FX取引は通貨を交換することによってそのレート差を得るという方法で収益を獲得するのが一般的ですが、そのほかにもうひとつの収益獲得方法があります。
2つの収益ルートを習得して、長期的に勝てるトレーダーを目指しましょう。
キャピタルゲインとインカムゲイン
キャピタルゲインとインカムゲインは、どちらも資産運用で得られるリターン(利益)のことです。簡単にいうと、キャピタルゲインは保有していた資産を売却することによって得られる売却益、インカムゲインは株の配当金や不動産の家賃収入など継続的に受け取れる収益を指します。
キャピタルゲインとは
当然ながら、FX投資はキャピタルゲイン(為替差益による利益狙い)による利益狙いがメインです。実際のドル/円トレードで、米ドルを100円で購入し、101円で売却すれば1円の収益(キャピタルゲイン)になります。
このように、一般的には、値上がりしそうなタイミングで投資して購入価格よりも値段が上がった時に売却することでキャピタルゲインを得ますが、FXの場合は信用取引の仕組みを使って、高く売って安く買い戻す「カラ売り」で利益を得るという方法もあります。
こうした利益も広い意味ではキャピタルゲインに含まれます。その一方で、当初の思惑とは反対に値下がりによって発生した損失を「キャピタルロス」と呼びます。
独特なFXのインカムゲイン
一般的なインカムゲイン
インカムゲインは投資信託や不動産投資で多く用いられる手法で、資産を保有することで安定的・継続的に受け取ることができる利益のことです。キャピタルゲインにはキャピタルロス(損失)も存在しますが、インカムゲインは継続的に入ってくる収益を指すため「インカムロス」という概念はありません。
FXのインカムゲイン
投資信託や不動産投資におけるインカムゲインは手堅い投資方法だといえますが、FXの場合は独特の形態になっているので事情が異なります。
FXにおけるインカムゲインは「スワップポイント」といいます。スワップポイントとは、金利が異なる2種類の通貨の売買によって発生する調整額です。高金利通貨を買って低金利通貨を売るとスワップポイントを受け取ることができ、反対に、高金利通貨を売って低金利通貨を買うとスワップポイントを支払うことになります。
米ドル/円の場合はどうなるのか
ご存知のように、日本円は超低金利です。米ドル/円でいえば、現在は米ドルの方が円より圧倒的に高金利なので、米ドル/円を買うと有利なスワップポイントを受け取ることができます。
具体例として、1ドル100円のときに1万ドル買った場合を想定して説明しましょう。
アメリカの金利(1.75%)から日本の金利(0.10%)の差を差し引くと、1日当たりのスワップポイントは、(1.65%)×1万ドル÷365≒45円になります。
スワップポイントは1日から受け取ることができ、かりに1年間為替レートとスワッピングポイントに変化がなければ、年間16,425円の収入を得られることになります。
外貨預金との違い
FXによるインカムゲインは一面的には外貨預金よりも有利です。外貨預金の場合は満期にならないと金利を受け取ることができず、解約する場合は解約手数料が発生します、ところがFXの場合は売買は自由で、保有した日数分のスワップポイントを受け取ることができるのです。
FXのインカムゲインのデメリット
FXでインカムゲインを狙うためには長期保有が基本になりますが、通貨を長期間保有している間に為替が変動し、含み損がスワップポイントの利益を上回ってしまう場合が多々あるので注意が必要です。
そのほか、インカムゲインについては別ページでも解説していますので、参照してください。
初心者はどちらのトレード方法を選ぶべきか
FXの基本はキャピタルゲインです。したがって、初心者についてもキャピタルゲイン狙いのトレードが中心になりますが、取引量が増えてきた場合は、安定的な通貨を長期保有してインカムゲインを確保しておいて、日々のトレードの損失を帳消しにすることも考えておいた方がいいかもしれません。
注意しておきたいのはマイナー通貨を長期保有しないことです。たしかに金利の高い通貨もあるのですが、相場が荒れるケースが多いことを考えると、本来の意味である安全弁的な効果は少ないと思います。
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