ユーロとは、EU(欧州連合)に加盟する27カ国のうち19カ国が公式に導入している共通通貨です。外国為替市場において、世界の基軸通貨である米ドルに次いで2番目の流通量を誇っています。
今回はユーロの特徴を紹介し、初心者が取り組むべきユーロの取引方法について解説します。
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ユーロの基本情報
ユーロが正式に導入されたのは1999年1月1日のことで、当初の参加国はベルギー、ドイツ、スペイン、フランス、アイルランド、フィンランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、オーストリア、ポルトガルの11カ国でした。その後、段階的に加盟国が増え、現在はキプロス、エストニア、ギリシャ、マルタ、スロバキア、スロベニア、リトアニア、ラトビアを加えた19カ国となりました。
残るEU加盟の8カ国もユーロを導入する義務を負っていますが、導入するためには財政状況やインフレ率などに関する基準を満たす必要があります。したがって現時点で国民の了解を得られていないなど、加入がすすまない国も多いようです。
ユーロ為替を動かす原因
ユーロ圏では財政政策は各国が自ら自主的に実施していますが、通貨に密接に関わる金融政策は欧州中央銀行(ECB)が統括しています。金融政策を決定するECBの理事会は、6週間に1度のペースで開催されています。
2021年6月の時点でECBはマイナス金利政策を実施しており、相対的に他国通貨よりも金利が低くなっています。ユーロは買い建てのポジション保有が長引くほどスワップポイントの負担がかさむので、短期決済が中心になる傾向があります。
注目すべきはドイツ経済の状況
加盟国ごとに経済情勢には違いが見られますが、特に注目されるのはユーロ圏のけん引役であるドイツ経済の動向です。GDP、景況感調査指数、ドイツ製造業PMI、消費者物価指)、景況感指数など生産指数など、ドイツの主要経済指標の発表はユーロの為替相場に大きな影響を及ぼします。
ギリシャなど財政が厳しい国の状況も注視したい
財政状況が芳しくない国々の動向にも注意が必要です。2010年にはギリシャの国家財政粉飾の発覚を機に、財政難の国々の債務状況が懸念視されるようになりました。その代表として、PIGS(ポルトガル・イタリア・ギリシャ・スペイン)という言葉も生まれました。
欧州債務危機の際には、ドイツのように財政基盤の強固な加盟国が支援のための負担を強いられ、為替相場でユーロが売られやすい展開が続きました。
ユーロのトレードで注目しておきたいポイント
日本時間の15~21時が熱い
世界最大の取引量を誇るロンドン市場はじめ、欧州市場で外国為替取引が盛り上がるのは日本時間の15~21時頃(サマータイム)です。
ドイツの経済指標が発表されるのもこの時間帯になります。経済指標の結果を踏まえて投資行動が活発化し、ユーロの値動きは大きく動きます。こうしたことから(ユーロ/円)のほか、(ユーロ/米ドル)はじめとするユーロクロス(ユーロと日本円以外の外貨との組み合わせ)を取引する場合は欧州市場が開いている時間帯に狙いを定めたほうがいいでしょう。
ユーロと相性のいい通貨の組み合わせ
(ユーロ/米ドル)は世界で最も取引量の多い通貨ペアです。為替市場では常時この2つの通貨の綱引きが繰り広げられています。したがって「ユーロが買われると米ドルが売られる」「ユーロが売られると米ドルが買われる」という展開になりやすいのです。
英国がEUから脱退し、ユーロ圏とは一線を画すスタンスを取っていることから、ユーロ/英ポンドという通貨ペアに注目する投資家もいるようです。ただし、英ポンドは値動きが荒くなりやすいため、ビギナーや投資経験の浅い人は手を出さないほうが無難でしょう。
ユーロのトレードは初心者にはやや難度が高い
ユーロ相場は基本的にシンプルである
ユーロが強ければ米ドルが弱含むといったように、両者の関係が明確なことはトレードを仕掛ける際にわかりやすいポイントでしょう。ただし(ユーロ/米ドル)のレートの動きは(米ドル/円)とは異なる推移をすることがあるので、慣れるまでは大変かもしれません。
ユーロ相場では投機筋が動く
ユーロ相場では「ロンドン勢」と呼ばれる投機筋が短期勝負を仕掛けてくることが多いといわれています。経済指標や金融政策の発表など、明確な材料も見つからないのにユーロ相場が大きく動く場合は、投機筋が関与している可能性を念頭に置いたほうがよさそうです。
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