初心者トレーダーの学習の基本といえばローソク足です。
ローソク足が作る形の特徴を理解することによって、トレードはもっと楽しくなります。ローソク足の形には、実体の長いもの、ヒゲが長いもの短いものや短いのもの、実体の短い小さなものなど、さまざまな種類がありますが、どの形にも相場を読み解くヒントが隠されています。
今回はローソク足の意味と使い方について、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。
ローソク足の形が意味するところ
ローソク足は、過去レートから将来の為替レートの動きを視覚的に理解するための分析手法として多くのトレーダーが取り入れています。
ローソク足は時間足で理解する
時間足とは、為替の動きを「分」「時」「日」といった時間軸ごとに表したチャートのことです。「1分足」「5分足」「1時間足」などの短期の時間足や、「日足」「週足」「月足」などの中長期的な時間足があります。
チャート分析においては、長期的な時間足を見てから短期的な時間足の分析に入るのが基本です。なぜなら、チャートは短期の時間足が集まって長期的な時間足を形成しているからです。
たとえば1分足では為替が上昇していても、1日足で俯瞰してみると下落トレンドだということもあり得ます。
ローソク足のおもな用語と意味
それぞれ本体やヒゲの大きさ、長さによってローソク足の意味するところは異なります。まずはローソク足の用語と意味について慣れておきましょう。
・実体⇒ローソク部分本体で、始値と終値で囲んだ長方形のこと。 ・上ヒゲ⇒ローソクの上に伸びる線のことで高値を表す。 ・下ヒゲ⇒ローソクの下に伸びる線のことで安値を表す。 ・ひげの長さ⇒為替変動が激しくなるほどヒゲは長くなる。 ・陽線⇒始値から上昇し最終的に終値が高かったことを表すローソク。 ・陰線⇒始値から下落し最終的に終値が安かったことを表すローソク。
ローソク足の10ののパターンを覚えよう
ローソク足には典型的な形が存在し、その形によって取引しているトレーダーの「強気」「弱気」の兆候を見極めることができます。これらの形をすぐに覚えるのは難しいと思いますが、徐々に慣れていきましょう。
・大陽線⇒トレーダーの「強気の買い」のサインを示す ・小陽線⇒「買い」が優勢の「やや強気」を示す ・大陰線⇒「弱気の売り」のサインを示す ・小陰線⇒「売り優勢のやや弱気」を示す ・上影陽線⇒「高値で頭打ち」の傾向を示す ・下影陽線⇒「売り傾向が収束して価格上昇に転じるサイン」を示す ・上影陰線⇒「価格上昇が頭打ちになると見込んだトレーダーが売りに転じるポイント」を示す ・下影陰線⇒安値から高値に転じるチャンスだが「買いの警戒心が強く抵抗が強い」ことを示す ・十字架⇒買いと売りが拮抗した「引き分け」状態を示す
ローソク足の10種類の組み合わせによる分析
ローソク足を組み合わせて分析することによって、分析の精度がより高まります。ローソク足の組み合わせとして、次の10種類の典型的なパターンを紹介します。
かぶせ線
1本目のローソク足が大陽線(赤いローソク)で、2本目に大陽線の中心を下回るように陰線(青いローソク)が出現します。かぶせ線の出現は価格上昇傾向が落ち着く兆候なので、この先「売り」が有利になると考えられます。
出会い線
・陽線の次に陰線が出現するパターンは、売り方にプレッシャーをかけられている ・陰線の次に陽線が出現するパターン⇒買い方にプレッシャーをかけられている
出会い線が出現した場合は、「価格変動のトレンド転換のサイン」と読むことができます。
振り分け線
・陰線の始値(前日)と陽線の始値(翌日)が同じ水準⇒買い優勢 ・陽線の始値(前日)と陰線の始値(翌日)が同じ水準⇒売り優勢
振り分け線は、前日の始値と翌日の始値が非常に近い水準で示されるローソク足の組み合わせです。振り分け線が出現したときは、一般的に「トレンドが持続」することを示唆するといわれています。
あて首線・入り首線
あて首線は売り方のプレッシャーが強いトレンドを表し、「売り」が強いトレンドの場合にしばしば出現します。2日連続の陰線なので、合わせると一本のローソク足になります。
入り首線は買いが優勢のトレンドを示唆するローソク足の組み合わせです。最終的に翌日の終値が前日の大陰線の中心に届かず、「買いがやや強い」トレンドのときに出現します。
たすき線
・陰線の翌日に高寄り付き気味で始まり、終値が前日高値を上回る⇒売りが有利 ・陽線の翌日に安寄り付き気味で始まり、終値が前日安値を下回る⇒買いが有利
たすき線は、買い(売り)が強く、相場が比較的大きく動く際に出現するパターンです。
毛抜き天井・毛抜き底
毛抜き天井は前日と翌日の高値がほとんど同じ水準になったローソク足の組み合わせです。今後はトレンドが転換していくと予想することも可能です。なお、毛抜き天井が出現しない場合は、トレンドがまだ続いていく可能性があります。
毛抜き底とは、前日と翌日の安値がほとんど同じ水準になったローソク足の組み合わせです。為替の最安値であることを示唆し、今後はトレンドが転換していくと予想することも可能です。
包み線・はらみ線
包み線は、前日の為替トレンドとは真逆に動く力強い値動きを示していて、「トレンドの転換点」として理解することができます。
はらみ線は、前日のトレンドと比較してあまり動きがなかった場合に出現するローソク足の組み合わせです。ほとんど相場変動がない状態ですが、翌日のローソク足がコマ(小陽線、小陰線)になっている場合は、相場の転換を示唆するため要注意です。
ローソク足の意味を知ってトレードに生かそう
ローソク足は過去のデータであり、相場予想のための万能なサインではありません。しかし、優秀なトレンド分析ツールであることについては疑いの余地はありません。相場参加者の多くがローソク足の動きを研究し注目しているため、「このローソク足が出たから次はこう動くのではないか」といった思惑の集合体が相場に影響することは、ある意味必然だといえるからです。
ローソク足は奥深く、知れば知るほどFX取引の幅が広がります。最初は理解することが難しいかもしれませんが、あまり難しく考えずに興味をもって取り組めるようになるといいと思います。
コメント