FXトレーダーが現状のトレードスタイルでなかなか勝てないとき、いろんな方法を試してみたくなることもあるでしょう。チャレンジしてみたい手法のひとつに「逆張り」があります。逆張りは使うトレーダーが少なく、初心者には難しい手法だといわれています。利益を大きく伸ばせるメリットもあれば、損失が大きくなるデメリットもあるからです。
「逆張り」はどんな手法か
FXトレードの王道は、トレンドの方向に乗ってエントリーする方法です。これを「順張り」といいます。トレンドが上向きであれば「買い」、下向きであれば「売り」をします。
これに対して「逆張り」は、トレンドとは逆方向にエントリーします。トレンド方向が上向きなら「売り」、下向きなら「買い」となります。逆張りでは、上昇が止まったところで売り、下落が落ち着いたところで買うのが基本です。つまり、トレンドが止まったころを見計らって売買するわけです。
逆張りはレンジ相場で力を発揮する
一般的に、順張りが「トレンド相場」に有効に作用するのに対して、逆張りは「レンジ相場」に有効であるといわれています。順張りであれば、トレンド相場、レンジ相場それぞれにおける戦い方がありますが、逆張りはレンジ相場に限定されるケースが多いので、順張りと比べてやや戦場が狭い傾向はあります。
逆張りのエントリーと決済の難しさ
レンジの下限で「買い」、上限で「売り」をしていくことにより、効率的に利益確定することができます。しかし、下落が止まったと判断してエントリーした場合でも、そのまま下がり続けてトレンド相場に移行する場合もあります。このような場合に適切に損切りしないと、大きな損失につながってしまいます。
相場の方向性を見極める眼力が問われるところが、逆張りが難しいといわれる理由です。
エントリーのタイミング
逆張りのエントリーのタイミングは大きく3つあります。
・レンジ相場の天井値と底値 ・短期的な急変動が起こったタイミング ・買われすぎ(売られすぎ)のとき
為替の急変は逆張りの大チャンス
レンジ相場でコツコツ利益を狙うのが逆張りの基本ですが、為替の急変が起こったらビッグチャンス到来です。経済指標の発表時や要人発言などによってレンジ相場が崩れると、一方向へ一気に相場が動いたあと、急速に元の価格に戻ってくることがあるのです。
このとき、下落方向に急変動が起こったら底値で買いを入れ、上昇して元の価格に戻ったタイミングで売れば大きな利益が狙えます。一瞬のチャンスを逃さないためには素早い決断が求められます。
逆張りで大きな損失になるパターン
損切りの判断や資金管理を誤ると損失が大きくなる
レンジ相場をターゲットにした逆張りで、思いがけずトレンド相場が発生した場合は損切りを決断しなければなりません。損切りのタイミングを間違えると損失が膨らんでしまいます。相場がいつ急変するかわからないので、エントリー後はこまめにチャートをチェックしましょう。
値ごろ感でトレードしてしまう
値ごろ感で逆張りをしてはいけません。トレーダー心理として「市場からかけ離れた相場は、いずれは平均値に戻る」と考える傾向にあることが、値ごろ感トレードを誘発する原因です。
しかし、逆張りをする必然性について、しっかりとした根拠を持った上でエントリーしないと、敗因がわからずトレードの振り返りもできません。
メンタル面の負担が判断力を鈍らせる
逆張りはトレンドと逆方向を狙うため、トレンド転換するまで含み損を抱えることがよくあります。ポジションを保有している間は、常に適切なタイミングでの損切りを意識しなければならないので、順張りに比べてメンタル面の負荷が大きいのです。心理的プレッシャーはトレーダーの判断力を低下させます。
初心者が逆張りにチャレンジするために必要な準備
順張りにも同じことがいえますが、逆張りでも適切な損切りラインを決めることが重要です。同時に利益確定についても、順張りよりも早めに決断する意識を持ちましょう。
逆張りはトレンド転換を狙うものですが、テクニカル指標を活用することによってトレンド転換のタイミングをより正確に見極めることができます。MACDやRSIなどのオシレーター系の指標が有効とされているので、逆張りにチャレンジする際には、そちらの研究をすすめてみるといいでしょう。
逆張りで利益を出すためには相応のトレードスキルが必要とされることから、初心者にとってはかなりハードルが高い投資法です。初心者は最初のうちは順張りをおこない、テクニカル指標を使った相場分析やトレードそのものに慣れてから、逆張りにチャレンジするのがいいでしょう。
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