初心者トレーダーも「ロンドンフィキシング」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ロンドンフィキシングとは、ロンドン市場における金(GOLD)の取引価格を決める「仲値決め」の時間のことです。ロンドン市場で決められた金の価格を元に、世界で金取引がおこなわれます。
日本時間の24時以降に突然為替が激しく動くことがありますが、これはロンドンフィキシングの影響によるものです。今回はロンドンフィキシングの特徴とロンドンフィキシングを利用したトレード方法について解説します。
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ロンドンフィキシングが為替相場に影響を与える理由
金相場に注目する大手ファンドや金融機関
金の価格は銀行やヘッジファンド、年金機構など、大口の金融機関が注目していて、価格が発表される前後には企業の取引も増加します。一般トレーダーの市場への参加も増え、為替相場が活発に動きます。
金はドル建てで決済される
金の売買はドル建てによっておこなわれるため、金相場はドルとの深い関連性があります。金の相場が上がるとドル為替が下落するという「負の関連性」があることが知られています。
ロンドンフィキシングの概要
ロンドンフィキシングの時間
ロンドンフィキシングの時間はロンドン時間の取引終了時刻です。
ロンドンフィキシングの時間 | サマータイム | ウインタータイム |
ロンドン時間 | 15時 | 16時 |
日本時間 | 24時 | 25時 |
サラリーマンが帰宅して寝る前にトレードできる時間帯なので、日本国内の多くのトレーダーもこのタイミングを狙って参入しています。ロンドンフィキシングはリスクも大きいですが、個人投資家が効率よく稼げるチャンスだといわれています。
ロンドンフィキシングではどんな為替の動きがあるのか
通常、ロンドンフィキシングをめぐって、マーケットには2つの動きが現れるとされています。まずフィキシング前に動きがあり、フィキシング後にその動きと反対方向に相場が動くというものです。
注目される月末の相場
さらに注目されるのは月末の動向です。ロンドンフィキシングが月末や企業の決済期(期末)に重なると、(ユーロ/ドル)や(ユーロ/ポンド)の通貨ペアで値動きが乱高下する可能性が高まります。テクニカル分析と無関係に相場が動くので注意が必要です。
ロンドンフィキシングと通貨ペアとの関係性
ロンドンフィキシングが為替に及ぼす影響について、いくつかの通貨ペアからその傾向を確認していきましょう。
(ドル/円)との関係
一般的に(ドル/円)では円安になる傾向があり、対円でドル高の予想が当たりやすいといわれています。(ロンドンフィキシング=円安)は一種のアノマリーとしても確立していますが、必ずしも毎回円安に向かうわけではありません。猫道場主も、何度も反対方向の値動きを目撃しています。
(ユーロ/ドル)との関係
ロンドンフィキシングに影響を受けやすい通貨ペアのひとつが(ユーロ/ドル)です。円と同じように、ユーロ安に向かう傾向があり、とくに月末はイギリス企業の決算とも重なるため、ユーロはダイレクトに影響を受けます。予測不能な動きをすることも少なくありません。
(ユーロ/ポンド)との関係
当然ながら、イギリスが発行している通貨ポンドとは深い関係があります。ユーロ同様、企業の決算時期と重なる月末は通貨の買い戻しの動きが強まり、通常のフィキシングに比べて、著しい値動きを見せます。さまざまな要素が値動きに影響を与えるため、予測が困難なケースも多いでしょう。
ロンドンフィキシングにおけるトレードテクニック
短時間決済で勝負できる
ロンドンフィキシングはドル高になる確率が高いので、フィキシングの1時間前(冬時間24時)にドルを買い、1時間後(25時)に決済することを繰り返して、効率よく稼いでいるトレーダーがいるそうです。これなら初心者でも難しくない方法だと思います。
もっとも、かならずドル高に動くとは限らないので、ロスカット設定を徹底することが重要です。思いもよらない方向へと相場が動くことがあるので、ドル高になると決めつけずに細心の注意を払ってトレードしましょう。損失を限定的にしておくことによって、トータルで勝てる可能性が高まります。
順張りが有利
ロンドンフィキシングでは「逆張り」ではなく「順張り」のほうが有利です。その理由は、欧米は順張りトレードをする投資家が圧倒的に多いからです。タイミングよく初動を掴むことができれば、順張りトレードで成功する可能性が高まります。
窓閉めを狙う
ロンドンフィキシングでは為替が大きく動きますが、翌日以降に元の値に戻ることが多いです。これを「窓閉め」といいます。この特徴を利用して、ロンドンフィキシング終了後に動いた方向と逆の方向にトレードすれば利益を出しやすいでしょう。
猫道場主は未検証だがこのような投資方法も
ロンドンフィキシングの1時間前である23時からの(ドル/円)の値動きを追ってみると、(23~24時)の間の値動きで、いきなりドルが買われる動きが(2~3日)続くことがあります。このように急角度のドル買いが3日続いた次の日は、引き続きドルが買われるパターンが多いといわれています。興味のあるトレーダーは検証してみてください。
ロンドンフィキシングで戦う際の注意点
ロンドンフィキシングは特徴を捉えやすく利益を狙いやすいとされていますが、裏にハマるとリスクも大きくなることを自覚しましょう。
ロンドンフィキシングは毎日ありますが、すべてがトレードチャンスとは限りません。ボラティリティ(価格の変動率)が高くなる傾向があるので、市場が確実に反転するまでエントリーを待つことが重要です。明確なトレードチャンスがない場合は、エントリーせずに翌日まで待つという強い精神力が求められます。
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