FXで勝つためにはエントリーポイントを的確に見つける力をつける必要があります。エントリーポイントとは、FXで買いや売りのポジションをたてる起点のことです。為替相場は常時動いていますが、利益の獲得につながるエントリーのチャンスは限られています。
エントリーポイントを見つけるための有力なパートナーとなるのがトレンド分析です。そこで今回は、有効なエントリーのタイミングを見極めるためのトレンド分析の重要性と、トレンド分析の基準となるテクニカル分析について解説します。
初心者の90%はエントリーポイントを見つけられない
順張りか逆張りか
英語でエントランス(entrance)は入口、イグジット(exit)は出口を意味します。FXの取引では、新規のポジションをたてる地点が入口、決済してポジションを閉じる地点が出口に相当します。為替相場のトレンド(方向性)を見定めてその流れに乗る「順張り」をする場合は、上昇の波(もしくは下落の波)の初動段階でエントリーしたいところです。
これに対して、間もなく相場の流れが反転することに期待する「逆張り」をする場合は、相場が底値や天井にあって売買の動きがクライマックスに達しているポイントに注目します。
トレンドを把握することは難しい
しかし、為替相場はつねに小刻みな動きを繰り返しているだけに、なかなかトレンドを把握できずエントリーポイントの見つけ方がわからないという初心者が多いです。上昇トレンドや下落トレンドの出発点は為替チャートやテクニカル指標を使って分析するのですが、ほとんどの初心者はその方法がピンとこないというのが実際のところです。
ダウ理論を覚えよう
ダウ理論とは
エントリーポイントはテクニカル分析を使って発見する方法が基本です。FX取引におけるエントリーポイントを理解するためには、相場の基本的な流れを知る必要があります。そのことを教えてくれるのが「ダウ理論」です。
ダウ理論は、19世紀に米国でジャーナリストや証券アナリストとして活躍したチャールズ・ダウ氏が確立しました。ダウ氏は、今日まで発行が続いているウォールストリート・ジャーナルやニューヨーク・ダウ(ダウ・ジョーンズ工業平均株価)の生みの親としても知られています。ダウ理論は6つの基本法則から構成されていますが、エントリーポイントを見つけるうえで重要な3つの視点について、その概略を説明します。
トレンドには3つの種類がある 長期トレンドは3段階から成る 明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する
トレンドには3つの種類がある
3種類のトレンドとは、長期トレンド(1年~数年のサイクル)、中期トレンド(3週間~3か月のサイクル)、短期トレンド(3週間未満)です。
まず長期のトレンドを確認したうえで、中期、短期のトレンドへと視点を移していくのがエントリーポイントを探るうえでの基本です。たとえば長期と中期が上昇トレンドを示しているなかで、短期で下落を強めているようなケースでは、「下落スパンは長く続かない」という想像が働くでしょう。
長期トレンドは3段階から成る
長期トレンドは先行期、追随期、利食い期の3つの段階に分割することができます。
先行期⇒目ざとい少数派の投資家が相場の底打ちを見越して仕込み始めるタイミング 追随期⇒相場の上昇が顕著になり、大勢の投資家が群がってさらに勢いを増す 利食い期⇒先行期に参入した投資家が利益を確定させ、上昇ピッチは鈍る
いずれの段階でもエントリーして利益を稼ぐことができますが、先行期を素早く察知するのは容易ではなく、利食い期も決済のタイミングが遅れると相場の反転に巻き込まれかねません。したがって、追随期の初期にエントリーして利食い期に決済するというパターンが最も現実的だといえそうです。
明確な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続する
ダウ理論では、チャートやテクニカル指標において転換シグナルが確認されるまで、トレンドは継続し続けると考えられています。言い換えれば、トレンドの転換シグナルは、新たなトレンドの発生を暗示しており、反対方向のエントリーのチャンスになる可能性が考えられるわけです。
エントリーの根拠を強化する方法
トレンド分析のためのさまざまなテクニカル分析
多少専門的になりますが、チャート分析のテクニックとして移動平均線を利用した分析方法や、「グランビルの法則」「レジスタンスライン・サポートライン」など、さまざまなテクニカル分析が開発されています。
デイトレードにはテクニカル分析が欠かせない
とくに、デイトレードのように為替相場の短期トレンドに着目してFXの取引を行う際には、こうしたテクニカル分析によるエントリーの判断が重要になります。
特定のテクニカル分析を妄信して落とし穴にハマる場合も
エントリーポイントを探る際に注意しておきたいのは、特定のトレンド転換シグナルだけで判断して決め打ちをしないことです。広く使われているテクニカル分析は法則性が高いと考えられますが、100%の確率でその通りになると断言できるものではなく、いわゆる「だまし」と呼ばれる例外的な現象も発生します。
したがって、様々な角度や分析からトレンドの転換を確認するプロセスを積み重ねてエントリーの根拠を強化していくのが、勝てるトレーダーへの道だといえるでしょう。
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