スワップ狙いのトレードは実はそれほどおいしくないことを理解すべき

FXの基礎編

金利の高い通貨を買って金利の低い通貨を売れば、金利差(スワップ)が利益になります。マイナス金利の円で外貨を購入して保有するだけで、定期預金のように毎日スワップが積みあがるうえ、トレードの知識も必要ないということで、リスクの低いトレード手法として根強い人気があります。

金利の高い通貨の代表格といえば「南アフリカランド」「トルコリラ」「メキシコペソ」の3つですが、これらの通貨は為替変動が激しいため、トレーダーが想定外の損失を受ける可能性があります。実際には、高金利通貨を保有しているだけで儲かるという単純なものではないのです。


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スワップ狙い投資の落とし穴

各国の政策金利をチェック

おもな国の政策金利は下記の通りです(※2022年2月現在)。

スイス…(▲0.75%)
日本…(▲0.1%)
ユーロ…(0.0%)
イギリス・カナダ…(0.1%)
アメリカ合衆国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド…(0.25%)
中国…(3.85%)
南アフリカ…(4.25%)
メキシコ…(6.5%)
トルコ…(8.75%)

南アフリカ、メキシコ、トルコの金利が突出していることがわかります。たとえば(トルコリラ/円)のロング(買い)ポジションを持っているだけで、(8.85%)の金利差益を毎日受け取ることができます。

乱高下するトルコリラ相場

2021年の(トルコリラ/円)の価格は激しく上下に動きました。年初に(13円台)をつけたトルコリラは、3月にはエルドアン大統領によるトルコ中銀総裁解任発表の影響で(12円台半ば)まで下落し、10月には政策金利の引き下げによりさらに(11円台)まで下げています。その後も価格は回復することなく、ついに(6円前後)の最安値を記録しましたが、クリスマス前には(11円)まで戻しました。

マイナススワップの罠

スワップ狙いのトレードにおいては、スワップ金利を上回る為替差損があれば利益を出すことはできません。それどころか(トルコリラ/円)を(13円)でロング(買い)エントリーしていた場合は、トレーダーの証拠金の大小にもよりますが、(6円)でロスカットにあうリスクが高いのではないでしょうか。

逆にショート(売り)ポジションを保有している場合は、マイナススワップが為替差益を帳消しにしてしまう可能性があるので、やはりマイナスになるリスクが高いでしょう。

トルコリラ相場の乱高下によって、「売り」「買い」いずれのポジションを保有していても、リスクの大きいトレードになってしまうのです。

スワップ狙いのトレードはレバレッジを掛けるメリットがない

スワップ狙いとは資金を塩漬けにすること

FXの最大のメリットは、国内口座であれば最大(25倍)のレバレッジを効かせて少ない元手で多くの資金を動かせることです。スワップ狙いの投資は長期間ポジションを保有し続けることがポイントですが、投資効率を考えた場合、レバレッジを掛けることは賢い選択ではありません。

レバレッジを効かせて少ない資金で多くのお金を動かせるにもかかわらず、あえて長期間ポジションを塩漬けにして、しかもトータル収支がプラスになるかどうかも定かではない新興国通貨に投資するという手法は理にかなっていないからです。

新興国通貨に共通する為替変動リスク

2021年のトルコリラの為替の乱高下を紹介しましたが、資源国である南アフリカランドやメキシコペソはエネルギー価格の変動への耐性に弱点があり、トルコリラと同様の為替変動リスクがあります。結局、これらの新興国通貨への投資は地政学的リスクが大きく、費用対効果が割に合わないのです。

どうしてもスワップ狙いをしたいなら(ユーロ/ドル)がおススメ

金利差の大きさよりも通貨の安定性を求めるべき

どうしてもスワップ狙いをしたい場合は、安定的な通貨へ投資するべきであり、その点でユーロ/ドル)のショートポジションでのスワップ投資がおススメです。金利差は以下のようになります。

ユーロ…(0.0%)
ドル…(0.25%)

(トルコリラ/円)や(メキシコペソ/円)と比べれば微々たる金利差ですが、何といってもこのペアは世界で一番取引量の多い通貨ペアなので、その信用は絶大です。

アメリカは政策金利を切り上げる可能性がある

アメリカの中央銀行は、量的緩和策の縮小を表明し、今後、段階的に政策金利を引き上げていく可能性があるので、先取りしてドルに投資していく選択は有効だと思います。

高金利へのスイッチによりアメリカ経済が回復に向かえばドルの価値が高まります。ユーロドルが対ドルで下落へと進むのであれば、長期でショートポジションを保有することにより、スワップ金利を受け取りながらインカムゲイン(為替差益)を稼ぐことが可能になります。まさに一石二鳥です。

スワップ狙い投資の落とし穴は、金利の高い新興国通貨のロングポジションを保有していても、為替差損の方が大きくなると、利益を出し続けることが困難になることです。

マイナー通貨のトレードは難しいものです。スワップを逆手に取り、高金利通貨を売ってインカムゲインを得ようとしても、高いマイナススワップを毎日支払わなければならないので、利益を帳消しにしてしまう可能性もでてきます。とくに初心者は目先の金利に惑わされることなく、リスクの小さい通貨ペアでトレードするようにしましょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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FXトレードは知識や経験の差によって、結果に大きな差がでます。 多くの人が1年以内にトレードから撤退していますが、その原因の多くはやはり知識や経験の少なさによるものです。 FXはボードゲーム(将棋やチェスなど)に例えられることがあります。 どんなゲームでも基本が身についていなければ、相手に勝つことはできません。 孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。 戦いに勝つためには、まず相手のことを知らなければならないという意味です。 FXにおいて、みなさんが戦う相手は、「市場(しじょう)」という大きな敵です。 市場と戦うための知識の入り口として、ぜひこのサイトを役立てていただきたいのです。 そして、経験についてはトレードを積み重ねることによってしか得られません。 みなさんにはご自分の資力の範囲で、無理のないトレードを開始していただきたいと思います。 「はじめに」でも触れましたが、FXトレードは奥が深いものです。 将来の勝ち組を目指して、また、その過程で経験するであろうFXの怖さやワクワク感をぜひ堪能してほしいと思います。 どんなゲームにもビギナーズラックがありますが、そのような幸運は長くは続かないことを知り、くれぐれも丁半博打のような無謀なトレードをしないように気をつけてください。

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