水平線は数あるテクニカル分析の中でも最もシンプルな分析法です。しかし、水平線を正しく描くことは簡単ではありません。上手に水平線が引けないという初心者の悩みもよく耳にします。
そこで今回は水平線を書く際の基礎について解説していきます。シンプルかつ最強な武器である水平線を使いこなすことができれば、FXの勝率は一気にアップするはずです。
水平線とはなにか
水平線とは文字通り、横に一直線に引いた線のことです。為替相場は同じ水平線上で何度も行ったり来たりする(「抵抗が機能している」といいます)パターンを繰り返し、やがて水平線を超えて大きく変動するという性質をもっています。
この性質は多くのトレーダーが共有しているので、ますます鮮明に水平線がトレードの際に優位に機能するという循環が生まれます。
意識される水平線のライン
注目すべき水平線のラインは「サポートライン」と「レジスタンスライン」の2種類です。この2つのラインは重要な節目として世界中のトレーダーが注目しています。
・サポートライン⇒値動きが下がろうとしたときに跳ね返される下限ライン ・レジスタンスライン⇒値動きが上がろうとしたときに跳ね返される上限ライン
反発しているポイントには多くのトレーダーが注目している
反発しているポイントは多くのトレーダーが意識しています。このポイントは売買のバランスが拮抗している状態にあります。この箇所には「何度も反発を繰り返している」「キリのいい数字」という2つの特徴があります。
水平線の引き方
実際にサポートラインとレジスタンスラインの2本の水平線を引いてみましょう。
チャートを開いたら画面内の最高値と最安値をそれぞれ2~3か所ピックアップし、それらを結んで2本の線を引きましょう。この2つの線は利益確定やエントリーをするポイントになります。
最初は正しく線引きできないかもしれませんが、何度もやってみましょう。自分で引いた線をあとで検証して、正しい線引きができたかどうかを検証するプロセスが重要です。
水平線を書く場合に注目しておきたいのは以下の2つのポイントです。
何度も反発している場所やキリのいい数字に線を引く
何度も価格が反発しているポイントを結んだ線が正しい水平線になる可能性は高いです。
価格が何回か反発している箇所というのは、多くのトレーダーが意識している証拠なのです。さらに、一度水平線を抜けた後に戻ってきて、また反発するという現象が現れた場合は、その先に水平線を飛び出して相場が大きく動く前兆である可能性があります。
たとえば、100.00円や1.30000ドルなどのキリのいい数字にはトレーダーの注目が集まります。キリのいい数字で決済したいと考えるのは人間心理の現れで、たとえば「米ドル/円=100円になったら買おう(売ろう)!」と考えているトレーダーは多くいるものです。
水平線の引き方で意識しておきたいこと
FXのチャートに水平線を引く際に意識すべきポイントを2つ紹介します。これらを意識することで水平線を描くテクニックは格段に上昇するはずです。
水平線は長期足に引く
トレードでチャートを参考にする場合、基本的には複数(2~3)の時間足の異なるチャートを使います。チャートに水平線を引く場合は長時間(長期)足に引いて、それを短期足に当てはめていくのが正しい使い方です。
実際に確認していただきたいのですが、ためしに短期足に水平線を引いた場合に、長期の動きと全然違っていることがあります。長期足で線引きをするのは、ことわざでいうところの「木を見て山を見ず」とならないようにするという意味です。
チャートパターンを意識して引く
チャートパターンを意識すると効果的な水平線を引くことができます。その理由は、やはり多くのトレーダーがチャートパターンを意識しているために動きが実現しやすいことにあります。なかでも「ダブルトップ」や「三尊のネックライン」に引かれた水平線は有効に働く可能性が高くなります。
ダブルトップ(ボトム)⇒2つの山を越えたあとネックライン付近でエントリー
三尊(逆三尊)⇒3つ目の山を越えたあとネックライン付近でエントリー
水平線を引きすぎない
いろんな方法を試してあれもこれもと水平線を引いてしまうと収拾がつかなくなります。チャート画面が複雑になってエントリータイミングがわからなくなってしまうことがあるので注意してください。
水平線を使ったエントリーテクニック
水平線を引いたら実際に活用してみましょう。初心者におススメする比較的安全な手法をお伝えしたいと思います。
水平線を抜けたらエントリーチャンス
相場は水平線の間を行ったり来たりしますが、やがて一方向へ動き出します。このときがエントリーチャンスですが、決断はもう少し先です。トレンドが確実になるまで辛抱強く待ちましょう。
ダマシに注意する
水平線を抜けた瞬間にエントリーをしようとすると、ダマシに合う危険があります。ダマシのメカニズムはさまざまな要因がありますが、察知することは難しいと考えた方がいいでしょう。
ダマシのパターンのひとつに、相場が一気に大きく動くはずが、すぐに水平線に戻ってきてしまうというケースがあります。
再び水変遷に戻ってきたらエントリー
ローソク足が一旦水平線を抜けて、再び戻ってきたらエントリーしましょう。最初に水平線を抜けた時にエントリーしなかった人が、ここで続々エントリー(または決済)をして水平線を離れる方向への値動きに力が加わると考えられるからです。
ただし、エントリーのタイミングには経験が必要です。為替のトレンドはずっと続くわけではなく、ダマシのパターンも考えておく必要があります。とくに3回以上水平線で反発してから水平線を抜けるパターンでは、売買のエネルギーが分散して値動きの力が大きくならないケースがあることも知っておきましょう。
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