心理学から読み取る「投資初心者がビットコイン投資で失敗してしまう理由」

初心者を狙う罠

投資で失敗する原因はいくつかあります。もっとも、投資は「運」に左右されることも多く、たまたま上昇気流に乗って大きく稼ぐことができたという人が一定数存在するのも一方の事実です。

たとえば、いま注目されているビットコインに代表される仮想通貨などはその一例です。株式投資やFX投資で、短期間のうちに資産が一気に数倍になることは考えにくいですが、仮想通貨であれば、そのような話がいくつもあります。しかし、世の中がそんな甘いものであるはずもなく、失敗パターンはその何百倍もあるのです。今回は、ビットコインで失敗した投資初心者を例に、心理学の面からその失敗ケースを分析していきます。


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ビットコイン投資に挑んだ2人の投資初心者

Aさんのケース

Aさんは投資にはほとんど興味がありませんでしたが、知り合いにビットコインで大儲けした人がいるという噂を耳にし、自分もやってみようと思い立ちました。

Aさんはすぐに口座を開設して、思い切って貯金100万円をすべてビットコインに換えました。しかし、数時間後にアプリを開くと大幅に下落し、1か月分の給料がまるまる消えていました。

唖然とするなか、資産はみるみる目減りしていきます。Aさんは震える手ですべてのビットコインを円に戻しましたが、たった1日で数十万円を失っていました。

Bさんのケース

一方、かねてからビットコインに興味を持っていたBさんも、コツコツと貯めた貯金でビットコインに投資しようと決意しました。口座を開設し、これまで貯めた100万円をビットコインに投じました。

Bさんはビットコインの投資リスクについても理解を深めていましたが、予測記事などから数年後には資産が10倍以上になるかもしれないと、わくわくしながら過ごしました。しかし、ほんの数日でビットコインは下落していきました。コツコツと蓄えた貯金が減っていく恐怖に夜も眠れなくなり、Bさんはたまらずビットコインを円に換え、損失を確定させました。

その後、Bさんの落胆とは裏腹にビットコインは上昇に転じました。もしBさんがそのまま保有していれば50万円以上の利益となっていたのですが、後の祭りです。

情報の「順番」が2人をミスリードした

自分の不運を嘆くAさんとBさんでしたが、かれらは運が悪かっただけなのでしょうか。実は、2人が仮想資産の情報に触れた「順番」が、無意識に選択に影響した可能性があると考えられるのです。

「接触」に関する心理学実験

被験者にパソコンの前に座ってもらい、「みかん」「りんご」「ぶどう」など20個の単語をランダムに表示します。表示が終わったところで、被験者に思い出した単語を挙げてもらうと、最初の単語と最後の単語の再生率が高いことがわかります。

この効果はそれぞれ「初頭効果」「親近性効果」と呼ばれています。

最初に触れた情報と最後に触れた情報のどちらが記憶に残りやすいのかといえば、そのターゲットへの「関心度」の違いによって結果は異なってきます。関心度が低い場合は最初に触れた情報が印象に残りやすく、関心度が高い場合は最後に触れた情報が印象に残りやすいといわれているのです。

「選択した」のではなく「選択させられていた」

「初頭効果」と「親近性効果」を意識すると、AさんとBさんは無意識に情報の順番に踊らされていた可能性が見えてきます。

Aさんはビットコインへの関心が薄かったため、「初頭効果」が強く出て、最初に調べた情報が印象に残りました。一方のBさんは、ビットコインへの関心が強かったために「親近性効果」の影響が強く出て、最後に調べた情報が印象に残ったというわけです。

結果的に2人は、自分自身の判断でビットコインという投資先を選択したのではなく、「初頭効果」と「親近性効果」の虜になって「選択させられていた」のではないかと考えられるのです。

「最初」と「最後」の呪縛から逃れるためには

AさんとBさんはどうすればよかったのでしょうか。Aさんは自分の関心度の低さを意識し、最初に触れた情報にとらわれずに投資判断をすべきでした。一方、Bさんは自分の関心度の高さを意識し、最後に触れた情報にとらわれずに投資判断をすべきでした。

言葉にするのは簡単ですが、「順番」の呪縛を振り切ることは容易ではありません。

呪縛から逃れるための具体的な対策

呪縛から逃れるためには、「順番」が自分の判断に少なからず影響を与えることを知っておくことが重要です。意識するだけでも、無意識の影響が及ぶ範囲を抑える効果があります。そのうえで、具体的に以下のような順に沿って自分の意識を確認するといいでしょう。

①自分自身の関心が高いか低いかを知る
②関心が低ければ「初頭効果」、高ければ「親近性効果」の影響を確認する

具体的には、「集めた情報を公平に比較検討できるように紙に書いてみる」「しばらく時間をおいて、最初に調べた時と逆の順番で情報を検索する」といった対策方法が効果的です。

「確証バイアス」を意識する

確証バイアス」とは、自分の考えを証明できる情報だけを集め、反証の情報を集めようとせず、さらには無視しようとする心の動きのことです。プライドの高い人にもよく見られる反応で、「初頭効果」や「親近性効果」を呼び込む原因になります。

AさんもBさんもそれぞれ投資に失敗しましたが、その理由は違います。Aさんは「ビットコイン投資を始める根拠」だけで参入したために「撤退する知恵」を欠き、Bさんは「ビットコイン投資の危険」を知っていたばかりに、「大胆さ」を欠いていました。

簡単に儲かる投資などないというのは常識

株式投資は専門的な知識が必要です。FXについても、その相場の「読み」は一朝一夕で身に付くものではありません。ビットコインへの参入障壁が低いのは、「保有しているだけで儲かる」という間違った思い込みに囚われる傾向があるからです。

間違った情報に惑わされないようにするためには、正しい「投資リテラシー」を身に着ける必要があります。物事にはかならず、プラス面とマイナス面があります。冷静な気持ちでそのバランスを分析する力が必要です。それはまた、世の中すべての経済活動に共通する信実であることを肝に命じましょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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