スワップポイント狙いの謳い文句で「放置しておいても儲かる」が危険な理由

初心者を狙う罠

スワップポイント」とはポジションを持ったときに発生する金利のことです。実質金利ゼロの日本円を金利の高い通貨に換えれば、放置しておくだけで金利差益を稼ぐことができます。

しかし、スワップポイント狙いのトレードには大きなリスクが潜んでいます。そこで今回は、一見すると魅力的に見えるスワップポイントのマイナスの部分にフォーカスを当てたいと思います。

「放置したままで儲かる」は本当か

銀行預金や外貨預金の感覚

スワップポイント狙いのトレードではポジションを持つだけで毎日利益が稼げます。銀行口座にお金を預けて毎日利息が振り込まれるようなものです。

難しいチャート分析などしなくても、ただポジションを持って放置するだけで利益を稼ぐことができるというのは、FX初心者ならずとも魅力的です。FX会社の宣伝を中心に、ネット上ではスワップポイントを稼ぐトレード方法を外貨預金の感覚で勧める情報も多く見かけます。

ただしスワップポイントの収益は小さい

金利差の大きな通貨ペアのポジションを持つだけで、毎日スワップポイントによる利益が稼げるのは事実ですが、実際にはその金額は微々たるものです。

1日に50円のスワップポイントが得られる通貨ペアを1万通貨持った場合で検証してみましょう。

・(1か月)の利益⇒(50円)×(1万通貨)×(30日)=(1,500円)
・(1年間)の利益⇒(50円)×(1万通貨)×(360日)=(18,000円)

銀行の利息よりはましですが、デイトレードやスイングトレードなど普通の一般的なトレード収益と比べれば、その金額は微々たるものです。

為替変動があれば赤字になる場合もある

スワップポイントの金額だけを見ると、「放置しておくだけで銀行金利より有利なら悪くない」と考える人がいるかもしれません。しかし、注意しておかなければならないのは、為替レートは常に変動し続けているということです。

放置していたポジションのレートが、1年で10円(1,000pips)下落したと仮定します。1万通貨のポジションなら(10万円)の含み損を抱えるということになりますから、あっという間にスワップポイントは消滅してしまいます。

スワップポイント狙いに潜んでいる弱点とは

スワップポイント狙いで大きな利益を稼ぐためには、必然的に次のような行為をする必要があります。

大きなポジションを持たなければならない

スワップポイント狙いでは、ポジションを大きくしなければ利益が狙えません。したがって、自己資金が限られている以上、ある程度大きなレバレッジをかける必要があります。

具体例として、10万円の証拠金で10倍のレバレッジをかけた場合を見てみましょう。このとき、ポジションが(10%)下落するとどうなるでしょうか。

・(10万円で10倍のレバレッジ)⇒(外貨100万円と交換)
・(ポジションが10%下落)⇒(含み損10万円)

含み損が増えても損切りを決断できない

含み損というものはどれだけ増えても、まだ現実になっていない「仮の損失」です。したがって、現実化していない含み損よりも、日々現実に手に入るスワップポイントを優先してしまいます。

スワップポイント狙いのトレードでは、そもそも為替レートの変動から利益を得るという発想がないので、為替の動きと関係なく可能な限り長期間保有し続けることになります。

スワップポイント狙いが決して盤石ではない理由

本来のトレード手法のセオリーに反している

FXトレードのセオリーは「負けを小さくする」ためにポジションサイズを小さく抑えて破産リスクを回避することを優先することです。

損失を最小限に抑えるためには、自発的な損切りを駆使して対応することが重要です。また、突発的な値動きによるリスクや、休日を挟んだ窓開きリスク(大きく値が飛ぶ)といった為替の変動は長期保有の最大のリスクです。ところが、スワップポイントで利益を稼ぐ方法は、このようなリスク管理のセオリーに真っ向から対立するものなのです。

大規模な為替変動でなくても充分危険

かつて世間を震撼させたスイスフランショックやリーマンショックといった為替の大変動が起これば、長期保有ならずとも大きな損害を被る可能性があります。しかし、これ程の値動きではないにしても、中規模の暴落や暴騰は比較的頻繁に発生しています。

レバレッジを大きく効かせて放置されたポジションは、このような中規模の値動きによっても深刻な含み損を抱えてしまうリスクがあります。

証拠金を多めに積んでも対策としては限定的

含み損の拡大によるロスカット(強制決済)を避けるために、大きな証拠金を準備して、ポジションサイズを小さくしておけば、放置しておいても大丈夫かもしれません。

証拠金を大きくすれば、為替レートの変動リスクを乗り越えながらホールドし続けられる確率は、確かに大きく高まります。しかし、もし為替の急下降が発生すれば、大きな含み損を抱えることには違いはありません。

スワップポイント狙いでも適切な損切りは欠かせない

スワップポイント自体は微々たる金額なので、まとまった利益を稼ぐためには実効レバレッジを高めて、大きなポジションを持つ必要があります。その結果、為替レートの変動によって証拠金が不足する事態(追証の発生)に陥りやすくなります。最悪の場合は強制ロスカットになり、それまでの利益どころか、元本の証拠金を吹き飛ばすような大損失を出す結果に終わってしまう可能性があります。

結論をいえば、スワップポイント狙いのトレードにおいても臨機応変に損切りをおこなう決断が必要なのです。為替の動きに注目して、くれぐれも放置することのないよう心得ておきましょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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