FXをどこでやめればいいのか、その判断は難しいものです。しばらく勝ちが続いていても、結局負けが続いて資金が底をついてしまうパターンは多いものです。
「勝ち逃げ」できないのは、人間の心理としてある意味当然のことでもあるのですが、FXで利益を上げるためにはその気持ちに打ち勝たなければなりません。そこで今回は、FX初心者が「勝ち逃げ」するために注目すべきポイントを解説します。
「勝ち逃げ」が難しい理由
たとえば下記のようなトレードを想像してみてください。
①早朝からトレードを開始して(10pips)の利益を得た ②さらにトレードを続けていくと、反対に(マイナス5pips)まで落ち込んだ
この先、トレードを続けるべきでしょうか。猫道場は②の時点で決済するべきだと考えます。
トレードを続けても「本来の利益」である10pipsまで取り戻せるかどうかはわかりません。マイナスが膨らむ可能性もあります。しかも、頑張ってプラスマイナスゼロまで戻せたとしても、それは早朝トレードする前の状態に戻っただけのことです。人間の心理として「せっかく時間をかけてトレードしているのだから」と、プラスマイナスゼロに飽き足らずプラスを求めてしまうものです。
「勝つまでやめない!」というのは完全にマズい精神状態ですが、多くのトレーダーは思い切って(マイナス5pips)で損切りすることができません。それが正しいと頭では理解していたとしても、瞬間的に含み益が出ていたトレードを損切りする決断はできないのです。
この心理状態に打ち勝つためには根性論ではダメです。どこで損切りをするのかを事前に決めておき、それを守ることが必要なのです。
ルールを決めて守ることが重要
「自分のトレードルールを必ず守る」。FXの成功者は口を揃えてそういいます。また、かれらがトレードに失敗した時には「自分のトレードルールを守れなかった」という表現をします。これは初心者トレーダーも学ぶべき姿勢だと思います。
トレードの結果がどうであれ口座の資金額を一定に保つ
最初のトレード資金を10万円と決めたら、決済をした後にはかならず10万円に戻します。
利益が出ればその分を出金し、損失が出たらあらたに資金を追加して10万円に戻すということです。この方法を順守すれば、その後のトレードで最悪でも10万円失うだけですから、想定以上の損失が出るリスクを防ぐことができます。
損切りに自信がないならシステムに委ねる
説明したように、損切りのタイミングはとくに初心者にとっては難しいものです。自分で決断できないのであればシステムに委ねてしまったほうが賢明です。注文設定で事前に損切り額を設定しておけば、自分の感情や迷いに関係なく機械が勝手に判断してくれます。
海外FXで大きなリターンを狙うのはどうか
「勝ち逃げ」するためには、大きなリターンを狙うのが手っ取り早い方法だと考える人も多いかもしれません。
国内のレバレッジ規制(25倍)に対して、海外のFX会社は数百倍からGEMFOREXのように1,000倍という高レバレッジが設定されているところもあります。高レバレッジのトレードで「一発ドカンと当たってそのまま勝ち逃げ!」という誘惑にかられることもあるでしょう。しかし、それではリスクが大きすぎます。猫道場としては初心者トレーダーにはこのような賭博的なトレードにチャレンジしてほしくないのです。
長期戦略を立てよ
FXトレーダーのなかには、一生涯FXを続けていきたい人もいれば大まかな収益目標をもっていて、将来的に引退を考えている人もいると思います。
その場合、辞め時というのはいつなのでしょうか。誰もが大負けして市場から退場させられるのではなく、ある程度勝って終わりたいと考えているはずです。そうであれば、「累計収入金額が目標を達成したら引退する」という長期戦略を立てておくべきだと思うのです。
「勝ち逃げ」するための方法とは
堅実に「勝ち逃げ」する方法はないのか
「勝ち逃げ」というと、なにか人聞きの悪いことのように思いますが、要するにある期間のトレードを勝って終わりにしたいということです。冒頭でも触れましたが、結局は負けるまでやってしまうのが人間の性です。これを抑えるために大切なのは、やはり目標設定ということになります。
目標利益を元手から算出する
目標利益は元手を基準にして設定しましょう。実際に自分の資産と相談して決めて欲しいのですが、自己資産の1%程度(日あたり)が妥当です。
元手が10万円の場合、利益目標は1日1,000円です。兼業トレーダーを目指すのであれば少なく感じるかもしれないですが、副業として考えれば充分な利益です。また、自己資産が増えれば勝手に目標利益も増えていきますから、トレードが軌道に乗れば元手を10万円から徐々に増やしていけばいいのです。
理論的には自己資産10万円で500万円の収益を得ることができる
元手が10万円で1日の利益が資金の1%(1,000円)と仮定して、1年後にどれくらいの利益になっているか計算してみましょう。
1年間の収益=(1,000円×365日)=365,000円
1年で資金が10万円から465,000円に増えました。さらに、たとえばこんなシミュレーションはどうでしょうか。2年後から先は、当初の自己資金10万円を残して収益全額を資金としてトレードします。
・2年目の収益=自己資金(365,000円)×(1%)×365日≒13,300,000円
・3年目の収益=自己資金(13,300,000円×(1%)×365日≒4,850,000円
10万円の自己資金が3年後にはなんと、500万円に迫る勢いで増えました。これはもちろん単純計算です。実際のトレードでは勝ち負けを繰り返すわけですから、実際に同じ結果になることはあり得ません。しかし、以下のような長期目標設定であれば、あってもいいのではないでしょうか。
・「10万円の元手で5年後にトータル収益を200万円出す」
・「10万円の元手で10年後にトータル収益を500万円出す」
しかし毎日トレードする必要なんかない
相場は逃げませんから、トレードは毎日やらなくてもいいのです。無理に「1日1,000円」を求める必要はありません。お金を稼ぐ気もちが強すぎると、焦って勝算の薄いトレードを続けて資金を失うことになりますから、調子が悪い時は思い切って休ものも正しい選択です。
重要なのは長期目標です。急がず、できれば楽しみながら、長期的な目標達成を目指しましょう。結局、これこそが「勝ち逃げ」の正しいルートになります。
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