FX初心者がぶつかる困難な壁のひとつが「チキン利食い」といわれる悪癖です。今回はFXでチキン利食いをしてしまう理由について詳しく解説し、この悪癖を克服するためのトレード手法(決済ルール)を紹介していきます。
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チキン利食いとはなにか
チキン利食いとは、含み益がなくなることを恐れて事前に想定しておいた決済条件を満たす前に、あわてて利益確定してしまうことをいいます。
あらかじめ決めていた自分のルールを守ることができずに、感情的になって小さな含み益で利食いしてしまうのが、チキン利食いの特徴です。
チキン利食いには「偽りのメリット」がある
チキン利食いのやっかいなところは、一見するとメリットもあるということです。
・たとえ薄利でも利益には違いない ・ポジションを保有することのストレスから逃れることができる
これがあるために、なかなかチキン利食いをやめられないという側面があります。
チキン利食いの結果は目に見えている
しかし、利益が失われる恐怖におびえてチキン利食いをし、損失が確定される恐怖から逃げようとして損切りを引き延ばしていると、自然と小さな利益と大きな損失が積み重なっていくため、どう考えてもプラスになりようがありません。
その結果、最終的には「コツコツドカン」となって、多くの場合は大きなマイナスを抱えて終わってしまうものです。
チキン利食いをしてしまう心のメカニズム
チキン利食いに関する2種類の記憶
チキン利食いの背景には、トレーダーの心中に「あのとき利食いをしておけばよかったという後悔の記憶と、その反対にチキン利食いでメリットを得た成功体験の記憶の2種類が刻み込まれています。
本来、目の前の値動きは過去の値動きとは何の関係もないにも関わらず、ポジションを持ったときの特定の値動きが「あのときの場面」と同じ状況だと確信してしまうと、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
無意識にチキン利食いをしてしまう理由
ポジションが含み益になっている場面で、その含み益が減っていくのを目の当たりにすると、普段からチキン利食いをしているレーダーは我慢ができません。過去のよくない経験から、「この先さらに下がってマイナスになってしまうかもしれない」という感情に支配されていきます。
チキン利食いをしてポジションを決済すればマイナスになる恐怖から逃れることができます。チキン利食いによって「恐怖から逃れることができた」という喜びを感じると、その後現実の為替が反転して上昇に向かっていたとしても、「チキン利食いをしてよかった!」という好ましくない記憶だけが無意識のうちに刻み込まれます。
チキン利食いは分割決済で克服できる
チキン利食いを克服する方法として、シンプルで誰でも取り入れやすい「分割決済」を紹介します。分割決済とは、1つのエントリーポジションを1回で決済せずに、何回かに分けて決済することです。分割してポジションを利益確定することにより、早く利益確定したいという利食いの衝動を抑えることができます。
現在、上昇トレンドにポジションをもっているケースを想像してみましょう。為替はまだこれから上がっていく気配を見せています。
このようなケースではチキン利食いをしないように気をつけなければなりません。そのためにはポジションをA、B、Cの3ブロックに分割し、分割したそれぞれのブロックに役割を持たせるところからスタートです。
Aブロックの役割
ポジションの最初の1/3は固定値幅で利益を確定するのが目的です。
固定幅のAで利益を確定できさえすれば、トレードが大きな損失で終わる可能性はなくなり、Bを建値で撤退し、Cを普通に損切りしたとしても収支トントンで逃げられます。精神的に余裕がある状態で残りのB、Cの処理を行うことができます。
Bブロックの役割
Bの役割は小さめの利益の実現と、Cを引っ張るための中継ぎです。Cの収支を除外したABのトータル収支がプラスになることが前提条件です。
Cブロックの役割
残りの1/3は勝率を気にしません。
Aの利確により大きな損失でトレードが終わる可能性はなくなり、Bの利確でトレードがプラス収支で終わることが確定しているので、撤退条件が成立するまでとことん引っ張って「利大」を追求します。
分割決済の心理的効果
トレードの一連の手順のうち、利益確定は最も難しい作業です。
利益確定を難しくしているのはトレーダー自身の感情です。ポジションに含み益が乗ってくると「このまま保持していればもっと利益が増えるかも」という気持ちと、「このまま持っていて利益が減ったらくやしい」という相反する気持ちで葛藤が始まります。
大抵の場合は、損したくないという気持ちが優ることが実証されています。その結果がチキン利食いであり、「早く利確したい」という感情をコントロールするための手法のひとつが分割決済なのです。
分割決済の心理的効果は、含み益が乗ってきたところでポジションの一部を決済することで「早く利確したい」という気持ちをとりあえず満足させることができることです。感情のバイアスが取り除かれると、残りのポジションは冷静に利益を伸ばして決済できるようになるというわけです。
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