FXでは「どの時間に」「どれぐらいの通貨量で」「レバレッジは何倍で」取引するのかについては、トレーダーの自由です。むしろFXは、そういった自由度が高いところに魅力があるのではないでしょうか。
しかし、ルールのないトレードをしていれば破滅までまっしぐらです。勝っているFXトレーダーは誰しも自分のルールを決めてトレードしています。なかでも、FXでは「禁じ手」といわれる方法がいくつか指摘されています。今回は禁じ手のひとつである「飛び乗り」について詳しく解説します。
誰しも経験がある電車の飛び乗りによる失敗
「電車が発車しそう!」と急いで飛び乗ったところ、反対方向行きの電車だったという失敗をしたことは誰しもあるのではないでしょうか。あるいは、ドアの閉まりかけた電車に飛び乗ろうとしてケガをしたり、カバンが壊れてしまったという経験をした人もいるかもしれません。
ケガをしたり、大切にしていたカバンが壊れるくらいなら、多少時間には遅れても1本後の電車に乗るほうが賢明です。この考え方は相場にも当てはまります。
FXでも「飛び乗り」は厳禁
FXの「飛び乗り」パターンとは
時間足が小さい5分足などを見ているトレーダーが、値動きがポンと出た瞬間に「チャンスを逃すな」とばかりに、それまでの相場環境を無視して発作的にエントリーしてしまうことがあります。これが「飛び乗り」の典型的なパターンです。
目の前の値動きにつられてエントリーしても、トータルでは負ける傾向にあることは間違いないのですが、たまにそれで勝ってしまうことがあるのでやめられない人が多くなるのです。
「飛び乗り」が悪いのは根拠がないから
「飛び乗り」には何の根拠もないことが問題なのです。エントリーの根拠もなくトレードをするのであれば、丁半博打と変わりません。
「飛び乗り」の後で相場が反転してしまう理由とは
多少波に乗り遅れたとしても、方向性としては流れに乗っているトレードのはずなのに、なぜ自分がエントリーするタイミングになって値下がりしてしまうのか、疑問に感じる初心者も多いでしょう。その点について解説していきたいと思います。
「飛び乗り」は、瞬間的な値動きに反応してエントリーするわけですが、急激な値動きであればあるほど、それに反発するように相場が逆行してしまう可能性も潜んでいます。
相場が大きな動きを見せた時には、そこで利益を確定する人と、新規参入してくる人が現れます。その結果、買いが優ればさらに値が上がりますが、売りが優れば相場はその時点から急落していくことになるのです。これは先を予測することが難しい相場です。
「飛び降り」は有効なテクニック
「飛び乗り」の危険性についてはお伝えしましたが、勢いを見てすぐに判断することが有効に働くテクニックもあります。
それは「飛び降り」です。「飛び乗り」とは似ても非なるもので、「飛び降り」はトレーダーにとってぜひ覚えておきたい手法です。
「飛び降り」は、すでにポジションを持っているケースで、ポジションを持っている方向に大きくレートが伸びた場合に、タイミングを見て決済してしまうことです。圧倒的に長い上昇が現れた場合には、かなりの高確率でそこから相場は急落します。したがって、上昇の勢いが陰りを見せた時点で、それ以上欲張らずに充分に利益を得られるタイミングで決済してしまいます。
「飛び乗り」連敗パターンから脱出する方法
反転した場合でも1波目は捨てる
トレンドラインや水平線での攻防において、一度ラインを突破しても、ふたたび元の位置に戻ってくることが多いです。いわゆる「押し目」や「戻り」といわれるパターンです。
このような傾向を考えた場合、ラインブレイクの瞬間に慌てて飛び乗るのではなく、相場が戻ってきてからチャートが動く方向を確認して、それからエントリーしても遅くはありません。
取引開始時における相場の動きの誘惑に注意
前回の取引から時間が経っていると、その間チャートがどのような動きをしているかわかりません。目の前でチャートが予想もしていなかった動きをしている場合は、すこし前のチャートを確認するようにして、騙されないようにしましょう。
マウスから手を離す
パソコンを操作する際に、(買い/売り)ボタンの上にマウスカーソルをあてたままチャートを見続けることが多いです。すると、目の前の大きな動きを見て反射的に売買してしまうことがあります。したがって、普段からマウスから手を離して慌ててクリックしないように対策しましょう。
チャンスは必ず訪れるから焦る必要はない
相場は波動です。ひとつの波が通り過ぎても、またしばらくすれば次々と新しい波がやってきます。ひとつの波を逃したら、次の波を待てばいいのです。
FXで「飛び乗り」をしても総じて良い結果を招きません。目先の値動きのその先は予測することができないからです。もちろん、飛び乗った後にもトレンドが続くケースもありますが、反転することも少なくありません。難しい対応を迫られることが多いのです。
そのような難しい対応をするよりも次のトレンドがくるまで待てばいいのです。焦ることはありません。チャンスはいくらでもやってきます。
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