投資先としてよく比較される仮想通貨とFXですが、猫道場が投資初心者におススメするのは断然FXです。仮想通貨は魅力ある投資である反面リスクが大きく、投資慣れしていない初心者が始めるのは危険だと考えています。
今回は仮想通貨についての注意点と、注目されている「仮想通貨FX」について紹介します。ちなみに現在、「仮想通貨」は「暗号通貨」と呼ばれるそうですが、ここでは一般的な用語である「仮想通貨」を使って説明します。
仮想通貨にはどのようなものがあるか
仮想通貨は1年で100倍にもなるような値上がりが起きることがあるなど、その変動率が魅力的です。しかし、FXとは比較にならないほど投機性が高く、当然ながらその分リスクも大きいので、投資に慣れていない人が始めると大きな損失を出す危険があります。
代表的なビットコイン(BTC)の動きを見てみよう
仮想通貨の代表格であるビットコインは、2017年12月には210万円まで上昇しましたが、2018年2月には60万円台まで急落しました。わずか2か月のうちに70%も下落したのです。このとき地獄を見た人は無数にいたでしょう。その後は2020年12月に200万円になり、2021年7月時点で350万円台の値をつけています。
そのほかの仮想通貨
世界中に流通している仮想通貨は3,000種類を超えるといわれています。そのなかで、日本国内で売買できる仮想通貨には、ビットコインのほかに以下のようなものがあります。
イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH) ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)、モナコイン(MONA) ネム(NEM)、ファクトム(FCT)、リスク(LSK)、ステラルーメン(XLM) クアンタム(QTUM)、ベーシックアテンショントークン(BAT)
仮想通貨FXの魅力とリスク
仮想通貨FXのトレードの特徴
数百万円もするビットコインを現金でポンと買える人は少ないでしょう。そこで仮想通貨取引でも、FXと同じような信用取引とレバレッジの仕組みが用意されています。それが「仮想通貨FX」です。
仮想通貨FXでは、将来の値上がりや値下がりを見込んで仮想通貨の信用取引を行い、価格変動の差額分だけを受け取る(支払う)ことができます。現物取引ではショート(空売り)ができませんが、仮想通貨FXでは可能なので下落局面でも利益を狙うことができます。
また、仮想通貨FXはチャートが読みやすく為替FXよりも勝ちやすいという説もありますが、真偽は不明です。
レバレッジの仕組み
2021年7月現在、ビットコインは300万円の値がついていますが、仮想通貨FXでは小数点以下の取引が可能です。
一般的に、仮想通貨FXの最低取引数量は額面の(1/100)から、レバレッジは2倍で設定しています。(1BTC=300万円)とすると以下のような低額でトレードすることが可能です。
300万円×0.01÷2(最大レバレッジ2倍)=1.5万円
仮想通貨FXの手数料について
仮想通貨FXでは次のような手数料が発生します。
・スプレッド⇒取引の際に発生する買値と売値の差額 ・レバレッジ手数料⇒日を跨いでポジションを保有する際に発生
スプレッドが実質的な手数料であることはFXと同じです。
仮想通貨FXではポジションを保有しているだけでも、毎日レバレッジ手数料が生じます。したがって、仮想通貨FXでは日を跨がずに短期間で決済するトレードが主流です。FXと同じように証拠金制であり、追証やロスカットなど、FXと同様の仕組みがあります。
24時間365日取引できる
現物取引にも共通していますが、仮想通貨FXは24時間365日いつでも好きな時間に取引可能です。
代表的な仮想通貨取引会社
仮想通貨FXを扱う国内の代表的な取引会社として、以下の3社が有名です。海外にも無数に取引会社があり、とんでもないレバレッジを提供しているところもありますが、支払いトラブルなどを散見するので信用できる国内業者を選びましょう。
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仮想通貨のデメリット
仮想通貨はリスクの高い投資であると同時に、FXとの比較においていくつかのデメリットがあるので確認しておきましょう。
仮想通貨の利益は累進課税の対象になる
税金リスクは仮想通貨取引の大きなデメリットです。
FXは申告分離課税という制度を採用しています。どれだけ利益を出しても所得税と住民税の合算で(20.315%)と固定制になっています。本業の給料とも分離されるので、FXでどれだけ利益を出しても給料の税金に影響はありません。
一方で仮想通貨による利益は雑所得扱いであり、総合累進課税方式です。累進課税は利益を出せば出すほど税率が上がる仕組みで、最高で(所得税45%+住民税10%)、つまり利益の55%を税金で取られてしまいます。
また総合課税のため、サラリーマンの場合、本業の給料と合算した収入に対して税率が計算されます。仮想通貨で利益を出すと、給料側の税率も上がってしまうのです。
仮想通貨にはほとんどデモトレードが用意されていない
FX会社は相場に慣れていない初心者ユーザーのためにデモトレードを用意しています。デモトレードではユーザーが取引の疑似体験やツールの使い勝手の確認を気軽に行うことができます。
一方で、仮想通貨では、ほとんどの通貨取引所はデモトレードを提供していないので、FXのように無料練習をする機会がありません。
仮想通貨のセキュリティ問題
仮想通貨は管理システムが脆弱なため、ハッキングリスクに晒されています。
2018年1月に仮想通貨取引所大手の「コインチェック」がハッキング被害を受け、仮想通貨「ネム」が580億円分流出するという事件が起こり、コインチェックのずさんなセキュリティや運用体制が発覚しました。
さらに、2018年9月には仮想通貨取引所のZaif(ザイフ)がハッキングされ、67億相当の仮想通貨が流出する事件も発生し、仮想通貨のセキュリティの脆弱性が改めて浮き彫りとなりました。
このように、仮想通貨取引のセキュリティは発展途上にあり、大手取引所であってもいまだ未成熟といわざるを得ない状況にあります。
仮想通貨FXにチャレンジする方法
仮想通貨FXは値動きが大きいので、FX以上にリスク管理に注意しなければなりません。FXと同じように「指値注文、IFD注文、OCO注文」などの注文方法を選択できるので、それらの運用方法を学習したうえでチャレンジするようにしましょう。
いわゆる「草コイン」と呼ばれるマイナーな仮想通貨への投資も注目されていますが、一部の草コインのなかには詐欺案件が含まれています。投資した資金が戻ってこない場合もあるので、安易に怪しげな仮想通貨に投資しないようにしましょう。
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