猫道場はFXトレードにおける重要な視点を「大きく負けないこと」に絞り、初心者が市場で長く戦えることを目標にエールを送っています。
そのために最も重要なファクターは「損切り」であるとしています。その一方で、FXの目的が利益を得ることである以上、最適な利益確定(利確)の幅についても考えておかなければなりません。そこで今回は、初心者トレーダーの利確のシンプルな考え方について解説していきたいと思います。
トレードは損切りと利確ルールを構築することに尽きる
これまでも繰り返し「損切り」の重要性をお伝えしてきましたが、利確のタイミングについても無頓着であってはいけません。どのレベルで利確をすべきなのかについて考えてみましょう。
「損切り」には注目していても「利確」に無頓着なトレーダーが意外に多い
為替相場においては、たとえ数分先であっても未来のことを100%予測することは不可能です。したがって「確率的にこうなりやすい」という根拠を見つけることがトレードにおける最重要テーマであり、的確な取引の始めと終わり時(=損切りと利確)のタイミングを見つけるために、さまざまなテクニカル手法が導入されています。
しかし実際に、損切りについてイメージできているトレーダーは多いのですが、利確のルールをイメージきていない人が多いのです。
場面によって異なる利益確定の考え方
たとえば短期取引のスキャルピングと長期間ポジションを保有するスイングトレードでは動く価格の幅が全く違います。猫道場主が初心者トレーダーに推奨する一般的なスイングトレードを基本に考えていきましょう。
レンジからトレンド相場に移行する局面での利確パターン
レンジ相場は一定の範囲内で細かな値動きをしています(↑上図の□で囲った範囲)。スイングトレードで利益を狙うためにはブレイクしてトレンド相場に移行するまではずっと「待ち」で、レンジ相場をブレイクするタイミングがチャンスです。利確のタイミングについては、トレーダーの感覚によって違いが生まれるところです。
・ブレイクしてから上昇の途中のタイミング ・頂上に達してから反転したタイミング
トレンド相場における利確パターン
トレンド相場では一定方向に相場が動いていきます。いずれ価格は反転して下落に向かうので、どこで決済すべきかの基準が必要です。たとえば以下のような2つの考え方が成り立ちます。
・トレンドが終わるまでずっと待つ ・利確する基準をもち、それに従ってイグジットする
利確をするポイントは「レンジ幅の2倍」
とくに初心者のうちは、利確はトレンドの終了を見極めることが難しいので、値動きの一定の基準をもって決済を判断すべきと考えます。結論からいえば、利確の目安は値動きの実数ではなく、「レンジ幅」に応じて判断すべきです。
レンジ相場は売買の力が膠着して揉み合うような動きになっている状況です。レンジがブレイク(トレンド相場へ移行)するケースが利確のタイミングとなり、値動きが「レンジ幅の2倍」に達したタイミングでイグジットするのが無理のない方法だと考えられます。これは実際に多くのトレーダーが採用している基準です。
①(ドル/円=109円)で「買い」エントリー ②その後レンジ相場に入り、(ドル=110~111円)の幅でもみ合いの状態に ③レンジがブレイクして(ドル=112円)になったらイグジット
せっかく正しいブレイクポイントを見つけたとしても、利益を欲張って含み損に転じてしまうことも少なくありません。しかし、このレンジ幅の2倍を目安にするという方法であれば間違いが少ないうえ、単純でわかりやすいと思います。
「レンジ幅の2倍」が有効に働く理由がある
投資家の注目が集まる「キリのいい数字」
「レンジ幅の2倍」が機能しやすい理由は、ここが多くの投資家が注目しているポイントだからです。このポイントは経験則上、相場が反転する確率が高いことが知られているうえ、いわゆる「キリのいい数字」であるため、投資家心理が集まり実現性を高めるのです。
利確において実数目標を設定する方法が不完全なわけ
一方で、利確の目安を「相場に関係なく50pips」というように、一律の値幅で設定する考え方もあります。しかし、猫道場主の経験上、これについては懐疑的です。
(50pips)というのは、トレーダーの願望に過ぎないからです。相場はトレーダーの思惑通りに動いてくれません。弱いトレンドであれば50pipsまで到達せずにトレンドが転換する場合があり、その場合はイグジットのタイミングを失ってしまいます。
その一方で、レンジ相場が長く続けば、その反動で大きく値が動く可能性が高いことが知られています。数か月間続いたレンジ相場をブレイクした場合には強いトレンドが発生して値幅も大きくなる可能性がありますが、利確値を50pipsに限定してしまうと、それ以上の利益を得るチャンスを逃してしまうことにもなります。
猫道場主のトレード手法
猫道場主はできるだけシンプルなトレードを心がけています。明らかなトレンド相場もしくはレンジからトレンド相場に移行するタイミングを狙うのが王道スタイルで、レンジ幅の2倍のpipsを利確ラインに設定しています。
自信のない場面ではエントリーしないようにしているので、自然とトレード回数は少なくなります。また、ときに予測が外れてトレンドを逆に読んでしまうことがありますが、その場合には利確と同じく損切りの基準を「レンジ幅の2倍」に設定し、掛金を抑えて大きなマイナスやロスカットを受けないような工夫をしています。
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