FXにおける「往復ビンタ」とは、相場が自分の予想と大きく逆行した際に、もっているポジションを損切りして、さらに逆のポジションを注文したところ、そこから相場が逆に大きく動いて二重に損をしてしまう状態をいいます。今回は往復ビンタが起こる原因と対策について解説していきます。
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「往復ビンタ」になる理由
往復ビンタはトレーダーの目線がコロコロ変わっている状態といえます。
往復ビンタに遭ってしまうのは、初心者ではなく相場に慣れてきたころの中堅以上のトレーダーです。トレードに慣れ、少し勝ち始めたトレーダーが強引な仕掛けをして深みにハマってしまうケースがよく見られます。
「ドテン売買」と「往復ビンタ」
相場が自分の予想と大きく逆行した際に、もっているポジションを損切りして、さらに逆のポジションを注文する取引手法を「ドテン売買」といいますが、この手法が一旦裏にハマってしまうと大損失が発生します。
ドテン売買とはなにか
デイトレードなどの短期間トレードをしていると、急に相場が変動した場合に影響を受けます。このような状況で、トレーダーは「ドテン売買」という手法を使うことがあります。ドテンは、「買うタイミングで売る」「売るタイミングで買う」というように、相場の流れに逆らった売買をする手法です。

たとえば買いポジションを(2万ドル)保有しているケースで、(4万ドル)を売って買いポジションを清算し、逆に(2万ドル)の売りポジションを保有するという手法があります。
ドテンが裏にハマれば往復ビンタになるのは当然
ドテンの手法を実行するのは「損切り」をした後です。このとき、多くのトレーダーが「早く負けを取り戻したい!」という焦りの気持ちをもつことが多いでしょう。このような焦りの気持ちが損失を大きくする原因になります。
値が下がると思って「売り」エントリーしたところ、相場が反対方向(上昇)に動いてしまったとします。そこでポジションを一旦決済(損切り)し、「もっと値が上がる」という思惑であらためて「買い」エントリーをした場面で、相場が予想と反対に下降方向に動いてしまえば「往復ビンタ」が完成します。
往復ビンタを避ける方法
往復ビンタはちょっとした工夫で回避できる可能性があります。対策をいくつか紹介しましょう。
そもそも、売買どちらか片方のポジションしか持たなければ往復ビンタを食らうことはありません。ごく単純な話ですが、「ドテン売買」などせず、「買い」なら「買い」と決めて、逆のポジションは何があっても持たないようにすればいいだけのことです。
それでも「ドテン売買」をしたいのであれば、このような対策が有効かもしれません。
損切りの許容量を広く取る
相場は一定の波を描いているわけですが、現時点におけるトレーダーの保有ポジションが相場の天底や天井であることは稀でしょう。それでも往復ビンタを食らうのであれば、損切りの許容値が極端に狭く設定してある可能性があります。
損切りを広く取っておけば、多少の為替の変動でもポジションを決済する必要がなくなるので、往復ビンタを食らうことはありません。
負けたら一回チャートから離れる
往復ビンタはチャートを見る目が曇っている状態にあるので、しばらくクールダウンしましょう。毎日勝ち続けることがトレードの目的ではないことを今一度冷静に考えてみましょう。
1日の取引回数を厳しく制限する
往復ビンタはトレーダーが冷静さを欠いたときに発生します。順調に利益を生んでいる間は冷静にチャートを分析することができても、損切りの場面が続くと感情的になって強引なトレードをしてしまうことがあります。その結果、負けが続くと、悪循環になって無駄なトレードをやめられなくなってしまいます。
「1日の取引回数は3回まで」などと厳しく制限して、無意味なトレードをストップしましょう。
危険な相場のシグナルを読み取る
往復ビンタが起きる可能性がある場面、すなわち相場がトレーダーの思惑と正反対に大きく動く場面とは、以下のような要因が関わるケースが多いといわれています。
国際的な事件事故・災害の発生 経済指標の発表や大きな変更 週明けの「窓開け」
事件・事故といった不可抗力は避けられませんが、ファンダメンタルズ対策としては、とくにアメリカの経済指数統計の発表時にはポジションをもたないなどの対策が有効です。
冷静さを失ったらゲームは終了
トレードをしていれば連敗することもあります。しかし、損切り直後に焦って「ドテン売買」をするなどして一発逆転を狙うと、「往復ビンタ」をくらった場合のダメージは2倍になります。
しっかりとした根拠があって目線を切り替えた結果であればそれは仕方ないですが、とにかく初心者にはドテン売買はご法度です。
感情任せにドテン売買をして損失を出してしまうと、資金的にもメンタル的にも回復が難しくなります。FXはちょっとしたトレードミスをきっかけに傷口が広がっていくことが多いので、とくに損切り直後は冷静さを保つ自己抑制力が必要とされます。
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