海外FX会社には、高いレバレッジの活用による高収益に注目が集まっています。金融庁の規制によって、国内FX会社のレバレッジは25倍に制限されているのですが、海外FX会社の場合はレバレッジ100倍以上という業者が何社も存在するのです。
しかし、海外FX会社はハイレバレッジの魅力とは裏腹に、さまざまなトラブルも指摘されています。
海外FX会社とは
世界中に多くのFX会社が存在しています。日本国内のFX会社は日本の金融庁が監督しているため、資金の持ち逃げなど、詐欺まがいの会社は存在しません。しかし、海外FX会社のなかには違法まがいの詐欺業者も少なからず存在します。
国内のFX会社とトラブルが発生した時には金融庁に駆け込むことができますが、海外FX会社とトラブルになった場合は、すべて自己責任です。
海外FX会社のメリット
自己責任を前提としての話になりますが、海外FX会社にはこのようなメリットがあります。
レバレッジ倍率が高い
海外FX会社の最大のメリットは極めて高い倍率のレバレッジです。日本国内ではFXのレバレッジは最大25倍までと法律で定められていますが、海外FX会社では、100~200倍、なかには888倍のレバレッジが利用可能な会社も存在します。
このような高いレバレッジトレードは多大な利益獲得を生む可能性がありますが、トレードに習熟していないと、あっという間に破綻する危険性も孕んでいます。
ゼロカットシステム
相場が急変して証拠金以上の損失が発生した場合、日本ではその損失を追加証拠金(追証)で穴埋めしなければなりません。しかし、海外FX会社のほとんどは、証拠金以上の損失が発生した場合にも追証は発生せず損失は証拠金の範囲に限定されます。
特色のある契約形態
国内のFX会社の場合、法規制の限界があるため、他社との差別化要因はスプレッドや取引通貨、約定力ぐらいしかありませんが、海外FX会社には非常に多くのサービスが存在しています。
スプレッドが非常に狭い代わりに取引手数料を徴収する会社や、取引の透明性を自社の優位性にしている会社、証拠金にビットコインを利用できる会社など、様々なサービスが用意されています。そのほか、国内の会社にはない加入促進サービス企画も充実しています。
海外FX会社のデメリット
事故やトラブルは自己責任
国内のFX会社は金融庁の管理下にあるため、信託保全が義務化されています。したがって利用者に対して出金できないなどのトラブルはありません。もしFX会社が倒産しても、信託保全の範囲内で信託管理人を通じて返還される管理体制が整っているからです。万が一、FX会社と金銭トラブルが発生しても、金融庁に相談するという手段を取ることができます。
一方で、海外FX会社の場合は、トラブルが発生してもすべて自己責任です。サポートセンターへの問い合わせについても、日本語が通じないケースが多いようです。
海外FX会社では出金時にトラブルが発生するケースが少なくありません。少額のトレードでは問題なく約定できていたものが、資金が増えると換金できないなどの事態が発生することもあります。海外には詐欺のようなことを働くFX会社が数多く存在しているので、利用する際は注意が必要です。
レバレッジとゼロカットシステムを活用したトレード例
海外FX会社の特徴を利用して、このような大胆なトレード方法が考えられます。
①投資資金を50万円とする ②10万円を入金する ③最大のレバレッジを効かして一回のトレードで資金を倍の20万円に増やす ④元の10万円を残して利益分の10万円で再度最大のレバレッジを利用してトレードする ⑤この繰り返し
最初のトレードで③の段階に来ることができれば以後はノーリスクでのトレードが可能です。②の段階で入金の10万円がゼロになった場合は、あらたに10万円を投入して再度チャレンジします。投資資金が50万円あれば、10万円ごとに最大5回まで上記のチャレンジを行うことができます。
ゼロカットシステムにより、どれだけ損失が出ても10万円に限定されるわけですから、ある意味安心して10万円すべてを突っ込むことが可能です。つまり、これは追証がないために成立するトレード方法なのです。
海外FX会社との取引による手数料や税金について
出金手数料について
海外FX会社で取引を行う場合、証拠金を海外口座に入金し、出金の場合はFX会社の口座から国内の銀行口座に送金する必要があります。国内への送金のための出金手数料は数千円単位でかかるため、頻繁に出金を行うと手数料がかさんでしまいます。
税金について
国内FX会社を利用した場合は、トレードの収益に対する税金は金額に関係なく一律20%ですが、海外FX会社を利用した場合の収益は雑所得として扱われるため、所得金額に応じて変動制の税率が適用されます。
海外FX会社を利用して上げた利益は330万円以内であれば国内業者よりも安いのですが、330~695万円未満で国内業者と同じ20%、695万以上になると20%を超え、最大45%の税金が課税されます。
海外FX口座で利益を出した場合、「脱税してもばれないのではないか?」と考えがちですが、脱税すると確実にばれます。FXで利益が出た場合は必ず確定申告を行い、正しく納税しましょう。
安全な取引のためにはやはり国内FX会社を利用してほしい
海外FX会社のレバレッジは非常に魅力的ですが、そのリスクも大きいことを知っておきましょう。連敗するとあっという間に資金がなくなります。
また、繰り返し解説していますが、海外FX会社とトラブルになった場合はすべて自己責任です。トラブルに巻き込まれたくない、安心してトレードしたいと考えるのであれば、やはり国内のFX会社をおススメします。
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