「日本人は貯蓄を好む」といわれます。日本の個人金融資産1800兆円のうち(50%)以上が預貯金に回され、年金や保険商品などの金融資産を除くと、実質的には個人金融資産の(80%)以上が貯蓄に回っていると考えられています。
今回は日本人とアメリカ人の投資に関する考え方の違いなどから、今後はわれわれ日本人も積極的に投資をすべき理由について解説します。
日本人とアメリカ人では投資に対する考え方がこんなにも違う
貯蓄志向は団塊世代までの日本人がつくった
日本人の貯蓄志向は団塊の世代やその前の世代の人々によって代々受け継がれてきました。この世代の人たちは、手厚い年金制度や終身雇用による退職金に恵まれ、銀行の預金金利が(5%)を超えるような時代だったので、投資は不必要なものでした。
時は流れ、年金制度が改革され、銀行金利が低下しましてもなお、現代日本では今だに貯蓄マインドが色濃く残っています。
それどころか、バブル崩壊後はさらに貯蓄志向が顕著になっているように感じます。バブル時代の過激な株式投資や不動産投資のイメージが残っているためか、投資には「当たれば億万長者だが、当たらなければ破産」という負のイメージが定着してしまいました。
教育制度や家庭環境の違い
一方で、アメリカでは幾度かの金融危機を経てもなお、投資がますます盛んです。このことはアメリカの教育制度や家庭教育によるところも大きいと思います。アメリカでは小学生の頃から、株式会社の仕組みや株式市場、投資やファイナンスが学校の授業のカリキュラムに取り入れられているほか、家庭でも親が子どもにお金について積極的に教えています。大学生になれば、アルバイトで得たお金で株式売買するのが普通のことです。
しかし、このような感覚は日本人には馴染みにくいかもしれません。日本では古くから、勤労を尊ぶ美徳があり、お金は「不浄のもの」という意識が強いです。したがって「労せずして利潤を得る」という投資のあり方については、深層心理において嫌悪感があるのだと推察します。
借金に関する意識の違いが資産形成の差になって表れる
日本人には「借金は悪」という考え方の人が多く、ほとんどのものはキャッシュによる購入が基本ですが、アメリカでは「借りられるものはできるだけ借りる」というレバレッジ(借入)活用の思想が浸透しています。この考え方は投資においても同じで、アメリカ人の多くは自宅や車と同じように、当然のようにローンを組んで投資しています。
金融庁のデータによると、過去20年間でアメリカ人は日本人の3倍以上資産を増やしています。投資に関する考え方の違いは、資産形成力の差になって現れているのです。
日本でも投資のバリエーションは増えている
日本人の資産のほとんどが、銀行などの金融機関への預金か、円建ての保険商品や年金商品などに凍結されています。これでは資産が増えるはずがありません。
一方でアメリカ人は預金が(13%)しかありません。株式や投資信託などの投資により資産運用をおこなっている人が非常に多いです。分散投資の一環として、先物投資やFXに参入する市民投資家も増えています。
アメリカのベンチャー企業では、会社に入社すると「ストックオプション」という会社が発行する株式を購入する権利をもらうことができます。会社が上場して価値が数億円に跳ね上がり、その株式を売却した資金をさらに別の企業に投資することにより、投資市場の循環が拡大していきます。昨今、日本でもさまざまな金融商品が増えており、徐々にではありますが、それらの投資市場が拡大しつつあります。活用しない手はありません。
無鉄砲な投資はダメだが、資産を銀行預金で眠らせておくのは愚策
借金をして資産運用する投資方法といえば不動産投資が代表格ですが、FXにおいては「レバレッジをかける」トレード方法がそれに該当します。FXや不動産投資で大きな利益を得ることができるのは、自己資金以上のトレードができるからです。レバレッジは危険ではありますが、上手に活用すれば爆発力を生み出すことができます。
この力をうまくコントロールするのがFXの真髄といえるでしょう。そのためには一か八かの博打に賭けるのではなく、学習と訓練の裏付けによって確率をあげ、長期的な視点で10%の勝ち組になることを目指しましょう。その道筋は簡単ではありませんが、やりがいと可能性のある投資方法であることは確かです。
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