金(GOLD)相場とドル為替の相関関係が変化している

FXの基礎編

金(GOLD)にはそれ自体に価値がある「実物資産」としての長い歴史があります。金の資産としての最大の特徴は「無価値」になることがないということです。一方で、紙幣、株式、債券などの「紙の資産」はそれ自体に価値があるものではなく、発行企業や発行国の信用や業績によって価値が決まります。最悪それらは無価値になるリスクがあります。

「紙の資産」と「実物資産」の価格は反対の値動きをすることが多いとされています。世の中が安定し経済が好調なときには「紙の資産」の価値は上がる傾向があり、世の中が不安定で経済が不調な時には「実物資産」の価値が上がりやすいのです。

なかでも金相場とドル為替には深い関連性があります。しかし昨今の世界情勢の変化などから、その関係性に変化が起きているといわれています。今回は、トレーダーが注目しておきたい金相場とドルの関連性の変化について解説します。


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金相場の変動要因に変化が起こっている

金相場とドルとの関係性

昔から国際紛争や戦争などの有事の際には、通貨や証券よりも実物資産である金を買う動きが強まるため、金の相場が上昇しています。第一次、第二次大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争など、アメリカが関与した過去の戦争においても金相場の高騰が見られました。このほか金融危機をはじめとする経済的有事の際にも金の投資需要が増加しています。

金の取引はドルでおこなわれるため、金価格はドル為替の影響を受けます。これまで金相場とドル相場は「逆相関関係」にあるといわれていました。ドル値が下がれば金相場が上がり、ドル高になれば金相場が下がります。ドルが下落した時には金は安定資産としての力を発揮するのです。

21世紀に入ってから金相場に生まれた変化

しかし21世紀に入ってからの値動きを見ると「有事の金」の輝きは、20世紀のように鮮明に現れることが少なくなってきたように感じられます。リーマンショックやギリシャ債務危機、チャイナショックなど世界的な金融危機の際にも、その直後に金買いが増えるという動きは鈍く、金価格が上昇するまでに3~6か月程度のタイムラグがありました。

金相場とアメリカの金融政策の関連性

金相場の動向の変化は、むしろ金融危機の勃発そのものではなく、その後の各国金融当局による金融政策の動きが金投資を促す動機になったという分析が有力です。

たとえばリーマンショックのケースでは、FRB(アメリカ連邦準備理事会)による数度の量的緩和によってドル価値を下げたことが金価格上昇への弾みとなったといわれています。同様に2020年のコロナショック時におこなわれたFRBの無制限の量的緩和後にも金価格の急騰が見られました。

これまでとは異なり、21世紀の金相場は有事で買われているのではなく、有事による危機回避の経済対策(量的緩和)によるドル価値の低下によるものなのです。

世界的なインフレ傾向が及ぼす金相場への影響

ドル値との直接の関連性は薄くなったとはいえ、金には相変わらずインフレヘッジとしての投資価値も高く、コロナショック後のインフレの拡大は金価格を歴史的高値まで引き上げる原動力になりました。

2022年に入ってからのエネルギー価格の急騰は世界的な物価上昇に波及し、最近の各国利上げ観測への重要な指標ともなっています。そのほかロシアによるウクライナ紛争に起因する欧州の天然ガス高騰も世界的なインフレをさらに拡大していくことが考えられます。これらの影響から、金相場はさらに上昇することが予想されます。

21世紀の金相場の動向は為替分析の参考にはならない

金相場はドル為替の変動そのものではなく、アメリカや主要国の金利政策の影響を圧倒的に大きく受けることがわかりました。FXトレーダーとしては、まずもって「ドル高=金安」「アメリカ金利上昇=金相場下落」という過去の相関関係が変化していることを確認しておきましょう。金相場は今後の世界経済のインフレ傾向の継続如何にかかっています。今後は金相場からドル為替を分析することは難しくなっているといえるでしょう。

なお、資産の分散投資をするうえでは金への現物投資は有力です。今後も金相場が際限なく上昇し続けるとは考えられませんが、目減りすることがない金は、長期保有することによって投資家の資産保護の力になるでしょう。


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FX超初心者専科 猫道場 道場主H

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