「バルサラの破産確率」とは、株式投資やFXなどのトレードについて、「勝率」「損益率」「プロフィットファクター」の3つ項目から投資の危険度を判断する表のことです。
今回は初心者が長く戦うためにぜひ参考にしたい「バルサラの破産確率」について学んでいきましょう。決して難しい指標ではないので、積極的に取り入れてほしいと思います。
バルサラの破産確率表とは
投資で成功するためにやるべきことを言葉で表すとすれば、「安定的に勝つこと」「そのためのルールを構築すること」「その方法を続けること」の3点に尽きます。しかし、投資を始めたばかりの初心者は、自分のルールが正しいかどうかをどうやって確かめたらいいのか、よくわからないと思います。
そんなときに、自分のトレードルールが正しいかどうかを評価するためのサポートをしてくれるのがバルサラの破産確率表です。論より証拠、それでは早速、バルサラの破産確率表とはどんなものか、見てみましょう。
これがバルサラの破産確率表です。この表を正しく利用するためには、次の3つ取引データを常に記録しておく必要があります。FX会社では自動で算出してくれるサービスもあるので活用してみてください。なお、勝率および損益率の計算方法は以下の通りです。
①(勝率)=(勝トレード数)÷(総トレード数) ②(損益率)=(平均利益)÷(平均損失) ③(プロフィットファクター)=(総利益)÷(総損失)
バルサラの破産確率表の使い方
トレードの勝率が高くても損益率が低いと危ない
たとえば、トレードの平均勝率を(70%)とします。非常に高い勝率です。しかし、損益率が(0.2)だったらどうでしょうか。バルサラの破産確率表を使って、この2つのデータがクロスしている数字を読み取ると(98%)です。これが、破産する確率ということです。
破産確率が(98%)もあればほとんど破産必至の状況ですから、直ちに改善しないと危険です。このケースにおいて収支を改善するために必要なのは、損益率を引き上げることです。損益率の計算方法は上掲の②ですが、このケースでは個別のトレードの平均利益をもっと伸ばすか、平均損失を低く抑えることができれば収支は改善し、破産確率を抑えることができるはずです。
平均利益を伸ばすコツは利益確定の読みを深めることが有効です。また、平均損失を低く抑えるためには、損切りの技術をあげることで対応します。この両方ができれば、損益率をさらにアップさせることが可能になります。
トレードの勝率が低くても損益率が高ければ状況は異なる
続いて別のサンプルを検討してみましょう。トレードの平均勝率が(40%)で、平均損益率(2.0)の場合の破産確率を確認します。
この場合、勝率は低いにも関わらず破産確率は(16.8%)と低い状態です。先ほどのケースよりは状況はかなり改善していますが、安全圏に到達するためには、破産確率を(16.8%)から、さらに下げていきたいところです。
このケースで収支を改善するためには、勝率を上げるのがもっとも有効です。そのためにはチャート分析の精度を上げ、エントリーの判断を見直す作業が必要です。破産確率を最小にしつつ、プロフィットファクターを最大限にできるトレードルールを構築することができれば、期待値を最大値まで高めることができるでしょう。
バルサラの破産確率表を上手に活用しよう
上記の2つの例のように、現在のトレードの状況によって収支改善の方向性は異なります。
バルサラの破産確率表を活用すれば、破産確率の判定だけでなく、「勝率」「損益率」「プロフィットファクター」のうち、どの部分を強化すればトレードの収益向上に有効に働くのかがわかるようになっています。ぜひ参考にしてみてください。
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