エントリーポイントとは、FXで買いや売りのポジションを建てる起点のことです。為替相場はつねに動いていますが、利益の獲得につながるエントリーのチャンスは限られているので、そのタイミングの見極め方がわからないという初心者が多いのではないでしょうか。
今回は、エントリーポイントの見つけ方について、わかりやすく解説します。
初心者はエントリーポイントがわからない
「順張り」か「逆張り」かのいずれかで検討する
英語でエントランス(entrance)は入口、イグジット(exit)は出口を意味します。FXの取引においては、新規のポジションを建てる地点が入口、決済してポジションを閉じる地点が出口に相当します。
為替相場のトレンド(方向性)を見定めてその流れに乗る「順張り」をする場合であれば、上昇の波(もしくは下落の波)の初動段階でエントリーしたいところです。これに対して、間もなく相場の流れが反転することに期待する「逆張り」のスタンスであれば、底値圏や天井圏で売りや買いの動きがクライマックスに達しているポイントでのエントリーを検討します。
実際にトレンドを把握することは難しい
しかし、為替相場はつねに小刻みな動きを繰り返しているだけに、初心者はなかなかトレンドを把握できず、エントリーポイントがわからないというのが実際のところです。
力のあるトレーダーは、上昇トレンドや下落トレンドの出発点を為替チャートやテクニカル指標の分析、あるいはこれまでの経験によってエントリーを判断しています。初心者が経験の差をすぐに埋めることはできませんが、少なくとも分析力(=テクニカル分析)を身に着けることが求められます。
分析力を強化するための方法
単にチャートを眺めているだけでは、どの局面がエントリーポイントになるのかピンとこないと思います。しかし、「ダウ理論」のような相場の法則性を理解して、主なテクニカル分析の基本をマスターすれば、最短距離でエントリーポイントを見つけられるようになります。
「ダウ理論」で相場の流れを知る
エントリーポイントがわかるようになるためには、相場の基本的な流れを理解する必要があります。そのことを教えてくれるのが「ダウ理論」です。ダウ理論は相場の基礎的な動きを解説している古典理論です。別のページで詳しく紹介しているので参考にしてください。
無数にあるテクニカル分析から自分に合ったものを選ぶ
たとえば、隣接する安値同士を結んだサポートライン(下値支持線)と高値同士を結んだレジスタンスライン(上値抵抗線)をチャート上に書き込む手法も知られています。この分析によれば、トレンドが継続している局面ではサポートライン付近で下落が止まりやすく、レジスタンスライン付近で上昇がストップする傾向があります。
サポートラインを大きく割り込んだり、レジスタンスラインを力強く突破する現象が見られれば、それはトレンドが転換したシグナルとなり、その地点がエントリーポイントとなる可能性が高いわけです。
そのほか、有名なテクニカル分析のひとつに「ボリンジャーバンド」があります。ボリンジャーバンドには、平行移動線の上に(+1σ、+2σ)、下に(-1σ、-2σ)と呼ばれる4本の曲線が描かれています。為替は(±1σ)の範囲内で推移する可能性が最も高く、(±2)まで達するのはレアケースです。(+2σ〜-2σ)の範囲を超えた場合は、上昇もしく下落トレンドの流れが一気に拡大する傾向があり、こうした特性がエントリーの判断材料となります。
このほか、おそらく無数に存在する分析方法から、自分のスタイルに合ったものを選ぶことが「分析力の強化」につながるのです。貪欲に代表的なテクニカル分析を学んで、自分のスタイルをモノにしていきましょう。
ただしテクニカル分析は万能ではない
エントリーポイントを探る際に注意したいのは、特定のトレンド転換シグナルだけで判断して決め打ちしてしまうことです。テクニカル分析は法則性の高い現象に注目するものですが、100%の確率でその通りになると断言できるものではなく、「だまし」と呼ばれる例外的な現象も発生します。
したがって、テクニカル分析だけではなく、複数の判断材料に目を向けて総合的に判断することが重要です。そして実際のトレードで勝ち負けの経験を積むことによって、分析力に「説得力」や「重み」が加わるのです。「千里の道も一歩から」です。
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