これからFXの取引を行うにあたって、情報を収集しようとするときに多くの専門用語が飛び交うことになります。そこで今回は、FX初心者がスタートラインに立つために必要な基本的な用語と、注文方法の基礎を紹介します。
FXの基本用語
FXトレードのスタートにあたって、最低限必要となる10の専門用語を解説します。頻出の用語は最初にこのページで覚えてしまいましょう。
通貨ペア
FX取引は異なる種類の通貨同士を交換する取引です。一般的には日本円で外貨を買う(売る)ことが基本になりますが、外貨同士の交換も可能です。売買する通貨の組み合わせのことを「通貨ペア」といいます。2種類の通貨を選んで、その差額で利益を得ていくのがFXの稼ぎ方です。
米ドルと日本円の取引を行うときは「米ドル/円(USD/JPY)」という表記をします。日本円で米ドルを買う(売る)という意味です。ユーロと米ドルなら「ユーロ/ドル(EUR/USD)」、イギリスのポンドと円なら「英ポンド/円(GBP/JPY)」のようになります。
チャート
為替相場の動きをグラフ化し、値動きを目で見てわかるように表示したものをチャートといいます。「ドル円チャート」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは米ドルと日本円の値動きを示したチャートのことをいいます。
チャートは相場の分析を行ううえで欠かせない存在です。チャートでは年、月、日、時間単位によるさまざまな期間を設定して相場の動きを確認することができます。
ポジション
「ポジション」とは、現在持っている「持ち高」のことを指します。
「持ち高」は外貨を保有している状態のことで、「ドル/円」を「買い」で注文してそのまま保持している状態であれば「買いポジション」といういい方をします。また「売り」で注文している「空売り」の状態のことを「売りポジション」といいます。
新規注文をする場合は「ポジションを建てる」「ポジションを取る」「ポジションメイク」といった表現が使われます。
ロングとショート
「ショート」は「売る」もしくは「売りポジションを保有する」ことを指します。逆に、「ロング」は「買う」もしくは、「買いポジションを保有する」ことを指します。
少しややこしいのですが、ドルを売って円を買うことを「ショート」、円を売ってドルを買うことを「ロング」といいます。「売りポジション」を「ショートポジション」、「買いポジション」を「ロングポジション」と呼ぶこともあります。
pips(ピップス)
「pips」は為替レートが動くときの最小単位のことです。初心者にとって理解が難しい専門用語のひとつだと思いますが、最初に覚えておきたい概念です。
Pipsの使い方について、(米ドル/円)の為替レートを例にして説明します。
為替レートは「99.99、100.00、100.01、100.12…」と0.01ずつ動きますが、この(1/100)の刻みを「1pip」と表現します。日本円では0.01の単位を「銭」と表現するので、(1銭=1pips)となります。ドル円レートで「2pipsあがった」とは、為替レートが100.00から100.02にあがったことを意味します。
ちなみに各国の通貨によってpipsの単位には違いがあります。
ロット(Lot)
ロットとは取引単位のことです。「枚」と表現することもあります。ロットは通貨ペアやFX会社によって異なるので、口座開設の際には最初に確認しておきましょう。
(米ドル/円)の場合、以前は(1ロット=1万通貨)としている取引会社が多かったのですが、最近はトレードのハードルを下げる目的で、(1ロット=1,000通貨)とする会社が増えています。
(1ロット=1万通貨)の場合、1ロットの取引において(1pips)の値動きがあると(100円)の損益が出る計算になります。このように、ロットとpipsを同時に理解しておくと便利です。
レバレッジ
投資資金の何倍もの金額で取引を行えるシステムを「レバレッジ」といいます。日本国内のFX会社では、法律によってレバレッジの上限は25倍までと決められていますが、海外のFX会社にはレバレッジ100倍とか200倍といった高い倍率が設定されているケースもあります。
レバレッジを利用することによって自己資産以上の売り買いができることから、少額で大きな利益を得られる可能性がある一方、マイナスが発生したケースではリスクも大きくなります。
証拠金
証拠金は取引するための資本金(あるいは保証金)です。FX会社によって呼び名も異なります。「初回最低入金額」「初回預かり証拠金」、あるいは「受入証拠金」とか「必要証拠金」「最低証拠金」などの名称がありますが、いずれも証拠金のことです。
スワップポイント
通貨ペアの金利差から発生する損益のことをスワップポイントといいます。
低金利通貨で高金利通貨を買うとスワップポイントを得ることができますが、逆に低金利の通貨を買ったときは支払いが生じます。日本は超低金利ですから、ほとんどの場合は金利差益が発生します。
スワップポイントは毎日発生します。したがって、スワップポイントで利益を出すためには、外貨の長期保有が基本になります。ただし、長期で保有する場合、金利差益を為替差損が上回るとトータルでマイナスになることもあるので注意しましょう。
スプレッド
スプレッドは買値と売値の差額にFX会社の事務手数料を加えた費用です。取引するたびにかかるので、FX会社の実質的な手数料のようなものだと考えておいてください。FX会社や通貨によってスプレッドの幅は異なります。
買値:102.50円 売値:102.45円
この場合、スプレッドは(0.05円+手数料)になり、取引のたびに発生します。
FX初心者が最低限知っておくべき3つの注文方法
成行注文
文字通り、「成り行き(その場の価格)」で値段を決める注文方法で、FXの最もスタンダードな注文方法です。
指値注文
指値注文は欲しいと思う金額をあらかじめ指定して注文しておく方法です。
現在のレートを(米ドル=110円)として、この先105円になった時点で新規で買いたいと考えている場合に、あらかじめ「105円になったら買う」という予約注文をしておくことが可能です。
逆指値注文
逆指値注文は、現在価格よりも「上がったら買う」または「下がったら売る」という、指値注文とは逆の注文方法です。
(米ドル/円)の買いポジションを「含み益」が出ている状態で保持しているケースでは、ここで決済して利益を確定する選択もあるし、含み益がもっと増えるまでもう少し様子を見るという選択も可能でしょう。しかし、目を離した隙に相場が急落してせっかくの含み益が消えてしまったり、さらに相場が下落して含み損が発生するリスクもあります。
このような場合に、「その価格になったら決済する」という設定をすることによって、含み益の確保や損失の限定を図るわけです。逆指値注文はそのようなリスクヘッジとして使用されることが多い取引方法です。
最低限のルールを覚えてから実戦に臨もう
ここで紹介した用語のほかに、「FXの基礎編」をひと通り読んでいただいてからトレードを開始しましょう。
トレードをスタートするためには口座を開設する必要があります。以下のページで優良口座を紹介していますので参考にしてください。
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