FXトレードでは為替の急変でロスカットが間に合わないケースもある

初心者を狙う罠

FXトレードには、一定の含み損が発生した際にFX会社が自動的にトレーダーのすべてのポジションを決済してしまう「強制ロスカット」という仕組みがあります。ロスカットが働くと損失が確定することになりますが、損失をそれ以上大きくしないという安全装置の役割もあります。

しかし、ときにどうしても予定していたロスカットが間に合わずに大きな損失を避けられなくなるケースがあります。そこで今回は、ロスカットが間に合わないケースを紹介し、可能な対策についても解説します。

相場の急変でロスカットが間に合わないケース

ロスカットは一定の間隔で自動的に決済されるため、相場が急変した場合にロスカットが間に合わなくなる場合があります。ここではスイスフランの大暴落のケースを紹介しましょう。

スイスフランの大暴落

2011年にスイス国立銀行が(1ユーロ=1.2スイスフラン)を維持するために、無期限でユーロを買い続けるという宣言をしたことにより、多くのトレーダーが安心してスイスフランを売ってユーロを買うポジションを増やし続けました。

その後、2015年1月15日になって突然、スイス国立銀行から「無制限介入を止める」というコメントが発表されたため、市場が大混乱に陥りました。日本時間の18:30からわずか数分の間に、スイスフランは(1.2)から(0.84)へと大暴落したのです。

ロスカットが間に合わない!

このような急激な為替変動が恐ろしいのは、投資家がすぐに損切り注文やロスカットを実行しても、実際に約定するまでに、レートが注文価格のはるか下まで動いてしまっていることです。スイスフランショックでは、多くの投資家がまさにこのような状態に陥りました。ほとんど予定していた値でのロスカットが働かず、莫大な追加証拠金を請求されました。

休日明けに為替が大きく動いてロスカットが間に合わないケース

予測できない週末の事件事故

世界の為替相場が休みになる週末にポジションを持ち越すと、週明けにギャップが発生する場合があります。ローソク足チャートにぽっかり間が空くことから、日本では「」と呼ばれています。このような状況が起こるのは、市場が休みの週末に重大な事件事故が起きたときですから、可能な限りポジションを翌週に持ち越さないことが有効な対策になります。

2017年のフランス大統領選では、週末の(ユーロ/円)が(117円)だったのが、月曜の朝にいきなり(120円)と、大きく窓を開けて取引が開始されました。これによって、突然ロスカットを発動されたトレーダーも多かったはずです。

マイナー通貨はとくに注意

戦争や政変など有事のリスクが高いのは、新興国や政情が不安定な国々です。これらの通貨は総じて金利が高い傾向がありますが、スワップポイント狙いの投資をする場合は、このようなカントリーリスクも覚悟しておきましょう。

その反動として「有事のドル買い」といわれるように、信頼性の高い通貨(ドルや円)に資金が集まり、マイナー通貨が下がることもあるので、こちらも注目しましょう。

システムの問題でロスカットが間に合わない

FX会社のシステムの問題でロスカットが間に合わないケースもあります。

たとえば損切り注文を入れておいたのに、FX会社のコンピューターの故障で注文が執行されないケースなどが考えられます。メンテナンス前と後で為替レートが大きく変動していれば、ロスカットが間に合わないこともあるでしょう。

システムトラブルで補償を受けられることがある

システムトラブルで損失が発生した場合は、FX会社が損失を補填してくれる場合があります。過去には、ある日本の大手FX会社で通常あり得ないほどスプレッドが広がり、余裕を持って資金を入れていても突然ロスカットが発動されたケースがありました。口座がマイナスになって追加証拠金が必要になった人も大量に出ましたが、これらの損失は全て補填されています。

もっとも、FX会社は「システム異常のために利確を逃した」といったクレームには応じてくれないと思います。

海外のFX会社とのトラブルは自己責任

海外のFX会社とトラブルが発生した場合、連絡が取れなくなってしまうなどの事例も耳にします。海外の会社には日本の法規制が及ばず、自己責任になってしまいますから、表面的なメリットに飛びつかないようにして、国内の大手のFX会社を選ぶといった対処をすべきでしょう。

非常時のロスカットにはファンダメンタルズ分析が有効

ファンダメンタルズ分析の対象は各国の経済指標や金融政策、戦争・テロなどです。

大きな事件事故によって、為替がどちらに動くかまでは予測できないかもしれません。しかし、「相場が荒れそうだ」と知っておくだけでも、大損害を防ぐことができる価値ある情報になります。以下では、FXトレーダーがチェックしておきたい情報と、その活用方法を紹介します。

経済指標

経済指標とは各国の公的機関が発表する物価や金利、景気などを表す数値です。発表される内容によって為替相場が大きく動くことがあります。事前に専門家たちの分析と内容が異なっていると、為替は急騰・急落の動きになりやすいという特徴があります。

経済指標はあらかじめ発表の時期が決まっているので、発表前後のトレードを避けることにより対応が可能です。

米国雇用統計やFOMC、日銀金融政策決定会合などの重要なイベントは、FX会社が提供するカレンダーやWebサイトでチェックしておきましょう。

金融政策

各国の中央銀行が行う金融政策の発表は為替相場に大きく影響します。アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)、金融政策や経済状況の分析を発表するFOMC、日銀金融政策決定会合は最重要チェックイベントです。

金融政策の発表については、「利下げの場合は為替が下がり、利上げの場合は上がる」のが一般的なケースです。

要人の発言

各国の経済政策に影響が与える要人(重要人物)の発言や発表にも注目しましょう。

・日本銀行総裁の発言
・各国の中央銀行の当局者の発言
・FRBの議長・理事の発言
・各国の経済閣僚(財務大臣、財務長官など)の発言

要人の発言は発表時間が決まっていないので、ロイターや各FX会社の情報などに情報の網を張っておきましょう。

リスク管理のためには情報の網を広げるしかない

FXトレードで大きな損失を防ぐためには、損切りルールや資金管理が重要ですが、紹介したような為替相場の急変が発生した場合は、残念ながらロスカットの発動が間に合わないケースもあります。

日ごろから国内外のニュースをチェックして為替相場の急変に備えることも欠かせませんが、不測の事態はFXのリスクのひとつとしてトレーダーが覚悟しておかなければならないことです。

FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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