「ハイレバレッジは危険」。書籍やネットの情報でも、そのような情報が流れています。しかし、多くの初心者トレーダーは、その危険性の本当の意味を知りません。
今回はレバレッジの基本をおさらいするとともに、その危険性の本質について解説します。実際にレバレッジについての理解が深まると、トレードの手法についても変化が生まれてくるはずです。
FXのリスクとは何か
ハイレバレッジはリスクが高いのは事実
少ない資金を元手に大きな金額を運用できるのがFXの特徴です。このFXの特徴は、大きな利益を生む可能性があると同時に、損失の危険も大きくなることを表しています。レバレッジを10倍にすれば利益の期待値も損失の可能性も10倍になります。
この点では、ハイレバレッジのトレードは間違いなくリスクが高いトレードだといえます。
最大のリスク要因はロスカットである
損失の上限が設けられていなければ、たしかにレバレッジが高いほどリスクは高まります。しかし注意しておきたいのは、FXには「ロスカット」の仕組みが準備されているということです。
ロスカットは、ある一定の損失額が発生したときにFX会社が強制的に決済してしまう仕組みです。たとえば「証拠金維持率が50%を下回るとロスカットする」という基準のFX会社であれば、10万円の元手(証拠金)で5万円分の含み損を抱えた瞬間に強制的にロスカットされます。
必ずしも「ハイレバレッジ=危険」とは限らない
ロスカットの基準は「損失額の実数」である
ロスカットの対象はあくまでも「損失額の実数」であり、レバレッジの大小に限りません。FX会社はロスカットで損失額の上限を制限しているので、レバレッジの倍率ごとに青天井で損失額が増えるわけではありません。
レバレッジの違いによるトレードの結果を検証する
国内のFX会社(レバレッジ25倍)を利用しているAさんと、海外のFX会社(レバレッジ1,000倍)を利用するBさんのトレードの中身を見てみましょう。
AさんとBさんはそれぞれ口座に10万円を入金して、(ドル=100円)の時に(1ロット=1万通貨)の取引をします。
Aさん⇒(1ロット)取引するために必要な証拠金=(4万円) Bさん⇒(1ロット)取引するために必要な証拠金=(1,000円)
両者には大きなレバレッジ差がありますが、同じ(1ロット)の取引です。為替変動による損益額も両者同額であり、両者共にリスクは同じです。しかしAさんとBさんにはレバレッジに圧倒的な差があるため、1ロットを取引するために必要な証拠金の金額が異なります。両者は、レバレッジに圧倒的な差があるにも関わらず、リスクは全く同じで、必要となる証拠金のみが違うということになるのです。
レバレッジが小さくてもリスクが高い場合がある
10万円の口座で4万円分のトレードをしているAさんは、証拠金維持率に余裕がないためにロスカットのリスクが大きくなります。
それとは反対に、Bさんは10万円の口座で1,000円しか使っていないわけですから、証拠金維持率にかなりの余裕があり、相当な為替変動が起こってもロスカットされるリスクが低く、余裕をもった戦略を立てることができるわけです。
リスクにはロットが大きくかかわっている
Aさんの危険なトレードの要因はロット数です。つまり、ロスカットのリスクというのは、「ロット数と証拠金の関係で決まる」ということなのです。「リスクの本質=ロスカット」は「レバレッジの大小」ではなく「資金に見合っていないロット数でトレードをすること」だったのです。
初心者が気をつけたいレバレッジとロットの関係
レバレッジとロットのバランスがリスクの大きさを決定する
レバレッジを上げれば上げるほどハイリスクハイリターンになるわけですから、ハイレバレッジのトレードが危険であることは間違いありません。しかし、実際に危険なのはロスカットによって強制的に決済されてしまうことであり、安全なトレードをするためにはレバレッジと取引ロット数のバランスが重要だということを知っておきましょう。
FX初心者におススメするトレード方法と口座選び
FX初心者や少ない自己資金で取引したいトレーダーは(1ロット=1,000通貨)以下でトレードできる口座を選びましょう。取引ロット数についてはそのFX口座の最小ロットから始めていくといいでしょう。そこで収益の感覚を磨いたうえで、慣れてくれば少しずつロット数をあげていけばいいのです。
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