初心者が多数の通貨ペアに手を出してもどのみちコントロールすることはできない

FXの基礎編

初心者がFX口座を開設していざ取引を始めようとするときに最初に湧き上がってくる疑問が、「どの通貨ペアを選べばいいのかわからない」というものです。FX口座が扱っている10~数十通貨前後の通貨ペアのなかから、どのような基準で取引する通貨ペアを選ぶべきでしょうか。初心者のなかには、難易度が高いマイナー通貨や手あたり次第いろんな通貨ペアに手を出して失敗を繰り返す人もいます。

そこで今回は、初心者が複数の通貨ペアに手を出すべきでない理由と、取り組むべき通貨ペアについてアドバイスします。

多くの通貨ペアに手を出すとかならず失敗する

最初に断言しておきますが、初心者が多くの通貨ペアに手を出すと例外なく失敗します。通貨ペアにはそれぞれ特徴があります。その「癖」を知らないままトレードをしていると、負けた理由すらわからないまま資金を減らしてしまう結果となります。

あれもこれも試してみたい気持ちはわかるが

FXではさまざまな通貨ペアを取引することが可能です。とくに初心者は興味が先に立って、色々な通貨ペアに手を出してみたくなります。その気持ちはよくわかりますが、なかには初心者にとってハードルが高い通貨ペアもあります。また、同時にいくつもの通貨ペアの取引をおこなうと、必要とされる情報収集やポジションの管理が難しくなります。

FXにおいて「広く浅く」は無意味

実際にベテラントレーダーでも、あれもこれもと多数の通貨ペアを同時に操っているケースは少なく、ひとつの通貨ペアに限定してトレードしているトレーダーの方が多いです。FXでは通貨ペアごとの動きに特徴があるので、あえて複数の通貨ペアにチャレンジするよりも、ひとつのペアの特徴を極めたほうが勝てる可能性は高まります。

一般的にマイナー通貨は難しい

FXでは「この通貨ペアが一番稼げる」と断言することはできません。ただし、勝てる確率をあげるためには、複数の情報源から社会情勢などを知ることができるなど、一定の情報量が得られる通貨であることが肝心です。

その点で、情報を取得しにくいマイナー通貨は予想外の値動きに翻弄されやすくなる可能性があり、とくにビギナーにはおススメできません。

通貨ペアはこのような視点で選ぶべき

初心者がこれから取り組むべき通貨ペアを選ぶ場合、「取引量」「ボラティリティ」「スプレッド」の3つのポイントに注目しましょう。

取引量が多い通貨ペアを選ぶ

日本国内のトレーダーの場合、基本的にクロス円(円を介在した取引)になると考えていいでしょう。取引量が多い代表的なクロス円通貨ペアは以下の組み合わせになります。

取引順位 通貨ペア シェア
(米ドル/円) 58.5%
(英ポンド/円) 12.4%
(豪ドル/円) 8.0%
(ユーロ/円) 6.0%
(メキシコペソ/円) 0.3%

※SMBC日興証券調べ。(2017~2020年平均データ)

取引量が多い通貨ペアは、多くの人が注目しているため、チャートの値動きが安定し、トレードの特徴がつかみやすいです。また、何か突発的な事件が起こったときに、急激に変動するリスクも低くなるでしょう。

ちなみに、圧倒的に取引量が大きいのは(米ドル/円)のペアで、国内の取引の(60%弱)を占めています。

適度なボラティリティがある通貨ペアを選ぶ

ボラティリティとは「値動きがある」という意味です。値動きがほとんどない通貨ペアで利益を出すことは難しいので、ある程度ボラティリティがある通貨ペアを選ぶことをおススメします。主なクロス円ペアのボラティリティは以下の通りです。

通貨ペア 1日 1週間 1か月 1年
(米ドル/円) 0.54% 1.31% 2.75% 8.75%
(ユーロ/円) 0.64% 1.51% 3.03% 13.58%
(豪ドル/円) 0.95% 2.24% 4.38% 37.02%
(英ポンド/円) 0.83% 1.88% 3.78% 21.05%
(南ア/円) 1.61% 3.65% 7.19% 30.10%
(トルコ/円) 1.45% 3.37% 9.18% 32.40%

基準値としてはボラティリティが安定しているといわれている(米ドル/円)や(豪ドル/円)を基準に、通貨ペアのボラティリティの高低と判断するとよいでしょう。

スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶ

FXでは通貨ペアを売るときの値段(Bid)と買う時の値段(Ask)にギャップがあります。この差額を「スプレッド」といい、実質的な手数料です。利益を出すためにはスプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことが大切です。

スプレッドは常に一定ではなく多くの通貨ペアでは変動します。「相場が急激に動いた」「経済指標が発表された」「世界的なニュースがあった」といったトピックで大きく変動します。情報を入手しやすい国の通貨を選べば、このような相場の急変を把握しやすくなります。

初心者がトライすべきは(米ドル/円)の一択でいい

初心者トレーダーは、メジャー通貨のクロス円ペアを選びましょう。初心者の取り組みやすさからいえば、取引量が多く、適度なボラティリティがあり、情報量が多くスプレッドが狭いことが理想ですが、マイナー通貨はこれらの実現性が低いのです。

メジャー通貨のなかでもより具体的にいえば(米ドル/円)もしくは(ユーロ/円)ということになりますが、やはり初心者がトライすべき通貨ペアは(米ドル/円)一択ということになるでしょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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