「ナンピン」がFXにおける必勝法であるという説が危険極まりない理由

初心者を狙う罠

初心者にとって「ナンピン」はご法度といわれることも多いですが、FXにおける必勝法であるという説を見つけました。たしかにナンピンがプラスにハマれば大きな利益を出せることは間違いないのですが、使い方を間違えると損益は際限なく拡大してしまいます。

そこで今回は、実際のところ、ナンピンをどのように操れば必勝法になりうるのか、また初心者が導入できる手法なのかどうかについても解説していきます。

ナンピンとはどんな手法か

ナンピンはポジションレートを平均化する

ナンピンとは、含み損になっているポジションを、さらに買い増し(空売り)する行為です。その目的は含み損が出た時に損失を平均化することにあります。具体例で説明しましょう。

①(ドル=120円)で(1万通貨)買ったが、その後ドルが(110円)まで下落した
②(110円)のレートで、同じ数量(1万通貨)を買い増しする
③すると平均購入価格は(ドル=115円)になる
④(115円)より価格が上昇すれば、利益が出る

つまり、(120円)以上で決済しないとマイナスが出るはずだったのに、買い増すことによって(115円)まで相場が戻れば赤字が解消してしまうという手品のような手法です。

いつもうまくいくとは限らない

もちろん、いつもうまくいくとは限りません。(ドル=110円)からさらに円高に向かっていく可能性があるからです。たとえば、(ドル=100円)まで下落したらどうなるのでしょうか。さきほどのレートの動向の続きです。

⑤ドルはさらに(110⇒100円)まで下落した。
⑥(ドル=115円)で(2万通貨)保有しているので、このままでは赤字が拡大してしまう

理論的には最終的に絶対利益が出る

こうなった場合、さらにナンピンを重ねるという作戦が考えられます。

⑦(ドル=100円)で現在のポジションと同額(2万通貨)を買い増しする
⑧すると平均購入価格は(ドル=107.5円)になる
⑨(107.5円)より価格が上昇すれば、利益が出る

現時点で(ドル=107.5円)で4万通貨保持していることになります。この先、ドルは(100円)からどちらに振れるのでしょうか。ひょっとするとドルはもっと安くなっていくかもしれません。

その場合でも、資金が無限にあれば、理論的にはロスカットを喰らう前にどこまでも買い増しを際限なく繰り返すことによって、いつか為替が戻ってきたときには利益が出るはずです。たしかに、これなら必勝法といえるのかもしれません。

「偏差値100」とかいう東大出身のトレーダーの理論

テクニカル分析は推論にすぎない

名前も公開されているのですが、ここではX氏としましょう。

X氏は外資の大手ファンドに勤める友人に勧められてFXを始めました。「ドル円相場というのは80円から120円の幅に必ず収まるという友人の言葉をヒントに、X氏はFXの必勝法を探りました。

その結果たどり着いたのは、テクニカル分析は不要だということでした。

「テクニカル分析の前提となるパラメータ(為替に影響を与える変動要素)は過去の成績にすぎず、このような曖昧な推論を基準にして未来の正解を選び続けることは不可能である。その根拠がただの推論にすぎないことは、テクニカル分析の致命的な欠陥だ」。

ナンピン理論に出会う

X氏は専門書を読み漁りましたが、どのFXのマニュアル本にも「ナンピンのような買い下がりは厳禁」と書かれていました。

しかしX氏は、失敗するのはレバレッジが過大になるからであり、資金管理に気をつけてトレードすれば、ナンピンこそもっとも簡単に勝ち続けることができる方法と確信したといいます。

X氏が実行して結果を残したナンピン戦略

X氏が実行したのは、一定幅での買い下がりと利益確定を機械的に繰り返すだけの単純な手法でした。「ドル値が15銭落ちるごとにナンピン買いをして、15銭幅の含み益となったら決済」を機械的に繰り返すだけのシンプル手法です。

X氏が注意していたのは資金管理だけです。かれはたとえ80円割れになっても資金が枯渇したりロスカットを受けないように管理を徹底しました。この戦法で、X氏は大きな資産を作り上げたといいます。

やはりナンピンを操ることは難しい

相場の読みがデタラメでもナンピンなら勝てるのか

ナンピントレードで利益を得るためには、相場の上昇下降のタイミングと幅が大きく関係します。相場が大きく変動するレンジ相場でナンピンによって利益を出すためは、相当大きな資金を準備しておかなければなりません。

またそこで、運よく短期間で利益を得られるような相場の動きが生まれればいいのですが、ときに相場は年単位で相場が下がり続けるような長期トレンドに入るケースもあります。このような場面では、X氏のいうように、相場の読みを入れずに簡単に利益を得られるとは考えにくいというのが実情なのではないでしょうか。

思うに、X氏がトレードに参入していた時期は、たまたまドル高に向かうトレンドが続いていたのではないか。猫道場主としてはそのように疑っています。

初心者にはリスクが大きすぎる

ナンピンは初心者にとっては危険なトレード手法です。どのタイミングでナンピンするべきかを見極めることが難しいからです。

データに裏打ちされた根拠が原点となるトレンド分析とは異なり、ナンピン手法はトレーダーの感覚頼りになりがちです。感覚はトレーダーの経験によって成り立っているわけですから、経験不足の初心者にはやはり難易度が高いのです。

初心者の「負けたくない」「儲けたい」といった邪念がメンタルに隙を生み、トレード結果にも影響を及ぼします。損失を恐れてポジションを必要以上に増やしてしまった場合、損失が拡大すれば奈落の底へとまっしぐらです。X氏のような天才的な頭脳があれば難しくないのかもしれませんが、やはりナンピンは初心者にはおススメできない手法です。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FX超初心者専科 猫道場 道場主H

FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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