ギャンブル中毒は社会問題になっていますが、基本的にはFXもギャンブルと同じです。テレビなどでもときどき、ギャンブル依存症のようにパソコンの前にはりついて中毒のようにトレードを繰り返すトレーダーの様子が報道されることもあり、「FXは怖いもの」というイメージを持たれることも多いようです。
実際問題として、FX依存症になってしまうと、メチャクチャな取引を繰り返した結果、高い確率で大損をすることになります。しかし、そのことを理解していても抜け出せないのが依存症の所以でもあります。
そこで今回は、トレーダーがFX依存症やその予備軍になる可能性のあるトレーダーの原因や依存症を改善していく方法などを考えていきます。
FX依存症になる原因
金が絡むと理性を失う
FXは自分のお金をかけて取引を行います。人間は金が絡むと理性を失うことが多い生き物であり、FXでも当然、理性を失ってしまう人が多発します。
止める人がいないので歯止めがかからない
トレードは基本的に一人で行うものです。トレード仲間がいる人でも、皆で同じ部屋でトレードをやるわけではありません。一人で黙々とトレードをして負けが続いたりすると、頭に血が昇ってオーバートレードになってしまうことが多々あります。冷静を失った状態になっても、止めてくれる人がいないので、歯止めが効かなくなるのです。
単純なクリック作業のため惰性でトレードしてしまう
FXトレードの手順は比較的簡単で、スマホからでもボタンひとつで取引の注文を行うことができます。作業が便利になった反面、続けて何度も取引を繰り返してしまう人も増えています。
ゲーム感覚でエンドレスで注文のボタンを押し続けているうちにFX中毒に陥ってしまうのです。
24時間トレードできること
株式取引であれば、9:00~15:00までの市場が開いているしか取引できません。15:00以降はトレードをしたくてもできないわけです。ギャンブルの場合でも、パチンコ屋や競馬場は夜中はやっていません。しかし、FXの場合は平日であればほとんど24時間取引が可能です。
強制的に休む時間がないということは、頭を冷やして冷静になる時間がないともいえます。
FX依存症を克服する方法
中毒症状や依存症になってしまうと、もはや自制心が働きません。自分を取り戻すためには、まずは自分が依存症であることを自覚するところから始める必要があります。
自分がFX依存症であることを認める
一番大切なのは、自分が依存症であると気がつき、それを認めることです。病的であることを認めたあとは、自分を戒めるための標語を大きく紙に書いて部屋の壁やパソコンの上に貼ってみましょう。ポイントは定量・定数目標として設定することです。
・1日10回以上トレードすると絶対に負ける! ・1日2時間以上FXをやらない! ・深夜0時以降はパソコンを開かない!
このように、目に見える場所に自分への戒めを壁に貼っておく方法は意外と効果があるといわれています。試してみる価値は充分あると思います。
強制的にパソコンやスマホを遠ざける時間をつくる
連続ですぐに次のトレードを行う癖がついてしまっている場合は、一連のトレード終了後は「30分もしくは1時間はトレードをやらない」というルールを作って、それを徹底して守るようにするのも効果的です。
これは要するに、トレード回数を制限するための方法です。トレード回数を減らすことで利益を取り逃がすケースも出てきますが、それに腹を立てる心境の延長線上にあるのが依存症なのです。
目先の利益にこだわるのではなく、「今は依存病を克服するのだ!」という強い意思を持つことが大切です。
スキャルピングは厳禁
売買を短時間で繰り返すスキャルピングは、依存症との親和性が非常に高いトレード方法です。もしスキャルピングでうまく収益確保ができていないのであれば、一旦休息時間をおいてから、スイングトレードなどゆったりとした時間軸でトレードを行う方法にチェンジするのもひとつの考え方です。
そもそも、初心者にスキャルピングはハイリスクなのでおススメできません。
誰もがFX依存症になる可能性がある
ギャンブルをしたことがない真面目な人でも、チャートを前にしてトレードを始めると人格が変貌してしまうことがあります。
トレードにのめり込んだ状態になると、依存症ぎみになっても自分では気がつかないことも多いのですが、口座の資金をかなり減らしてしまってからようやく我に返ったという話もよく聞きます。さらに、そのような状態になってもやめられないケースもあります。破滅する前に冷静を取り戻さないと自己破産までまっしぐらです。
FX依存症は年齢や性別、資金に関係なく誰にでも起こり得ることです。もしそのような兆候を自覚しているなら、症状が悪化する前に自分の取引を見つめ直す時間を取り戻して下さい。
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