サラリーマン兼業トレーダーにとって、日々のトレード時間を確保することは難しいものです。出社前のわずかな時間や深夜に家族が寝静まったあとなどに時間を工面してFXをしながら、なおかつ利益をあげるというのは本当に難しいものです。
そこで今回は、サラリーマン投資家にとっての効率のいいトレード方法と心構えについて解説したいと思います。
FXで失敗するサラリーマントレーダーの特徴
仕事中にトレードする
サラリーマントレーダーが一番やってはいけなのは就業中のトレードです。たとえば「会議が終わってチャートを見たら大暴落していた」という状況にでもなれば、仕事に集中できません。帰宅してからでもいくらでもトレードはできます。
チャートが気になって仕事中に何度もスマホを見てしまうのも問題です。仕事中は割り切って、スマホのチャートを開かないぐらいの覚悟が必要です。
金銭感覚が麻痺する
勝っているときに限らず、負けが続いたときにも金銭感覚は麻痺します。貯金を下ろしては機械的に証券口座に入金することを繰り返しているうちに、その作業自体が目的化して、いつしか資金を失うことに慣れてしまうこともあります。
過剰な利益を求めてしまう
「満足のいく利益」は人それぞれだと思いますが、過剰な目標設定をするのはよくありません。
たとえば「1日100,000円」という目標を設定したとします。ひょっとするとこれくらい勝てる日もあるかもしれません。でも、トータルで目標を達成することは困難です。なぜなら、負ける日もあるからです。目標達成を焦るあまりに危険な賭博的なトレードをしてしまうことにもつながります。
相場における金銭感覚は「証拠金の量」で図るべきだということを学べば、実力(資金)以上の目標設定は危険であることが理解できるはずです。今一度、自身の目標設定を見直してみましょう。
思い込みに陥る
「相場は絶対こちらに動くはずだ!」という「神頼み状態」に陥ってしまうと危険です。思い込みや願望でトレードすることは絶対に避けなければなりません。相場を予測する際には、複数の可能性を視野に入れて、対応シナリオを何パターンか描いておきましょう。
サラリーマンにおススメするトレード手法
相場が動く時間だけ集中してトレードする
FX相場が大きく動くのは3大市場(ニューヨーク、ロンドン、東京市場)が開いている時間帯です。なかでも以下の時間帯は為替が活発に動きます(以下すべて日本時間)。
・東京市場⇒(8~10時) ・ロンドン市場⇒(16~19時) ・ニューヨーク市場⇒(21~2時)
サラリーマントレーダーは取引可能な時間が限られています。自分のライフスタイルに合わせてトレード可能な時間帯に限って取引し、過剰なトレードを予防しましょう。
低ロットでトレードする
初心者のうちは低ロットでトレードして、ビハインドの局面ではできるだけ早く損切りするのがセオリーです。調子が良くなってくると、ついロットを上げがちなのですが、FXはコツコツ利益を積み上げていくゲームであることを常日頃から頭に叩き込んでおきましょう。
トレンドに乗ったトレードと「やや深めの損切り」
サラリーマントレーダーは、かならずトレンドフォローでトレードしましょう。理由は簡単です。ずっとチャートを監視していられる専業トレーダーであれば逆張り手法やスキャルピングでも稼げるかもしれませんが、サラリーマンはチャートに張り付いていられないからです。
同様の理由から、サラリーマントレーダーは「損切り」をやや深めに置くことをおススメします。相場はジグザグ動きますから、常時チャートの動きを観察できない兼業トレーダーは、ちょっとしたノイズにも惑わされがちです。したがって、あまりタイトな損切り位置を設定するのではなく、少々のノイズを許容できる幅を設けておくのが妥当です。
自動決済システムを活用する
サラリーマンが仕事中や外出先で、エントリーと利益確定や損切りを見極める判断をすることは極めて難しいといえます。トレードのシナリオを取引する前からき決めることができる自動決済システムは、忙しいサラリーマンこそ活用したいツールです。
本業とFXを両立するために必要なこと
集中できる環境を整える
トレードには集中力が必要です。
相場分析をするのに、騒々しい環境でエントリーを検討することは得策ではありません。やはり静かな環境の方が集中力も上がります。トレードに集中できない環境で中途半端な取引をしても好結果は得られません。
本業とFXを切り分けて考える
サラリーマンは仕事中チャートを監視することができません。一度エントリーしたら後のことは「相場が勝手に動くだけ」と考えるようにしましょう。いくら不安に思っても結果は自分で変えることはできません。割り切りが重要です。
我慢の時間が必要であることを知る
「石の上にも三年」といわれることには意味があると思います。相場で勝てるようになるためには、最低でも3年くらいは勉強する覚悟が必要ですが、このたった3年がガマンできない人が多くいるのが現実です。
その結果が「FX初心者の90%が1年以内に退場する」ことに繋がっています。
健全なライフスタイルを破壊するトレーダーは結局勝てない
サラリーマンにはサラリーマンの戦い方があります。帰宅時間もバラバラだったり、お子さんが小さい家庭では自由になる時間が限られている人も多いでしょう。しかし、大切なライフスタイルを破壊してまでトレードに没頭しても得られるものは小さく、むしろ失うもののほうが大きいはずです。
相場は皆に平等で、いつでも参加できます。工夫次第で少しのトレード時間でも大きく稼ぐことも可能です。結局は自分のライフスタイルに合わせたトレード環境作りを確立することが重要になるわけです。
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