FXトレードにおいて「注文価格通りに約定する能力」を「約定力」といいます。
約定力が低いというのは「注文価格」と「約定価格」の間にズレが生じやすいことを示しています。それとは逆に、約定力が高いというのは「注文価格」と「約定価格」が一致しやすいことを示します。
「約定力」と「スリッページ」
「注文価格」と「約定価格」がズレる理由
「注文価格」と「約定価格」がズレる理由は、トレーダーがFX会社に注文をしてから、FX会社がインターバンクに注文するまでにタイムラグがあるからです。このわずかな時間の間に為替が動くことがあり、それによって生じる価格差を「スリッページ」といいます。
スリッページによって生じる問題点
スリッページは積み重なると大きなコストになるリスクがあります。スリッページはごくわずかな価格差ですが、結果的に大きな違いが生まれる場合があります。たとえば、このようなケースがあります。
・注文価格⇒(100円) ・約定価格⇒(100.05円) ・取引量⇒(1万通貨~100万通貨)
5pips(5銭)のスリッページでは(5銭×1万通貨)=500円の違いが生まれます。さらに取引量が大きくなれば、(10万通貨)であれば5,000円、(100万通貨)であれば5万円の違いが生まれます。これは1回ごとのトレードで生じるスリッページです。
一般的なトレーダーが一度に100万通貨の取引をすることは考えづらいですが、スキャルピングトレード(数分で完結する取引)やデイトレード(1日で完結する取引)によって頻繁に取引をするトレーダーにとっては、スリッページの積み重ねが大きなコストになる可能性があるわけです。
スリッページで得をするケースもある
スリッページは必ずしも損になるケースだけとは限りません。
たとえば「100円で買うつもりが、99.98円で買えた」といったように、スリッページで得をするケースも考えられます。しかし、瞬間的には得をしたように感じますが、「本来100円で買う予定だった」という意味では、本来のトレーダーの意図と違う買い付けになったということになりますから、一概に喜ばしいこととはいえないようにも思います。
スリッページ対策について
トレーダーが発注してから約定するまでのタイムラグがある限り、スリッページをゼロにすることは不可能です。しかし、できる限りスリッページは小さいほうがトレーダーにとって有利です。そこで、トレーダーが講じることができるスリッページ対策についていくつか方法を挙げていきます。
指値注文をする
「成行注文」は、トレーダー自身が現在の価格で注文する一般的な注文方法ですが、FXでは予定価格で注文することもできます。これを「指値注文」といいます。「β円になったら買う(売る)」といった予約注文ができるのです。
実は、スリッページが発生するのは成行注文のみです。指値注文の場合は必ず指定した価格(β円)で約定されるわけですから、スリッページは関係ないのです。
許容スリッページを設定できるサービスがある
FX会社の中には「αpipsを超えるスリッページが発生した場合は約定しない」といったルールをトレーダー自身が設定できるサービスを用意しているところがあります。たとえば、このような形です。
注文価格⇒(ドル/円=100円) 許容スリッページ⇒(2pips)までと設定
(ドル=100円)で注文した場合、約定価格は(99.98円~100.02円)の範囲に収まります。このような設定があれば安心してスキャルピングトレードができます。
スリッページの小さいFX会社を選ぶ
トレーダーの対策としては、これが一般的だと思います。約定力の強いFX会社とは、システムやサーバーが優秀で処理能力の高い会社ということです。
猫道場がおススメする、スリッページが小さいFX会社は以下の3社です。
★ヒロセ通商 👈社名をクリック ★みんなのFX 👈社名をクリック ★OANDA JAPAN 👈社名をクリック
いずれも高い約定率で知られる会社です。なお、約定率やスリッページ率の詳しいデータについては各社のサイトで確認してください。
いっそスリッページを気にしないというのはどうか
猫道場が初心者に推奨しているスイングトレードであれば、さほど頻繁に売買を繰り返すわけではないので、多少スリッページが発生しても大きな影響はないでしょう。
また、先ほど説明したように、スリッページがプラスに働くケースもあるわけですから、トレード初心者が大きな金額でトレードしない限り、それほど神経質になる必要はないのかもしれません。
ただし、スリッページの小さいFX会社を選ぶことや、指値注文など、スリッページ対策の方法があるわけですから、取引コストについてはある程度「がめつく」対応し、そのうえで、「対策をしたあとは気にし過ぎない」という考え方が正しいように思います。
バランスの取れた国内の大手FX会社を選ぼう
FX口座を開設する際には、スリッページの小さい国内の大手FX会社を選びましょう。取引量が小さい初心者の場合はスリッページの大小についてはさほど神経質になる必要はないかもしれまぜんが、これから取引量を増やしていく場合には、固定コストとなるスリッページが気になってくると思います。
約定力が低い会社は、「システムが弱い」「サーバーが弱い」などの傾向があります。このような会社は顧客獲得のためにスプレッド(取引手数料)を狭く設定しているところが多いですが、取引口座選びにはバランスが重要です。
サービス全体のバランスを考えた場合に、猫道場としては大手のFX会社との取引をおススメするところです。
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