FXでテクニカル分析をするときに最も重要な情報は、過去の値動きを表すチャートです。世界中のトレーダーがチャートを見てそれぞれ独自に分析して売買を判断しています。
大勢のトレーダーが「買い」をすればレートは上がり、大勢のFXトレーダーが「売り」をすればレートは下がっていきますが、単純なようで難しいのがFXの世界です。
今回は、トレーダーは相場をどのように認識し、取引をどう判断しているのかについて具体的な例で解説していきたいと思います。
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誰もが注目するチャートのポイントはどこか
(米ドル/円)相場を例にして、チャートの実際の動きと、そこからイメージできる裏事情を解説してみることにしましょう。
相場が右肩上がりに上がっていく理由
右肩上がりでグングン上昇している相場をイメージしてください。現在(ドル=95円)で、やがて(100円)に迫る勢いです。この状況は多くのトレーダーがその通貨ペアを買い続けていて、売るトレーダーが少ないことを示しています。
相場が反転した理由
その後、相場は上昇を止め、反転して下降に向かいました。反転した地点の為替レート(X点=100円とします)で買うトレーダーのパワーが、そのレートで売るトレーダーのパワーよりも弱くなったからです。
為替相場の動きのなかでとりわけ注目度が高いポイントはレートが反転したポイントです。
表現を変えると、X点に到達するまで、買いと売りの激しい戦いが繰り広げられ、(X点=100円)でついに形勢が逆転して売る人が買う人を上回ったことを示しているわけです。
このことは、さらに別の事実を示唆しています。
(X点=100円)で反転して下降トレンドに向かった裏側には、(95~100円)で買って売りのタイミングを逸したトレーダーがまだ大勢いるはずなのです。つまり、ステージの裏側では、含み損をかかえた「損切り注文」予備軍がズラリと並んでいる状況なのです。
さらに反転して上昇する
相場はY点(ドル=95円)まで下降し、ふたたび反転して上昇に向かいました。またしても「買い」のパワーが大きくなってきました。前回の(X点=100円)まで到達すると予想したトレーダーが「買い」に多く集まったのです。ここに(95~100円)で買って含み損を抱えて待ち構えていた売りトレーダーたちも加わり、再び売りと買いの激しい攻防が起こります。
この先はどうなるのかわからない
その後はX点、あるいはそれ以上にレートが上がっていくのか、それとも再度押し戻されて下がっていくのか、それは誰にもわかりません。しかし、X点、あるいはふたたび反転して下降に向かった地点(Z点=98円? それとも105円?)がすべてのトレーダーに注目されることは間違いありません。
いずれにしても、上昇して前回の天井値であるX点に近づくと、多くの投資家のいろんな思惑が集中て場がざわめくことになります。
(A)「X点より上では買う人がいないから、Xより前にまた反転して下がる」 (B)「X点を上抜けすれば、損切りが増えるから、さらに上昇する」
この2つの正反対の予想が考えられますが、その結果、ここから先がどうなるのかはわかりません。
初心者はチャートのどこに注目すべきか
初心者は選択が2通りに分かれる前に決済する
トレードする地点は上昇トレンドもしくは下降トレンドの間が理想です。ただし、下降してY点近くにまで達した場面と、上昇して天井(X点)まで達した場面は判断が難しくなります。
ある程度予測ができる上昇・下降の中間が狙い目であり、(B)のような危険な判断は、予想が当たれば大勝ちする可能性もありますが、初心者としては避けておきたいところです。
FXの裏側を想像することによって見えてくること
ややもすれば、機械的な動きに目を奪われますが、チャートの上がり下がりは、すべて人間の思惑の集合体であることを覚えておきましょう。
予想の精度をアップさせるためには、テクニカル分析の習得や、なによりも相場の経験値を積み重ねることによって、「人が多数決的にどのように相場を見るのか」をイメージすることであり、それができれば結果的に勝率も高くなるはずです。
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