FXにとって資金管理は大事なテーマです。しかし一口に資金管理といっても、一体何をどのようにすれば正しく資金を管理していることになるのか、初心者には理解することが難しいのではないかと思います。
そこで今回は、これまで何となく資金管理していた初心者トレーダーに向けて、資金管理をなるべく具体的に解説し、資金管理だけで勝つ方法を伝授します。
管理すべき資金項目とは
資金管理とはすなわち「証拠金」の管理である
大前提として、資金とは「証拠金」を指します。証拠金の目安としては、トレーダー自身の可処分資産の半分以下で運用することをおススメします。可処分所得の残りは「余剰金」としてキープします。
当然ですが、失ったら生活が困窮するような金額を証拠金として入金するのはご法度です。預けるべき証拠金は、余剰金を含めて、最悪すべて失っても大丈夫な金額ということになります。
集計期間を設定する
資金管理について重要な項目のひとつに「集計期間」があります。資金(証拠金)はいつからいつまで管理するのか、どんな集計管理にも必ず期間は必要です。
サラリーマンであれば1か月単位がいいでしょう。たとえば、証拠金がショートして「追証」を求められるケースがあります。この場合に生活資金をつぎ込むのはNGです。しかし、この期間に使える余剰資金や自由になるお金(たとえば小遣い)があれば、追証に入れることも可能でしょう。余剰資金については前もって期間ごとに分割して仮設定しておきます。
「リスク」と「リワード」を管理する
ロット数は「負けてもいい金額(リスク)」から逆算します。「証拠金の何%」などのルールを決めて確実に運用しましょう。勢いで掛金を増やしてはいけません。「負けてもいい金額(リスク)」と同時に「利益を確定する金額(リワード)」も決めます。
たとえば(リスク:リワード)=(1:3)などの取り決めをした場合には、以下のような目標設定になります。
2万円のリスクを取る場合、勝つ時は6万円以上の利益で決済する
予想される利益が掛金の3倍以上見込めない場合にはエントリーしないということです。この考え方を単純に解説します。
①中身の見えない箱に、赤・青それぞれ5個ずつボールを入れる ②ボールを順番に取り出し、赤なら1万円の罰金、青ならば3万円もらえる ③赤・青の確率はそれぞれ50% ④期待値的にはボールを取ればとるほど、確実にお金は増える
ボールに置き換えていますが、FXトレードにおいても(1:3)理論について同様の理屈が当てはまるはずです。
(リスク:リワード)=(1:3)理論
もちろん相場次第でその通りにいかないケースもありますが、例題のような取引をしていれば負けることは少なく、トレード回数を増やすほど資金は増えていくはずです。それにも関わらず、なぜ勝てない人がいるのでしょうか。
(1:3)理論における勝率と期待値の関係性
トレードで勝ち越すためには、どんなイメージで資金管理すべきなのでしょうか。それには勝率と期待値が関係しています。
取引回数を5回として、そのうち3回勝った場合はトータルでプラスになりそうです。2回しか勝てなかった場合はマイナスになりそうですが、(1:3)理論においてはまったく問題ありません。(1:3)理論では勝率は(25%)でイーブンなのです。したがって5回中2回しか勝てなくても資金は増えていくことになります。これはのちほどシミュレーションで確認しましょう。
(1:3)理論のシナリオを確認する
それでは(1:3)理論の優位性を実際の数字を使って説明します。
①1回の取引で取るリスクは2万円、確定利益をリスクの3倍の6万円に設定 ②5回トレードして2回勝った ③勝った金額は(2×6=12万円)に対して、損切り額は(3×2=6万円) ④その結果6万円の利益が残る
トレード手法についてはあまり関係ありません。重要なのは、守るべきルールをしっかり守ることに尽きます。
資金管理のために必要なテーマ
かならずルールを守るという決意
資金管理の基本であり最大の難関は、損切りと利確を執行しきるための忍耐力です。
ついつい損切りのタイミングを遅らせた結果、想定より大きく負けてしまったり、「チキン利食い」をして予定よりも利益を小さく決済してしまうなど、予定外の行動をとってしまうケースがあります。これが「勝てない資金管理」の典型的なパターンです。
あとは淡々とトレードするだけ
単純かつ絶対的なルールを確実に守ることができれば、1回ごとの取引結果などどうでもよくなるはずです。
トレードの基本となるのは、期待値(予想される収益)の精度を上げる分析力の強化です。スキルアップするためにはチャート分析などテクニカル分析を学ぶことが重要です。精度があがれば(1:3)理論の信頼性がアップしていきます。最初のうちは為替を見誤ったりして予定していた利益が出ないことがあるかもしれませんが、適度な損切りによって損害を最小限に抑える効果は得られるはずです。
重要なことは「損切り」や「利確」を確実に設定金額で執行することであり、トレードの途中で方針を変えない精神力だと考えています。
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