FXの世界には、トレードで利益を上げるためのさまざまな手法、いわゆるトレードロジックが溢れかえっています。
勝てるトレーダーになるためには、数ある中から自分のトレードスタイルやライフスタイルに合わせてトレードロジックを使いわけていくことが必要です。しかし、FX初心者には、どんな手法が自分に合っているのかがわからないと思います。
そこで今回は、トレードスタイルの違いに関わらず活用できる「ブレイクアウトロジック」について、その優位性と使い方を解説していきます。ブレイクアウトロジックの理解はチャートの動きの理解にもつながるので、今後どんなロジックを使うケースでも応用が利くはずです。
ブレイクアウトとはなにか
ブレイクアウトは相場でレートが狭い値幅の間で上下している状態から、一方向へ価格が動き出す現象です。
相場は活発に動いている時ばかりではありません。むしろ大きく動くことよりも、力が拮抗してさざ波状態であるほうが多いのです。これをレンジ相場といいます。
レンジ相場は次の動きに向けて一旦エネルギーを溜めている場面です。レンジ相場はやがて崩れて一方向への動きを発生させます。この場面が「売り時」「買い時」になるわけです。
ブレイクアウトのメカニズム
なぜブレイクアウトが起こるのか
相場での値動きのなかで、誰もが必ず意識するポイントがあります。直前の高値や安値、キリのいい数字や、過去に何度も価格が反転した形跡のある箇所などです。
相場参加者の多くがこれらのポイントを意識するため、同じような場所で動きが止まり、ラインが形成されます。ラインが形成されることによって、より一層その箇所が意識されるという循環が起こり、チャートが膠着状態になります。
この特性を知っているトレーダーは、利益確定ポイントをこのラインの少し内側に置きます。これによって、ラインの間際に値が到達すると自動的に反対売買が多くなり、ラインを超えることが難しくなるというのが膠着状態の理由です。
しかし、このような綱引き状態がいつまでも続くわけではありません。やがてそのラインを超える瞬間が訪れ、今度はラインの外側に置かれていた多くの損切り注文が約定します。これにより相場の動きが加速して、価格が一方向に急激に動くのです。これがブレイクアウトのメカニズムです。
ブレイクアウトにおける基本的なトレード手法
ブレイクアウト手法とは、今まで意識されていたラインを抜けた時に抜けた方向へエントリーして利益を狙う手法です。意識されるラインは上値抵抗ライン(レジスタンスライン)と下値抵抗ライン(サポートライン)です。
レジスタンスを上に抜けていくブレイクアウトでは「買い」エントリーをし、サポートラインを下に抜けていくときは「売り」エントリーします。ラインを抜けたタイミングでエントリーをするのが一般的です。
ブレイクアウト手法のメリット
エントリーのタイミングをつかみやすい
エントリーのタイミングの判断は難しいものですが、ブレイクアウト手法はエントリーのタイミングをつかみやすいのがメリットです。
ブレイクアウトが起こる前には、前触れとなるチャートパターンが数種類発生します。そのパターンを見つけることができれば、あとはブレイクアウトするのを待つだけです。
大きな利益を狙える可能性がある
ブレイクアウトによってラインを越えると、相場はそのまま一方向に伸びていきます。押し目買いや戻り売りを有利な場所でエントリーすることができるので、大きな利幅を狙える可能性が高まります。
ブレイクアウトにおける「だまし」に注意
レジスタンスラインやサポートラインをブレイクしたにもかかわらず、再びチャートパターン内に価格が戻る現象が起きるケースがあります。このような動きを「だまし」といいます。
「だまし」が発生する理由
「だまし」が起こるメカニズムははっきりしませんが、一般的には次のような理由が考えらます。まず、レジスタンスラインやサポートライン付近は、そもそも売りと買いの勢力が拮抗している場所だという点です。一瞬価格がラインを抜けても、その力が反対勢力に対して充分に強くない場合は動きを継続できず、またライン内に引き戻されてしまいます。
次に考えられるのは、機関投資家やファンドの存在です。かれらが大量の資金を投入し、わざとラインを抜けたように見せて一旦チャートを動かし、次に逆の売買をして自分たちの利益を確保するといった操作をしている場合があるといわれています。
「だまし」における損切りのタイミング
「だまし」にあったら潔く損切りするのが賢明な対応です。ブレイクアウト狙いでエントリーした場合に、実際にはブレイクアウトせず元のチャートパターン内に戻ってしまうと損益が発生し、放置しておくとマイナスが拡大してしまいます。
「だまし」を予測するのは現実的には難しいですが、エントリーのタイミングを少しずらすことによって損失を回避できる可能性があります。たとえば、ラインをブレイクした瞬間に焦ってすぐにエントリーするのではなく、少し様子を見てからエントリーするようにすることで、マイナス幅を小さくすることができるかもしれません。
ブレイクアウトを積極的に活用しよう
ときに「だまし」が発生する可能性もありますが、ブレイクアウト手法は比較的成功する確率が高いトレード手法です。初心者でもわかりやすいエントリーポイントとして、少額からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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