これから投資をはじめたいという初心者の悩みのひとつは「どれぐらいの元手で始めるべきか」ということだと思います。
確かに、いきなり100万円必要だといわれてもハードルが高すぎるし、20万円でも難しいかもしれません。とりあえず試しに1万円位からはじめてみたいという方は多いかもしれません。しかし猫道場では、「元手1万円で年間10万円稼ぐ」という仮説が荒唐無稽であることを前提にして、FXが投資としての意味をもつためにはある程度の予算が必要であるという主張をしています。
それでは少額予算でのトレードはまったくの無意味であるかといえば、そうとも限らないケースも考えられます。今回は元手1万円から始めるFXトレードを紹介し、初心者がそれによって得られるメリットについても解説していきたいと思います。
投資予算についての考え方
FXの世界にもビギナーズラックがあります。しかし、結果的にトレードで資金を増やすためには知識と技術の習得が必要です。最初は勝ったり負けたりしながらスキルアップし、初心者が安定的に勝てるトレーダーに育っていくのが理想形ですが、それ以前に大きなマイナスを喰らって市場から退場してしまうパターンは実に多いです。
実際問題として、ある程度の予算ボリュームがなければ大きく収益をあげることは難しいですが、初心者がスキルアップを目標に破綻しない範囲でコツコツと始める分には「元手1万円で始めるトレード」が有効に働くかもしれません。
初心者が元手1万円でFXを始める方法
基本は1000通貨でのトレードになる
初心者が元手1万円から始めるケースでは、どこまで負けても損失額は最大1万円以内で止まるわけですから、リスクを小さく抑えることができます。
元手が1万円の場合は、取引通貨量は1,000通貨単位がメインになります。証拠金率は4%なので、(ドル=100円)であれば、取引開始時に使用する証拠金は4,000円(=100円×1,000通貨×4%)ということになります。
1万円の元手でどれぐらいの利益が狙えるのか
100円で買ったドルが、その後103円まで上昇すれば3,000円の利益となりますが、逆に97円に値下がりすると3,000円の損失になります。
現実的にはドルの為替が3円も上限することは考えづらいので、上下幅はせいぜい2円以内、つまり損益範囲2,000円以内と考えておけばいいでしょう。
投資予算を大きくするとどうなるか
1,000通貨の取引による損益額は±2,000円以内だと考えられます。1,000通貨の取引のために必要な証拠金は4,000円ですから、投資額を2,000通貨に増やして取引してもいいのではないかという考えもあるでしょう。しかし、焦りは禁物です。
2,000通貨の取引であれば、1円の値動きにつき収益は2,000円と倍増するので魅力的ですが、後述しますが資金ギリギリの取引はロスカットの危険が伴います。少額元手による取引の場合、証拠金を減らしてしまうロスカットはどうしても避けなければなりません。
したがって、あくまでも1,000通貨での取引をコツコツ続けることが肝心です。
ロスカットの危険性について
1000通貨の取引におけるロスカットの可能性
1万円で1,000通貨の取引をした場合、どれ位のマイナスでロスカットになるのでしょうか。FX会社によっても違いはありますが、基本的には持っているポジションの5~6円位と考えておきましょう。
(ドル=100.00円)の時に1,000ドル買ったとします。この時の証拠金は4,000円ですから、余剰金は6,000円です。この余剰金が枯渇するのは6円値下りした時点なので、(100円-6円=94円)でロスカットになるケースが多いでしょう。
同様の計算をすると、(ドル=110円)であれば104円でロスカットになります。実際には5円以上相場が動くことは考えづらいので、ロスカットの危険はほぼないと考えておいてもいいでしょう。
掛け金を増やすとロスカットのリスクが大きくなる理由
ロスカットのリスクが増えるのは余剰証拠金が少ないパターンです。
(ドル=100円)の時に2,000ドル買ったとします。この時の証拠金は8,000円ですから、元手1万円だと余剰金は2,000円です。余剰金が枯渇するのは2円値下りした時点になるので、(100円-2円=98円)でロスカットになります。
このように、掛金を1,000通貨から2,000通貨に増やすことによって、リスクが一気に大きくなることが理解できたと思います。
取引量を多くしたいと考えるのは当然のことだが
1万円の元手でトレードをおこなうケースでは、1,000通貨による1回の取引の損益額は2,000円以内になると考えておきましょう。当然のことですが、これでは投資として物足らないと思います。したがって、次第にトレードで勝てるようになってくると、取引量を増やしてみたくなります。
猫道場としては、トレーダーが自信をつけたところで、投資予算を10万円程度に増やしてチャレンジするプランを推奨しますが、1万円の予算でコツコツ元手を増やしつつ、手元資金を投入することなく取引額を増やしていくという方法も考えられます。
この方法の場合は、いかにも時間がかかるという点がネックですが、一旦この方法を選んだ場合は初志貫徹で方針を継続すべきでしょう。途中で我慢しきれずに投資額を増やすと、失敗する可能性が高まることに注意しましょう。
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