リピート型自動売買システムは、あらかじめ決めた取引ルールに従ってシステムが自動的に繰り返し売買する仕組みです。
注文の仕組みがシンプルで、難しいプログラミングの知識も不要なため、初心者トレーダーにも人気のある自動売買ですが、かならずしも安定的に勝てないという感想も聞かれます。そこにはシステムそのものの問題のほか、それを使う側のスタンスにも注目しておく必要があります。
リピート型自動売買の注文方法
リピート型自動売買では事前に売買ルールの設定をおこないます。具体的には以下のような内容です。(ドル/円)トレードを例にします。
・(ドル=100円)になったら買い、(102円)になったら決済する ・(ドル=103円)になったら買い、(104円)になったら決済する ・(ドル=105円)になったら買い、(106円)になったら決済する
このような複数の売買注文をしておくと、システムが24時間繰り返し自動的に取引をおこないます。
リピート型自動売買で知っておくべきこと
リピート型自動売買はレンジ相場で力を発揮する
リピート型自動売買システムは、相場が大きく動くトレンド相場よりも細かい為替の動きを生むレンジ相場で効果を発揮しやすいといわれています。相場が大きく動く場面ではマイナスを拡大させるケースがあるので注意が必要です。
リピート型システムは「買ってから値上がりすれば決済、下がったら買い増しして、買った値段よりも値上がりしたら決済」を繰り返します。したがって、レンジ相場であれば勝率は100%になるのですが、トレンド相場に移行して相場が暴落すると、どんどん買い増しをして含み損が一気に増えてしまうのです。これがリピート型自動売買の最大のリスクです。
スワップポイントの高い通貨には不向き
リピート型自動売買システムのルールは「買った値段よりも上がるまで待つ」ことです。そうであれば、スワップポイントが大きい高金利通貨を取引した方が有利だと考えられますが、実際はそうではありません。
たとえば、トルコリラやメキシコペソなどのマイナー通貨はスワップポイントの金額が高いことで有名ですが、国の情勢が安定しないため、為替が大きく動く傾向があります。つまり、これらのマイナー通貨は安定性を欠き、レンジ相場になりづらいため、リピート型システムに向いていないのです。それとは逆に、レンジ相場が多い(ドル/円)は、もっとも自動システムに向いている通貨ペアだといえるでしょう。
リピート型自動売買システムの正しい使い方
初心者や忙しくて取引する時間がない人でも、いつでもトレードができる便利な「自動売買」ですが、このほかにも注意しておかなければならないポイントがいくつかあります。
ルール無視は厳禁
FXにおけるルール管理は非常に大事なポイントです。これは裁量トレードであっても自動売買トレードであっても同じことです。
自動システムでは推奨ロットの提案がありますが、それを無視してトレードすると自滅してしまうことになります。早く利益を上げるために勝手にロットを増やした結果、急激な相場の変動に対応できずに大きなマイナスを被るケースをときどき耳にします。
裁量トレードとの併用に注意する
裁量トレードとの併用自体は問題ありません。ただし、自動売買で損失が出た場合に、それを取り戻すために同じ口座で裁量トレードをおこなうと、証拠金維持率が低下して強制的なロスカットのリスクが高まります。
したがって、自動売買と裁量トレードは同じ口座でおこなわないことが重要です。資金管理の面でも別口座にしておくことをおススメします。
くれぐれもロスカットには注意
リピート型自動売買システムの最大のリスクはロスカットされることであり、ロスカットされないように運用をしていくことが、リピート型注文の最大のテーマです。
リピート型注文は含み損を抱えながら小さな利益をコツコツ積み上げていく投資手法なので、途中でロスカットされると、これまで積み上げてきた利益をすべて吐き出してしまうことになります。
自動売買だけをやっていると、いつまでたってもFXの本質がわからず、緊急対応もできない状態になってしまいます。しかし、それではロスカットの対応ができません。したがって、安定的なトレード結果を残すためには、自動売買を採用する際にもFXの勉強を継続し、ときには大きな含み損を抱える前に正しい損切りできる判断ができるようにスキルアップしておくことが重要です。
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