損失を確定させる決済を「損切り」といいます。FXで成功するためには大きく負けないことが最大のテーマであり、そのためには適正に損切りすることが非常に重要です。猫道場でもたびたび損切りの重要性をお伝えしています。
しかしトレードの現場で、あえて収支マイナスで取引を終えることは精神的に非常に難しいことです。投資はお金を増やすことが目的ですから、なるべく損失を出したくないと思うのは当然の感情です。
一方で、目先の値動きに惑わされて損失が出ていてもなかなか手を引くことができずにマイナスが拡大してしまうことが多いことも事実です。投資の目的はトータルで利益を残すことです。しっかりと自分で決めた損切りのルールに従って適切に決済していきましょう。
損切りでありがちな失敗
損切り後に値が戻る
損切りのデメリットは、決済した後に価格が戻り、「損切りしなかったら結果的にプラスになっていた」という場面に直面することです。誰しもが経験したことのある体験で、悔しい気持ちにもなりますが、これはあくまでも結果論に過ぎません。
たまたま価格が戻ってきただけで、もしかしたらそのまま損失額が膨らんでいた可能性も充分考えられたわけです。悔しい思いをしても目の前の損失に一喜一憂せず、次のチャンスを狙いましょう。
損切り位置を変更して大失敗
一度決めた損切りの位置を大きくずらして決済することによって、結果的に大きな損失を発生させてしまうパターンもあります。これは大変危険な事例です。
現実的には、損切り幅をずらすことによって好結果を得たケースもあるでしょう。しかし、最初に決めた損切りを守らないのは、損切りができていないことと同じです。このような手法を続けていると、最終的にコツコツドカンと一撃で資金を失う可能性も高くなります。
損切りのポイントは自分で探す
損切りの重要性は理解していても、どのタイミングで損切りをすればいいのかわからない初心者がほとんどだと思います。そこで、ここでは3つの損切りの方法を紹介します。
どれが正しいというものではなく、それぞれのトレーダーが実際に試してみて、最終的に自分のスタイルに合った対策を構築してください。
買値の5~10%下落したら損切りする
一般的には買値の10%を損切りラインに設定するパターンが多いといわれていますが、あくまでも参考値です。もっとリスクを小さくしたいと考えるならば、買値から5%ダウンを損切りラインにしてもOKです。
状況に応じて損切りラインを設定する方法もあります。明らかな上昇トレンドの場合は、損切りをする値下げ幅のパーセンテージを小さくしても構いません。
デイトレードやスイングトレードでは損切りラインを1%程度に設定するケースもあります。いずれにせよ、自分で決めた損切りラインまで下落したら必ず決済するのが正解です。
自分が納得できる損失額を決める
下落するパーセンテージではなく、トレードによる実損失額を決めて損切りをする方法もあります。(米ドル/円=100円)を1,000株購入したとします。投資金額10万円に対して1万円の損失まで納得できるとすれば、(米ドル=90円)が損切りラインです。
取引時間を決める
あらかじめ取引する期間を設定し、その期限が来たら損切りをするのも有効な方法です。この方法では期限を決めて自動的に決済することになるので、精神的な負担を減らすことができます。
注意しておきたいのは、たとえ利益が出ていても売却しなければならないということです。状況に応じて損切りのルールを変えてしまうと、タイミングが曖昧になってしまいます。
ただし、期限が来る前に株価が暴落する可能性もないとはいえません。したがって、取引期限を決めた場合は、決済期限と同時に株価での損切りラインを設定するのが望ましいです。
前回の高値もしくは安値に設定する
そのほかの目安としては、前回の高値もしくは安値に損切り値を設定するのが妥当だとされています。高値安値が意味するのは、トレーダーの売買の綱引きが拮抗している状態です。したがって、もし価格がラインを超えれば、綱引きの拮抗状態が崩れ、相場が一気に暴れるという想像がつきます。
したがって、相場全体の値動きの勢いにもよりますが、事前に直近の高値安値に損切り値を設定しておけば、相場が暴れて大きく損失を出す前に決済することができるというわけです。
正しい損切り注文でマイナスを最小限に食い止めよう
必ずストップ注文(逆指値注文)をしておく
エントリーをする前に利食いや損切りする価格を決めましょう。そのためには、エントリーと同時にストップ注文(逆指値注文)をしておきましょう。
もちろん手動で損切りをすることもできますが、「相場が上がるかも知れない」という心理的な揺らぎから決断できない危険があります。
エントリー価格と近づけすぎない
エントリー価格と損切り価格をあまり近づけすぎないように注意しましょう。大きな損失が発生するリスクは少なくなるかもしれませんが、ちょっとした値動きで自動損切りにかかってしまう可能性が大きくなります。そこまで消極的に構える必要はありません。
損切りルールを徹底する
自分で決めた損切りのルールを徹底することがなによりも重要です。また、損切りする場合は保有しているポジションをすべて決済するのがポイントです。
これまでも繰り返しお伝えしていますが、「決済したあとに相場が戻ったらもったいない」という考えで損切りラインを変更したり、ポジションを一部残したりすると、かえって収支コントロールが難しくなり、結果的に損失が大きくなるケースが少なくありません。
事前に決めたルールに忠実に従って、確実に損失を抑える手段を取りましょう。
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