FXにおいて「バイ&ホールド(長期保有)」戦法は有効に機能するか

テクニカル編

バイ&ホールド(Buy and Hold)」とは「買ってそのまま保持する」という意味で、金融商品の長期保有を基本とした戦術です。おもに株式投資に用いられる手法で、銘柄を買ったら多少の上げ下げは気にせずに長期間にわたって持ち続けます。

今回はこの戦法がFXトレードに応用できるかどうかについて、詳しく解説していきたいと思います。

株式投資における「バイ&ホールド」

「バイ&ホールド」は株式投資において王道といえる手法です。株式投資は長期保有することによるメリットの大きい投資方法です。成長企業の株式を購入すれば、企業の成長とともに株価は上昇し、企業が利益を出せば配当金を受け取ることもできます。

高度成長期にトヨタやソニーといった成長企業に投資して長期間株を持ち続け、数十年後に売却すれば莫大なリターンを手に入れることができるでしょう。

その一方で、バブルの絶頂期に投資していた場合は、バブル崩壊後に株価下落による大きな含み損を被ったはずです。

結局のところ、「バイ&ホールド」が成功するかどうかというのは、企業の将来や日本経済の長期展望をどれだけ正確に分析できるかという点にかかっています。長期投資であるだけに「運」も重要な要素です。

FXにおける「バイ&ホールド」の可能性

FXで「バイ&ホールド」を成立させる条件

(ドル/円)チャートを見てみると、年単位でのトレンドが存在することがわかります。為替は長らく円高傾向でしたが、最近では円安に転じています。

このような為替の長期サイクルは、国際的な景気や金利の循環、貿易動向、国家の盛衰などの要因がからみあって生まれるものでしょう。もし為替相場の大きな流れを把握することができれば、FXにおいても「バイ&ホールド」は成立するはずです。さらにFXはレバレッジを効かせることができるので、株式投資以上のリターンが期待できます。

FXにおける「バイ&ホールド」はリスクが高い

FXトレードには、トルコリラ、南アフリカランドといったマイナーな高金利通貨を長期間保有する「スワップ狙い」の手法があります。円と高金利通貨の金利差が大きければ大きいほど高い収益が見込めます。

ポジションを持っているだけで、スワップポイントが毎日もらえるので、株式投資よりもはるかに有利なはずです。しかしスワップポイント収益に目を奪われて相場のリスクを軽視すると危険です。価格変動のリスクはスワップポイント収益では相殺しきれないからです。高金利通貨の「バイ&ホールド」においては、スワップポイントだけではなく、為替相場の動向を注視する必要があります。

ロスカットの存在

株式投資とFXの決定的な違いは、FXにおける「ロスカット」の存在です。株式投資であれば、その会社が倒産しない限り、下落した株をそのまま保持し続けることが可能ですが、FXでは証拠金を下回るとロスカットにより強制的に決済されてしまいます。つまり、FXにおける「バイ&ホールド」のリスクは株式投資よりも高いのです。

FXにおける「バイ&ホールド」の失敗事例

あるトレーダーの失敗事例を紹介します。

株式投資とは異なり、為替には多少の上下があったとしても長期的にはいずれ買値に戻るはずですそこにFXにおける「バイ&ホールド」の落とし穴があります。

スワップ狙いでポンド取引を始めたAさん

Aさんは株式投資をしていましたが、FXにも興味をもち、円との金利差に魅力を感じて(ポンド/円)の通貨ペアにチャレンジしてみることにしました。このとき、日々の為替の動きはAさんの頭の中にありませんでした。多少の上下があったとしても、長期保有していればいずれ為替は戻るはずだからです。

結局Aさんはどうなったのか

この当時、(ポンド/円)の通貨ペアは(ポンド=200円)に迫ろうかという勢いがありました。しばらくしてポンドは急落しますが、(180円)を下回ると再び上昇したため、Aさんは(ポンド=185円)で2万ポンドを買い注文しました。レバレッジは20倍効かせています。

その後、ポンドは(190円)近くまで戻してから再び反落します。あとから思えばこの時点で利益確定していればよかったのですが、Aさんには(200円)まで戻るという根拠のない自信がありました。

ところがその後、ポンドは反転して(180円)を下回りました。しかし(200円)までの戻りを確信するAさんは「いつかは戻る」と、損切りをためらっていました。ところがポンドはさらに下がり、結果的に(ポンド=170円)でロスカット(強制決済)されてしまいました。

「バイ&ホールド」は仕掛けが難しい

無策のままポジションを持ち続けていると、相場が急落すればロスカットのリスクが高まります。「バイ&ホールド」にチャレンジするのであれば、仕掛けるタイミングこそが成功のカギを握っているのです。

スワップ(金利差)以上に値下がりをすれば差し引きで大きな損になり、Aさんの例のようにロスカットを喰らえば、そこでゲームオーバーです。

為替に波乱が起きなければ「バイ&ホールド」で順調に収益をあげることができるでしょう。しかし、相場が不利な状況になれば損切りをする決断が必要です。「バイ&ホールド」は初心者がチャレンジするのはやや難度が高い手法だと思います。これが猫道場主の結論です。

高金利のマイナー通貨の保有を高利の定期預金のようにアピールするサイトもありますが、鵜呑みにするべきではないでしょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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