FXをしていると、異常な値動きをする日があることに気がつきます。それはアメリカの経済指標の発表時です。重要な経済指標が発表されると為替は激しく変動するため、投機性の傾向が強いトレーダーやヘッジファンドなどはその瞬間を狙って大きく勝負に出ることがあります。
このようなタイミングにおいて、初心者トレーダーはどんな対策を講じておけばいいのでしょうか。今回はアメリカの重要経済指標の発表時の対応について考えていきます。
リスクしかない経済指標の発表時のトレード
経済指標時のトレードはギャンブルである
アメリカの重要な経済指標は世界中が注目するイベントです。為替のジャンプアップの瞬間を狙って投資家が集まり、為替は想像できないような値動きをすることがあります。かつて、一瞬にして100pips以上のドル高になったこともあります。
しかし、ご祝儀的にドル値が上昇するとは限りません。たとえばFOMCから政策金利の値上げが発表されたとして、それが市場にとってプラスに働くかマイナスに働くかは予測ができません。そのような状態でエントリーしても、イチかバチかの単なるギャンブルトレードになってしまいます。
経済指標発表時のトレードは天国か地獄か
ギャンブルトレードに突入して、結果的に夢のような大金が手に入ることもあるでしょう。あるいは、資金が底をつくほどの負けを経験することになるかもしれません。しかし、そんなトレードに何の意味があるのでしょうか。
指標発表時にギャンブルに走った結果、負けた場合はもちろんのこと、たとえ大勝ちしたとしても、その高揚感を忘れることができず、その先もトレードルールや根拠もないままトレードを繰り返す癖がついてしまいます。欲を抑えることができず、最終的にはすべてを失ってしまうことになります。
もしギャンブルトレードが成功して大金を手に入れることができたらどうしたらいいのでしょうか。
正解は「FXや投資から一切手を引くこと」、いわゆる勝ち逃げするのが正しい選択です。
経済指標の発表時のトレードはやめるべきである
重要経済指標の発表の日はトレードを控える
「重要経済指標発表の日はトレードしない」と決めているトレーダーも多いです。猫道場としても、初心者は危険な勝負に出るのではなく通常のトレードで勝てるようになることを選択してほしいと思います。初心者トレーダーは、「重要指標発表時はトレードをしない」というトレードルールを決めるのも良案だと思います。
指標発表の結果を見てからトレードを決めればいい
コツコツと稼いできた貴重な資金が一瞬で失う可能性があるのであれば、そのような危険なトレードはやるべきではありません。この日にあえてエントリーする必然性はないとは思いますが、トレードするのは指標発表後に結果を確認してからでも遅くありません。
指標の発表後に相場が利益を狙えるトレンドを形成する兆候があるのであれば、そこから改めてエントリーすればいいと思います。
3つの重要指標の発表に注意しよう
米国雇用統計
米国雇用統計は世界でもっとも注目されている重要な経済指標で、FXトレードをやるうえで必ず知っていなければならない指標です。「平均時給」や「週労働時間」など10数項目が発表されますが、とくに注目しておきたいのは「非業部門雇農用者数」と「失業率」の2つです。
(雇用統計発表日):毎月第1金曜日(原則) (雇用統計発表時間):日本時間21時30分(夏時間)22時30分(冬時間)
米国雇用統計はアメリカの景気の良し悪しを判断する材料です。アメリカ経済の70%は個人消費が占めるため、雇用統計がアメリカ経済に与える影響力は絶大です。
FOMC政策金利発表
FOMC(米連邦公開市場委員会)はアメリカの金融政策を決定する会合です。現在の景気を判断し、アメリカの政策金利の方針を発表します。
(政策金利発表):年8回発表(日本時間15時から16時頃)
金利を上げればインフレ抑制となり、金利を下げればデフレ抑制効果があります。アメリカ国内の経済を安定させるために、FOMCは金利を上げたり下げたりするわけです。
四半期GDP発表
米国内総生産(GDP)は、四半期ごとに発表される経済指標です。為替市場は、GDP示す経済成長率に注目しています。
「米国がくしゃみをすると日本がカゼをひく」と例えられることがありますが、アメリカの景気は日本だけでなく世界経済全体に多大な影響を与えます。
初心者はアメリカの経済指標発表のタイミングに注意しよう
初心者トレーダーはとくに、上掲の3つの経済指標の発表のタイミングに注目しましょう。繰り返しますが、経済指標発表のタイミングにおいては、必ずしも為替が上がるとは限りません。そのほか、ドルだけでなくほかの通貨への影響も考えられるため、ドル以外の通貨ペアをトレードする場合にも注意が必要です。
重要指標発表前にポジションを決済しておくのがベターですが、そのときの相場の状況もありますから、少なくともすぐに動けるように準備しておくことが重要です。
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