一時期、かなり話題になったのが、FX会社側の悪質な手法とされる「ストップ狩り」です。これは、顧客のインサイダー情報をもとに意図的に損切りを誘導する悪質な手法です。
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そもそものストップ狩りの意味
本来の「ストップ狩り」というのは、大手ファンドなどが意図的・戦略的にレートを調整しようとして仕掛ける手法のことです。
たとえば、ドル/円相場が100円50銭付近をウロウロしているとします。このような場合、多くの投資家の心理としては「100円」というキリのよい値を意識してしまうものです。
「100円の大台を割ったらそのまま下がっていきそうだから、100円まで下がったら売ってしまおう」。このように考えるのが多くの投資家の普通の心理です。
大手ファンドの作戦 第1段階
100円を少し割ったあたり、具体的には「99円90銭」や「99円80銭」といったあたりにトレーダーの損切りの設定が集中していることを予測して、大手ファンドが大量の売り注文を仕掛けます。
大手ファンドの大量の売り注文によって相場が一気に下がります。資金力の大きいファンドであれば、100円50銭から99円80銭ぐらいまで下げることも可能でしょう。
多くの投資家が損切りに設定している値に到達すると、大量の売り注文が入ってドル/円はさらに下がります。これによって、事前に大量の売りを仕掛けていた大手ファンドは大儲けすることになります。
大手ファンドの作戦 第2段階
大手ファンドの攻撃はさらに続きます。
このドル安は意図的につくられた売り相場ですから、本来の相場の実力とは釣り合わないものです。これがなにを表しているのかといえば、ドルが割安になって絶好の買い時が訪れているということです。相場の動きに先んじて大手ファンドは買いに転じ、ドル高を誘導してさらに一儲けします。
これが、本来のストップ狩りの全貌です。
ストップ狩りには2つの意味がある
ファンドによる市場操作
ファンドがストップ狩りを仕掛ける場合、あくまでも「このあたりに損切りの設定が集中しているだろう」という予測のもとで行なっていることですから、失敗するケースもあり得ます。投資家がどこに損切り設定しているかなど、知る術はありません。したがって、予測を誤り大量の資金をつぎ込んで仕掛けに失敗すれば、ファンド側が大きな痛手を負うことになります。
ファンドによる市場操作には否定的な意見が大多数だと思います。しかし、法律違反でもない以上、大きなリスクを取って相場を仕掛けるファンドに対して、資金力のない一般トレーダーがとやかくいうべき筋合いではないのかもしれません。
FX会社のストップ狩りは手数料狙い
一方で、FX会社が行っているストップ狩りは、ファンドが行っている市場操作とはまったく別種のものです。
この先で詳しく説明しますが、FX会社のストップ狩りに関しては大いに問題があります。何しろFX会社は、顧客の注文内容をすべて把握しているのです。インサイダー情報をバックに顧客に不利なストップ狩りをやろうとすれば、いくらでもできてしまいます。
FX会社のストップ狩りの手法
FX会社のストップ狩りの目的は、取引ごとの手数料であるスプレッド(手数料)を狙ったものです。FX会社としては投資家たちに1回でも多く取引をしてほしいのです。長々とポジションを持たれるより、持ったポジションをさっさと決済してくれる方がありがたいわけです。
FX会社は投資家の損切り値を知っています。したがって、相場が損切り値にあと少しで届きそうという状況であれば、管理画面上の相場を操作して、一瞬だけグッと相場が動いたように見せかけて損切りラインに引っ掛かったことにすれば、トレーダーに損切り決済をさせることができてしまうのです。
残念ながらFX会社のストップ狩りは証明できない
本来ならばまだ損切りラインに達していないのに、FX会社側の詐術で決済を誘導されてしまうというのですから、本当に悪質な手口です。
厄介なのは、FX会社側によるストップ狩りをユーザー側が立証するのはほぼ不可能であるということです。決済が完了すれば投資家は次の取引へと移行し、損切りラインを振り返って検証することはまずありません。
また、どんなに不自然なことが連続しようと、不審に感じたユーザーが問い合わせたとしても、FX会社側から「システムの仕様です」といわれればそれまでです。だからこそ、海外系のFX会社などではなく、「ここなら信用できる」という大手のちゃんとしたFX口座を選ぶべきなのです。
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