FXとバイナリーオプションは、いずれも外国為替の価格変動を利用した投資です。為替の変動幅によって損益額に差が生まれるFXに対して、バイナリーオプションは、指定された時間内に為替相場が上がるか下がるかを予想するだけの投資です。
バイナリーオプションは仕組みが単純なことから投資初心者にも人気がありますが、その仕組みや危険度を理解しないままトレードをしている初心者も多いようです。
バイナリーオプションとはどんなトレードか
勝率50%の投資
冒頭で説明したように、バイナリーオプションとは投資した外貨が現在価格よりも高くなるか安くなるかを予想する投資方法です。決められた期間内にレートが予想通りになれば利益になり、反対に動けば損失になります。
(ドル=100円)の時点でHIGHを選択し、一定時間後のレートが(100円)より上であれば利益が出ます。このようにシンプルな二者択一型の投資です。
バイナリーオプションの取引時間
FXの取引時間は、日本時間で(月曜日午前7時から土曜日午前7時まで)が基本ですが、バイナリーオプションでもほぼ同じです。
バイナリーオプションにはレバレッジが存在しない
バイナリーオプションには「レバレッジ」という概念はありません。
自己資金以上の取引はできないということでFXよりも収益性は劣りますが、リスクが小さいトレードだともいえます。
日本国内の4つの法規制
バイナリーオプションのギャンブル性の高さが問題視され、金融庁は2013年に下記のような規制を施行しました。
短時間取引の禁止と取引回数の制限
海外の業者の場合は、数分から数十秒後のレートを予測するトレードができるところもありますが、国内業者は判定時刻までの時間は最短2時間とされました。また1営業日における取引回数上限も12回までとされています。
掛金総取りの禁止
以前は、エントリー時からの「HIGH」「LOW」に関係なく、「判定時刻にこの価格帯であれば掛金を没収するレンジ」が設定されていました。これを「総取り」といいます。以前から問題のある制度という指摘がありましたが、金融庁の規制により総取りは禁止されました。
配当金の変動制の導入
規制前は、予測が当たった場合に固定率による配当金が支払われていました。規制後は、購入価格からどれだけ変動したかによって払い戻し率(ペイアウト倍率)が変動するように改定されました。変動幅が大きければペイアウト率がアップするということで、実質的にFX取引とほぼ同じスタイルになったといえます。
「売り」と「買い」の両方できる
規制前は「買い(Ask)」しかできませんでしたが、規制後は「売り(Bid)」と「買い(Ask)」の両方の価格を提示するように変更されました。
投資としてのバイナリーオプション
バイナリーオプションの損益計算
バイナリーオプション業者によって払い戻し率(ペイアウト倍率)に違いがあり、為替の変動幅によっておおむね(1.7~1.9倍)の範囲で変わります。購入金額(10万円)でペイアウト倍率(1.9倍)の場合の収益結果をシミュレーションしてみましょう。
・上昇した場合⇒(10万円×1.9)=(19万円)の払い戻し ・下降した場合⇒(0円)
バイナリーオプションは為替変動が小さくても予想さえ当たれば払い戻しが約2倍になり、予想が外れれば全額没収されます。
取引手数料について
FXの場合ははじめから、「購入する価格(Ask)」と「売却する価格(Bid)」にわずかな差額があります。たとえば以下のようになります。
購入価格⇒(ドル=105.905円) 売却価格⇒(ドル=105.892円)
かりにドルを買った瞬間に売ると、(0.013円)の損失になります。これを「スプレッド」といい、投資家の取引コストになるのです。
一方でバイナリーオプションの場合は、ペイアウト倍率に取引コストが隠れています。本来であれば、「予想が当たれば2倍」になるところ、(1.7~1.9倍)に設定されているわけですから、(0.3~0.1)分は業者のマージンになるわけです。そもそも勝率(50%)で(2.0)の配当をしていたら、バイナリーオプション業者に利益が出ないことになってしまいます。
この点からいえば、取引額が大きくなるほどFXのほうが手数料は小さくなります。
海外業者に気をつけよう
トラブル多発の怪しげな海外業者
海外業者はトラブルが多く報告されています。講習会と称した洗脳セミナーで高価な売買ツールを売りつけられるケースがあるほか、出金トラブルが多いことでも有名です。
金融庁や国民生活センターがたびたび無登録の海外業者への注意喚起を行っていますが、海外業者は日本の法律が適用されず、企業の実体を確認することが難しいので、ほとんどの場合ユーザーが泣き寝入りする結果になります。
信託保全されていない業者も多い
国内業者は、金融商品取引法により信託保全が義務づけられています。そのため万が一、業者が破綻してもトレーダーの資金は戻ってきます。一方で、海外業者の中には信託保全がないところもあります。業者が破綻した際のことを考えると、信託保全がされていない海外業者との取引は大きなリスクとなります。
バイナリーオプションへのチャレンジに関して
短時間後の為替予想という意味では、バイナリーオプションはFXのスキャルピングやデイトレードによく似ています。初心者にスイングトレードをおススメする猫道場としては、バイナリーオプションは中級以上のトレーダーにチャレンジして欲しい投資方法ですが、もし初級者がチャレンジする場合は、あくまでも勉強のつもりで一口1,000円からに限定してください。
バイナリーオプションはかならず国内の会社を選びましょう。限定猫道場のおススメは、信頼できるGMOクリック証券(👈クリック)一択です。
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