初心者がFXで借金を背負う可能性があるのは「追証」が発生するケースだけ

初心者を狙う罠

FXにはロスカットという仕組みがあります。為替の値下がりによって一定量の含み損が発生すると、FX会社が損失を確定させてしまうため、トレーダーにとっては非常に評判の良くない仕組みです。

しかし、見方によっては損失額を一定程度に抑える安全装置の一面があることも確かです。つまり、FXでは証拠金(保証金)以上の損失は発生しない建前になっているわけです。

しかし、ときおりトレードの損失が大きくなって借金を背負うトレーダーがいます。そこで今回は、なぜFXが借金につながるのかについて考えていきたいと思います。キーワードは「追証(おいしょう)」です。

要するに自分自身で借金を重ねてしまうのである

急激な為替の変動にシステムが対応できずにロスカットのタイミングが遅れ、FX会社に対して借金を負うケースがないとはいえません。しかし、これは稀有なパターンです。結論からいえば、トレーダーがFXで借金をしてしまう理由は、不可抗力ではなく自分の意思によるものがほとんどです。

借金と追証の関係

投資で儲けるために借金を重ねるのは本末転倒ですが、その秘密はFXにある「追証(マージンコール)」という制度によります。

FX会社はトレーダーの証拠金と保有する外貨の含み損の割合の基準を定め、基準以上の含み損が発生すると、ロスカットする仕組みを設けています。もし証拠金を割り込めば、トレーダーの借金になってしまうからです。

その一方で、FX会社はロスカットの日時をトレーダーに事前通告し、それまでに証拠金を追加で入金すればロスカットを回避できるという制度を用意しています。

追証を繰り返して借金が膨らむ

為替は常に動いているので、現在の為替が下降傾向にあってもずっとそのままというわけではありません。「今のピンチさえ乗り切れば、含み損が消えるはずだ」。その淡い可能性に賭けて、追加で入金して頑張るトレーダーがいます。

とくに、大きなレバレッジを設定していると損切りのダメージは大きくなります。「いつか戻ってくる!」と根拠なく信じて追金し、それでも価格が戻らずに、引っ込みがつかなくなって借金して追加で入金を繰り返していると、「気づいたら莫大な借金を背負っていた」ということにもなりかねません。

ロスカット、追証と証拠金維持率の関係

ロスカットや追証を事前に回避するための仕組みを確認しておきましょう。これはリスク回避のための基本中の基本です。

証拠金維持率の計算方法

証拠金維持率」は取引に必要な金額に対して、どのぐらい利用可能な資産があるかの割合のことで、保有ポジションが安全かどうかを判別することができる基準値です。国内のFX口座では、証拠金維持率が一定の値まで下がると、ポジションが強制的に決済されてしまいます。これがロスカットです。

最初に2つの用語を覚えておきましょう。

必要証拠金=(ポジション保有のために必要な資金)
有効証拠金=(現時点で使われていない口座の資金総額)

続いて証拠金維持率の計算方法をみていきましょう。

(証拠金維持率)=(有効証拠金)÷(必要証拠金)×100

(必要証拠金=10万円)(有効証拠金=20万円)という条件の場合は以下のようになります。

10万円÷20万円×100=200%(証拠金維持率)

たとえば「証拠金維持率100%」というのは「有効証拠金と必要証拠金が同じ」状態です。少しでも損失が大きくなれば、その時点で有効証拠金よりも必要証拠金が上回ることになります。この状態は危険ラインにあるといえるので、国内のFX会社では追証を「証拠金維持率100%」に設定しています。

証拠金維持率の安全水準

それでは、証拠金維持率の安全圏はどれぐらいを考えておけばいいでしょうか。

●スイングトレード⇒(証拠金維持率1000%以上)であれば安全圏
●デイトレード⇒(500%以上)であれば安全圏
●スキャルピング⇒(300%)以上であれば安全圏

トレードスタイルによって異なりますが、安全圏としては上記の目安が推奨です。トレードが長期になるほど証拠金維持率を高くする必要があります。

追証とロスカットの関係

追証とロスカットの関係について、たとえばGMOクリック証券はこのような条件を設定しています。

判定条件
判定タイミング 証拠金維持率 発生後の対応
追 証 ニューヨーク クローズ 100%を割り込んだとき 翌営業日の午前3時までに追加証拠金額の入金又は建玉の決済
ロスカット 随時 50%を割り込んだとき 全建玉が強制決済

追証を回避する方法

証拠金維持率を高く保つための方法

ロスカットや追証を回避するために重要な指標が証拠金維持率です。証拠金維持率をキープするためには、以下の4つの方法が有効です。

①適切な損切りをする
②エントリー回数を減らす
③ポジションあたりのロット数を減らす
④レバレッジを低く設定する

初心者にあまりおススメできない方法

一方で、注意しておきたい追証回避方法やあまり初心者にはおススメできない方法があるので、紹介しておきます。

両建てをする

両建て」とは売買ポジションを同時に保有することで、たとえば以下のようなトレードの組み合わせによる対策が考えられます。

①(ドル/円)の買い注文をする
②含み損が発生したところで(ドル/円)の同額の売り注文をする

損失を出している買いポジションと同額の売りポジションを保有することで、現時点以上の証拠金維持率の低下を阻止できます。その後、2つのポジションを同時に決済すれば、②の売り注文をする直前までの損失で済みます。あるいは①の含み損が消滅し、さらに大きく上がっていれば、②だけ決済して利益を得られる可能性もあります。

注意点は、両建てポジションのための証拠金が必要になることと、スワップポイントやスプレッド差分が発生することです。また、両建てポジションを決済するタイミングは初心者にとってやや難度が高いかもしれません。

追証発生前に入金する

追証が発生する前に入金すれば追証は回避できます。しかしそれは一時的な対応に過ぎず、追証を前もって入金する行為に過ぎません。証拠金維持率が低下すれば、さらに追加の入金が必要になります。

追証回避は損失を減らすことになるかどうかは別問題

一発逆転の誘惑に負けないこと

FX投資で成功するためのコツは着実に利益を積み重ねていくことです。一発逆転を狙って追証をして粘り、刹那的なトレードをしていると絶対に破滅します。短期的に大きなリターンを目指そうと思うほど、借金リスクも高まってしまいます。

自分の損切りルールを決め、徹底する

自分で損を確定させる決断は想像以上に難しいものです。機械的に淡々と損切りをおこなうために自分の損切りルールを設定しましょう。勝ち負けが必ずあるFXにおいて、損失をできるだけ小さく抑えることは極めて重要な意味をもちます。長い目で見てトータルで勝ちを狙っていく姿勢が大事なのです。借金など、もってのほかです。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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