「値ごろ感」でトレードをしてはいけない理由と失敗を繰り返さない方法

テクニカル編

「値ごろ感」とは「そろそろ上がるだろう、ここまで上がったらあとは下がるだろう」といった根拠のない自分勝手な思い込みです。とくに初心者は「値ごろ感」トレードに陥りやすく、適当な感覚に頼ったトレードをしていれば、確実に負けます。

今回は「値ごろ感」トレードに陥る原因と、そのリスクについて解説します。

「値ごろ感」トレードの仕組み

初心者に多い「値ごろ感」トレード

初心者には取引の根拠がないので、なんとなく感覚的に相場を「分析」してしまいます。

たとえば、為替レートが昨日から継続して上昇して少し下がったのを確認すると、そろそろ売りたくなってソワソワしてきます。しかし、ここで決済してしまうのは時期尚早です。一般的に、上昇相場は上下動を繰り返しながら値が上がりきったところで一旦下がり、そのあとでさらに上昇することが多いからです。

要するに勉強不足ということなのですが、その仕組みを知らずに「値ごろ感」で決済を焦ると、大きな失敗を招いてしてしまいます。

「値ごろ感」の根拠

人は子どものころから、「値ごろ感」を養うように教育されています。スーパーの野菜売り場に行って、先週まで1本100円だった大根が200円に値上がりしていたら高いと感じます。賢い主婦は「大根をやめて献立を変更しようか、それともほかの店で買おうか」と考えるかもしれません。現実世界では「値ごろ感」を持つことが賢く生きるための術だといえます。

FXでは相場が示す価格がすべて正しい

ところが相場においては全くそれが通用しません。世の中で売られている商品には適正価格が存在しますが、通貨には適正価格というものが存在しないのです。

「相場価格が間違っている」といっても無意味です。したがって、現実世界の価値観を相場に持ち込んでしまうと、次のような失敗をしてしまうことになります。

①朝の(ドル/円)レートは(ドル=112円)だった
②上昇トレンドのように見えるが、出勤前で時間がなくエントリーを逃した
③仕事を終えて帰宅すると(ドル=108円)まで下落していた
④上昇するのは間違いないので、急いで(5万通貨)「買い」エントリーした

「朝よりも4円も安く買えた」。これが「値ごろ感」トレードの一例です。さて、この先どうなったでしょうか。

上昇を見込んで急いでドルを買ったものの、大きな勘違いでした。(108円)に値下がりしていたのは、朝から相場を下げて(110円)のサポートラインを割ったため、一気に下落した結果だったのです。その状況で(108円)で買ってしまったのです。

その後は下降トレンドとなって為替はどんどん下がり、(100円)まではなんとか耐えましたが、最終的に(99円)で強制ロスカットになってしまいました。5万通貨買っていたので、(5万通貨×9円=45万円)の損失になりました。

「値ごろ感」トレードがダメな理由

為替相場では予想外のことが起きる

相場というのは常識が通用しない世界であり、未曾有の事態が普通に起こるものなのです。

記憶に新しいところでは、2011年に(ドル/円)が過去最安値の(75円)をつけたことがありますが、高値や安値の更新も、どこかしらの通貨ペアで日常的に起きています。

人間は否定されると反発する

とくにプライドの高い人や意固地になりやすい人ほど、反発傾向は強くなります。

自分が立てたシナリオと全く逆の値動きになるというのは、自分を否定されていることになります。すると冷静でいられなくなり、「ここから下がる(上がる)だろう」という安易な値ごろ感でトレードし、撃沈する結果となります。

「値ごろ感」トレードは「逆張り」の発想につながる

買うなら明確な上昇トレンドに乗って買う、売るなら明確な下降の戻り目から売るというのが王道のトレードです。しかし「もうそろそろ上がる(下がる)だろう」という「値ごろ感」は、「逆張り」の発想につながります。

「逆張り」は扱いが難しいトレード方法です。FXでは「順張り」でトレンドに乗りさえすれば、多少エントリーポイントがズレても最終的に利益になるはずですが、素直にトレンドに乗れないトレーダーは、起こってもいない事実に不安を感じてしまうのです。

プロトレーダーやファンドの思考回路

初心者トレーダーが「112円だったのが今は108円だから買いだ」などと、「値ごろ感」で判断しがちなのに対して、プロトレーダーやファンドは「112円だったのが108円まで下がったのだからもっと下がる」という考え方をします。これは決定的な違いです。

アマチュアが「もうこれ以上下がらないだろう」と思って買ったところを、プロはさらに下げるために大量のカラ売りを浴びせてきます。「値ごろ感」で飛びついて買ったアマチュアトレーダーが耐え切れなくてポジションを手放して怒涛の下げが底にきたところで、反転して上昇トレンドになるのを見越して、プロは強く「買い」を入れるのです。

相場は自分の思惑通りに動かない

当然のことですが、FXの相場はトレーダーの思い描いた通りには動いてくれません。プロトレーダーといえども、100%正確な未来を予測できません。したがって、プロは「この辺りから下がる(上がる)だろう」という「値ごろ感」思考がさらに危険であることを知っています。

高い、安いという感じ方は人によっても違うし、使っている手法によっても変わってきます。人によって感じ方が違う「値ごろ感」は、チャートの値動きには無関係です。適正価格がないものに対して、勝手に値ごろ感を持ってしまうこと自体がナンセンスなのです。

現在価格が適正価格なのですから、少し前の価格のことはきれいさっぱり忘れて、今の値段を基準にしてトレードしていくのが正解です。発想の転換が大切です。

FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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