損益計算を自分でしているFXトレーダーは案外少ないものです。
将来収益を知っているか知らないかは戦術にも影響を与えますから、FXの損益計算は難しいと決めつけずに初心者のうちから慣れておくことをおススメします。
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損益計算の基礎
損益計算はぜんぜん難しくない
FX取引は通常1,000通貨もしくは10,000通貨単位で行われていますが、これを1通貨単位基準で考えると計算の基本を理解することができます。
・(米ドル=100円)で1ドルを購入 ・(米ドル=101円)に為替が変動 ・(100⇒101円)の変動で利益は(1円)になる
上記の例は1通貨単位での損益なので1万通貨単位に換算すると、要するに「1円上昇すると1万円の利益」という単純な図式になります。米ドル以外のクロス円(円と外貨の取引)でも計算方法はこれと同じです。なにも難しいことはないでしょう。
スワップ金利を含めた計算方法
今度はスワップ金利を含めた計算をしてみましょう。
スワップポイントは通貨の金利差によって発生するため、金利の高い国の通貨を買い、金利の低い国の通貨を売ると、金利差による利益をスワップポイントとして得ることができます。
金利は変動し、1日ごとにもらえるスワップ金利もFX会社ごとに違うので、実際の運用についてはFX会社のホームページでチェックしましょう。ここではスワップ金利3%として1日あたりにもらえる金額を1万通貨あたり70円と仮定します。
・(米ドル=100.00円)で1万通貨購入 ・100日後に(=99.00円)で損切り
為替差損⇒(100-99)×1万通貨=▲10,000円 スワップ金利⇒(70円×100日)=7,000円 合計損益⇒(7,000-10,000円)=▲3,000円
スプレッドにも注意
なお、実際の取引においては、細かい金額ですがスプレッドを費用として加える必要があります。
(1ドル=100円)で買いを入れるときにスプレッドが(0.2)とすると、bid(99.998)、ask(100.000)になります。このとき顧客は(0.2銭)の絶対損失があるということになります。
なお、以下の解説でもスプレッドは除外して損益計算します。
損益計算の利点
目標収益から逆算して決済することも可能
・(ドル=97.52円)で2万通貨購入 ・(ドル=99.21円)で1万通貨を50日後に利益確定 ・(ドル=98.88円)で残り1万通貨もさらに50日後に利益確定
ちょっと複雑ですが、四則計算ができれば簡単に解けます。
①(99.21円-97.52円)=1.69円×1万通貨=16,900円 ②(98.88円-97.52円)=1.36円×1万通貨=13,600円 ③(70円×50日)+(70円×100日)=10,500
全体の収益は(①+②=為替差益)+(③=スワップポイント)=41,000円となります。
これを応用すれば、たとえば今回のトレードであれば「4万円プラスになったら決済しよう」といった目標収益から逆算して適切に決済することも可能です。
損益計算はリスク管理にも役立つ
そのほか、「損失を5%以内にしたい」といった場合にも損益計算が役に立ちます。
・資産(元金)10万円 ・(ドル=円=98円)で1,000通貨購入 ・損失額を資産の3%以内に設定
許容損失額⇒10万円×3%=3,000円 決済するレート⇒(98円-3円)=95円
クロス円以外の損益計算にも応用できる
円クロス以外の計算方法はちょっとだけ複雑です。(ユーロ/ドル)を例にして計算してみましょう。基本は円クロスと同じですが、差益がドルになりますから、それに(ドル/円)のレートを掛ける作業が加わります。
・(ユーロ/ドル=1.3450ドル)で1万通貨購入 ・(1.3500ドル)で決済して利益確定 ・このとき(ドル/円=90円) ・収益は(1.3500-1.3450)×1万通貨×90円=4,500円
意外と簡単です。ちなみに、上記の計算式にあるようにクロス円以外の取引では収益がクロス円のレートに左右されます。したがって、ドル円が安ければユーロが大きく値動きしても思ったほど利益にならないケースもあります。逆にいえば、損も少なくて済むわけです。
損益計算はできたほうがいい
実際の取引ではFX会社の取引ツールで簡単に損益計算をしてくれます。また、目標とするレートやロット数を入力すると損益計算してくれるシステムもありますが、機械を使うまでもなく自分で簡単に計算できますから、初心者トレーダーはぜひトライしてみてください。
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