FXトレードにはたくさんの手法があります。専業トレーダーのように、ほとんど一日中パソコンに張り付いているトレーダーもいれば、長期保有を前提とした「ほったらかし手法」もあります。
多くのサラリーマントレーダーの場合は、ニューヨーク時間を狙った深夜のトレードが主流なのではないでしょうか。しかし、平日の毎晩夜更かし生活を続けると、トレードの興奮でなかなか寝つけないなど、体調面での心配もあります。寝不足から本業にもよくない影響が出てくるかもしれず、これでは本末転倒です。
FXは基本的に自分主導でトレードスケジュールを組むことができます。「絶対にこの時間帯にトレードしなければダメ」といった決まりごとはなく、自分のライフスタイルを基準にした融通性を持ち合わせています。そこで今回、日中忙しいサラリーマンや主婦におススメしたいのが「朝の30分トレード」です。
朝の30分トレードはこんな人におススメ
朝を基盤にトレードを組み立てていくのは、サラリーマンや主婦にとってメリハリの効いた方法だと思います。
・子育て中で子どもとの時間を大事にしたい主婦 ・日中は仕事で忙しいサラリーマン ・夜遅くにパソコンに向き合うのが苦痛
朝30分トレードはこのような生活スタイルの人にぜひおススメです。朝なかなか起きられない人にとっては、起床リズムを習慣化するためにも有効ではないでしょうか。
朝のトレードが意外に有利である理由とは
夜のトレードは制約が多い
ニューヨーク時間は市場参加者が多いことから、何となくその時間帯でトレードすることが正しいことだというイメージを持つかもしれませんが、実はこの時間帯のトレードは制約が多いのです。
値動きが激しくなるこの時間帯で戦うためには、ニューヨーク市場の初動の(20時30分)から、ロンドン市場がクローズする(24時)までの間、パソコンに張り付いてチャートを監視しなければなりません。もしこの時間に別のスケジュールが入っていれば、充分な分析ができず、勝てる可能性が低くなってしまいます。
早朝のトレードの優位性
サラリーマンはもちろんのこと、育児・家事と多岐にわたって忙しい主婦にとっても、夜は夕飯・お風呂・子供の寝かしつけなど、なにかと忙しい時間帯です。
後述しますが、朝のトレードは高いレベルのチャート分析力を必要とせず、夜間のトレードのような時間的拘束からも解放されます。
ボラティリティとトレードの難易度について
エントリーの難易度とボラティリティ
「ボラティリティ」とは為替変動の幅のことです。価格変動の幅が広いケースを「ボラティリティが高い」といい、価格変動の幅が狭いことを「ボラティリティが低い」と表現します。チャートの動きは「取引量」と「ボラティリティ」の組み合わせにより、このように表現されます。
①取引量が大きくボラティリティが高い | 目標数値までゆっくり動く |
②取引量が大きくボラティリティが低い | 目標数値まで激しく動く |
③取引量が小さくボラティリティが低い | 目標数値まで激しく動く |
④取引量が小さくボラティリティが低い | 目標数値までゆっくり動く |
もちろん激しく動く相場は大きな利益を狙うことも可能ですが、損失リスクも大きくなります。どの相場を選んでトレードするかは好みがあると思いますが、どのケースがエントリーしやすいかは一目瞭然でしょう。①と④です。
朝の相場はエントリーの難易度が低い
なかでも、猫道場主は「④ボラティリティが低いレンジ相場」がもっともエントリーの難易度が低いと考えています。(ドル/円)の場合、朝の(5時~8時台)の相場はまさしく④です。ボラティリティは大きくても(20pips)前後とおとなしい値動きで、大ケガのリスクが小さい相場です。
朝の30分トレードのテクニック
それでは具体的に(ドル/円)トレードの場合の「朝30分トレード」の具体的な手法を解説しましょう。
エントリーする基準
エントリーするかどうかの基準は実にシンプルです。
NY市場の始値<NY市場の終値 | 相場は上向き |
NY市場の始値>NY市場の終値 | 相場は下向き |
いずれが有利か明白でない場合 | 動向は不明 |
エントリーの基準は、ニューヨーク市場が上向きであれば買う、ニューヨーク市場が下向きであれば売る。これだけです。始値と終値の差が大きいほど、大きく動く可能性が高まります。
また、始値と終値の差がはっきりしない場合は、その日はエントリーを見送りましょう。
「損切り」「利確」の基準
損切りや利確の基準はトレーダーの考え方にもよるので、「これがベストだ」というものではないのですが、あくまでも参考までに妥当と思われる基準を示してみます。
・損切り幅⇒-(5~7pips) ・利益確定⇒(35~50pips)
損切りについては自動設定しておきましょう。
エントリーしたらチャートを頻繁に確認しない
エントリー後は頻繁にチャートを確認する必要はありません。ロンドンのスタート時間(夏時間15時)とニューヨークのスタート時間(夏時間21時)の2回だけ、チャートを確認し、必要に応じて決済するだけです。
途中経過に一喜一憂せず、予想がはずれてロスカットを喫すればそれはそれでスッパリ割り切って、夕方頃に利益が伸びていたら「ラッキー」という程度の気もちで臨めばいいと思います。
朝の30分トレードのテーマは「ムリをしない」こと
朝のトレードのテーマは安全性を重視したものです。ニューヨーク時間の始値と終値の差から、その日の値動きの方向性を推測するテクニックはエントリーの成功パターンを経験則として身に着けることにより、精度を高めることが可能です。かならず初心者にとっても有効な武器になり得るでしょう。
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