FX取引においてもっとも重要なことは、「損失をいかに小さく抑えるか」ということです。そのための有効な戦術として「ストップ注文(逆指値注文)」とも呼ばれる手法があります。
ストップ注文を利用すれば、確実に損失を減らすことができます。初心者トレーダーにも活用して欲しいテクニックなので、ぜひ知っておいて欲しいと思います。
ストップ注文の考え方
ストップ注文は「現在よりも高いレートで買い、現在よりも低いレートで売る」取引方法です。
これでは損をするために売買しているようですが、まさにその通りです。なぜ、こんなことをするのかといえば、ストップ注文はマイナスを最小限に抑えるために行う対策だからです。
ストップ注文は強制的に損切りする
ストップ注文は、トレーダーが取引をしない時間でも強制的に損切りします。ストップ注文を出しておけば、仕事や家事などでチャートを見ていない時に相場が想定外に急落した場合でも、損失を限定することが可能です。
ストップ注文は冷静に判断する
人間の精神状態と関係なく強制的に損切りしてくれることは、ストップ注文の大きなメリットです。あらかじめ損失額が想定されているため、含み損が大きくなることがありません。
含み損を塩漬けにしたまま損切りの決断ができずに、その結果ロスカット(強制決済)されてしまうといった最悪の事態も回避することができます。FX初心者は含み損が大きくなった場合に、「いつか相場が戻るかも」といった根拠のない期待をもつことによって、大きなダメージを受けるケースが多いのです。
数字の裏付けのもとで冷静に判断することは、勝率を上げるために非常に重要です。「損切りは自分の手でやりたい」と最初は思うかもしれませんが、いざ含み損を目の前にするとなかなか損切りできないものです。ぜひ、ストップ注文を活用しましょう。
ストップ注文の使い方
ストップ注文の損切りの仕組み
初心者は最初に損切りのストップ注文を覚えましょう。
ストップ注文は、買い注文であれば「現在より高いレート」、売り注文であれば「現在より安いレート」を指定します。つまり、損切りのためにわざと不利なレートを指定するわけです。
ストップ注文で指定するレートは「許容できる損失の限界ポイント」です。その限界ポイントを超えるとストップ注文が発動して、損失を確定(損切り)させて取引を終了させます。
ストップ注文の効果を実際に確認してみよう
ストップ注文をした場合としない場合を比較して効果を検証してみましょう。
ストップ注文をしていない場合
・現在、1ドル=100円の買いポジションを1万ドル保有中。 ・為替相場の急変により1ドル=97円に下落 ・慌てて決済し、損失は3万円発生
ストップ注文をしていた場合
・現在、1ドル=100円の買いポジションを1万ドル保有中。 ・相場下落の場合の損失額を1円までと決めて99.50円のストップ注文(決済注文)をした ・為替相場の急変により1ドル=97円に下落 ・99.50円でストップ注文が発動して決済。損失額は5000円で収まった
ストップ注文のそのほかの使い方
ストップ注文は、損失を限定させる目的で使用されるのが一般的ですが、利益を確定させるために使われることもあります。その方法を以下の例で解説します。
・1ドル=85円で1万ドルを買う。 ・相場は上昇を続け、現在1ドル=90円まで上昇中。 ・現在のレート(90円)の1円下、1ドル=89円でストップ注文を決済注文で発注する。 ・相場がそのまま上昇を続ければ、それはそれでOK。 ・もし89円まで下がった場合は自動的に売り注文が発注し、利益が確定して取引終了。
非常に便利なツールであるストップ注文を使わない手はない
初心者もかならずストップ注文を取り入れてほしい
FXの基本戦術が損失をできるだけ小さくすることである限り、ストップ注文を上手に使いこなせるかどうかが、勝負の分かれ目といっても過言ではありません。決済注文を発注するときは、必ずストップ注文を使うようにするようにしましょう。発注方法は初心者でも難しいものではありません。
ストップ注文の際はスリッページに注意
トレーダーが発注ボタンを押してから、注文内容がFX会社のシステムに届き、約定するまでの短時間の為替レートの変動をスリッページといいます。スリッページについてはこちらのページで解説しています。
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