば)5円の利益になるわけです。
それでは、100円に近いところでオプションカットの時間が迫ってきたらどうなるでしょうか。
権利を買った側は100円より上で時間を迎えたいですが、売り手の金融機関はそうならないように円を売って、為替をドル高に誘導しようとするかもしれません。そのような思惑の売買が働くために、NYカットの時間帯では、為替が設定された価格付近に近づく傾向があります。
また、NYカットの時間を通過すると、オプションの影響がなくなるために当日高値を更新してくるといったことが起きやすくなります。ニューヨーク市場のオプションカットは取引高が大きいので、それだけ相場に与える影響が大きいのです。
初心者は22時以降の取引は抑えるべき
ポラリティ―(値動き)が低い相場ではトレード回数を増やしたり、ロット数を増やさないと大きな利益が得られないため、FX中級者以上はニューヨーク市場の動きが大きくなる22時以降に活発に取引をおこなっています。しかし、ポラリティ―が高いということは投機性が高く、思わぬ方向に為替が動く可能性もあるということですしたがって、初心者のうちは日本時間の22時以降の取引は控えめにしておいたほうが無難だと思います。
一方で、この時間帯に円ドル以外の組み合わせによる通貨ペアでトレードをして利益を得ている中級以上のトレーダーもいるようです。
基本はトレンドフォロー
ニューヨーク市場では、勢いが強いトレンドが発生しやすく、しかも一度発生したトレンドは継続することが多い傾向があります。そのため逆張りをしようとすると、破綻してしまうことも少なくありません。ニューヨーク市場の勢いは、ロンドン市場の影響もあってこそ動きが大きくなるので、ロンドン市場がクローズすると勢いが衰え、レンジ相場に移行していくことがほとんどですから注意したいところです。
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