今回はいきなりクイズから始めましょう。以下のシナリオに関して、次の4つのうちどのレートが一番予測しやすいでしょうか?
①1分先のレート ②1日先のレート ③1か月先のレート ④1年先のレート
普通に考えると、予測の難易度はどう考えても①→②→③→④の順で、一番簡単なのは①(1分後のレート)で、④(1年先のレート)の予想が一番難しいということになります。
しかし、実際には時間が短くても長くても予測が難しくなるのがFXの世界です。
リスクと期待値は反比例するのか
一般的に、難易度が高いことに挑戦するというのは、すなわちリスクも高くなるということです。リスクが低いにもかかわらず、大きな利益を狙うことは矛盾しているといえます。しかし、FXについては一般的な原則が該当しないケースがあります。FXがうまくいかない人の多くはこの矛盾を認識していません。
たとえばスキャルピングで想像以上の利益が出た場合、「もっと行くかも」と欲が出て決済を遅らせた結果、相場が反転してあっという間に含み損状態に転じるパターンがよく見られます。上に行くか下に行くかの二択において、短時間の相場の推移は予測が難しいのです。
猫道場では、何度かスキャルピングは初心者に向いていないという話をしています。相場の予想に長けたプロトレーダーであれば、スキャルピングは「リスクは低く期待値も小さい」という一般的な原則が成立しますが、初心者の場合は「リスクは高いのに期待値は小さい」ということになってしまいます。
初心者でも取り組みやすいスイングトレード
忙しいサラリーマンでも安心して取り組める
一般的にスイングトレードでは、エントリーから決済まで数日から数週間、ポジションを保有します。スキャルピングやデイトレードでは、パソコンに貼り付いて相場を監視し続ける必要がありますが、スイングトレードでは、毎日決まった時間に相場の違いを確認する程度でも充分です。したがって、多くの時間を割けないFX初心者にとってスイングトレードは親和性の高い取引手法だと考えられます。
比較的予測をしやすい
中長期的な取引をおこなうスイングトレードは、短期的なデイトレードやスキャルピングよりもトレンドがつかみやすいという特徴もあります。トレンドが読みやすく、利益を獲得できる確率が高いスイングトレードは、比較的成功確率が高い手法といえるでしょう。
タイミング次第ですぐに結果が出る
スイングトレードは、好条件が重なると大きな値上がりが期待できます。通貨の組み合わせによっても異なりますが、トレンドにうまく乗ることができれば、短期売買を繰り返すよりも1回あたりの利益の幅を伸ばすことができます。ただし、日をまたぐトレードになるので、週明けの「窓開け(大幅な値動き)」には注意が必要です。
ファンダメンタルズ分析の必要は少ない
長期トレードの場合は、取引通貨の当該国の政治・経済などの状況分析(ファンダメンタルズ分析)を求められることが多いですが、スイングトレードでは、テクニカル分析だけでも相場を読むことが可能です。
資金効率が高い
長期トレードの場合、資金を長時間凍結することになるので、ある程度資金に余裕があるトレーダーでないと取り組むことが難しいですが、スイングトレードの場合は保有する期間は長くても数週間程度ですから、長期トレードと比べて投資効率がよい手法だといえます。このようなことから、初心者にとってのスイングトレードとは「リスクは低く期待値は大きい」手法になります。
スイングトレードの注意点
一次的なマイナスに耐えられる資金力が必要
相場の大きな流れに乗ってトレードができたとしても、同じトレンドが続くとは限りません。自分が予測したトレンドと反対に動けば、含み損を抱え続けるケースもあります。
このような場合、プラスに転じるまでポジションを維持し続けたくなりますが、損切りすべきタイミングで決断しないと大ケガしてしまう可能性があります。スイングトレードに限ったことではありませんが、一次的な損失が発生することを見越したうえでトレードに取り組むことが要求されます。
レンジ相場との相性が悪い
スイングトレードは、相場にある程度の方向性があり、「トレンド相場」の流れに乗れないと利益に繋がりにくいのがデメリットです。為替相場の70~80%は一定の幅を小さく上下する「レンジ相場」であるといわれています。
レンジ相場の値動きを予測することは大変難しいといわれており、とくに初心者がポジションをもつチャンスは想像以上に少ないことを理解しておく必要があります。
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