ビットコイン人気は陰ることがありませんが、「興味があるけど怖い」「買うタイミングがわからない」という投資初心者も多いことでしょう。ビットコインも投資である以上、相場分析を欠かすことはできません。そこで今回は、FXとは少々事情が異なるビットコイン投資の相場分析事情について解説します。
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ビットコイン相場を動かす2つの特殊事情
ビットコインには為替や株式とは異なる2つの特殊な事情があります。
・発行枚数の上限が2100万枚と決められている ・ビットコイン自体には価値がない
ビットコインの相場分析においても、FX同様にチャート分析が用いられ、ローソク足をはじめ「平行移動線」などもさかんに利用されています。
ビットコインには株や為替(通貨)のように実体価値がなく、需給バランスだけで相場が決まります。ビットコインにはファンダメンタルズの要素が存在しないので、チャート分析頼みの予測精度には限界があるように思います。
ストックフローモデルの活用
ストックフローモデルとはなにか
チャート分析の説得力を裏付けるため、ビットコイン相場の予想には「ストックフローモデル」という考え方が取り入れられています。元々は身近な金融商品である「金」「銀」「プラチナ」などの貴金属の価格予想をするために作られた指標ですが、ビットコイン版ストックフローモデルは、2018年に「planB」と名乗るオランダの機関投資家によって提唱されました。
ストックフロー率の算出方法
「ストックフロー率」は価格予想をするために作られた指標であり、その算出方法はいたってシンプルです。
(ストックフロー率)=市場に存在する量(ストック)÷年間供給量(フロー)
導き出された数値は「現在流通している量を今から作ろうとすれば何年かかるか」を表し、その数値が大きいほど「希少価値が高い」ことを示します。
(数値が大きい)=(流通量を増やすことが難しい)=(希少性が高い)
各種貴金属とビットコインのストックフロー比率を比較してみると、ビットコインはインフレヘッジの代表格である(金)のストックフロー比率に肉薄していることがわかります。
商品 | ストックフロー率 | 時価総額 |
金(ゴールド) | 61.7 | 1250兆円 |
銀(シルバー) | 22.0 | 160兆円 |
プラチナ | 0.4 | 2600億円 |
ビットコイン | 54.0 | 100兆円 |
(データは2022年1月現在)
さらに、ビットコインはストックフロー比率が高い割に時価総額が発展途上であることから、今後の「伸びしろ」への期待も集まっています。
ビットコインは1億円になる?
ビットコインの実際の価格を示したチャートと、ストックフローモデルによって算出された理論価格を並べてみましょう。2つの線には相関性があり、いずれも長期的に右肩上がりの線を描いています。
今後もこのモデルに沿っていくとすれば、いずれその価格は1,000万円に到達するという説があります。さらにストックフローモデルに即して価格が推移していくと仮定すると、にわかには信じられませんが、2025年には1億円に到達する予想になっています。
ストックフローモデルの弱点
実需が考慮されていない
ストックフローモデルは、「希少性」に焦点をあてる一方で、「実需」を考慮していません。繰り返し解説していますが、ビットコインには貴金属や株、通貨とは異なり、その物自体には価値がありません。もし、「ビットコインには価値がない」という共通認識ができてしまえば、理論価格は瞬時に成り立たなくなります。
供給量が限界値に近づいている
ビットコインは、マイニングという行為によって「採掘」されます。当初はマイニングの難易度は高くありませんでしたが、大量のマイニングマシンを導入したプロによって採掘がすすみ、あらたな採掘(供給)量は徐々に減少傾向にあります。
今後さらにマイニング量が減ると、供給(ストック)のバランスが崩れてストックフローモデルが成立しなくなるかもしれません。
ストックフローモデルの活用方法
相場変動の危険度を測ることができる
ストックフローモデルのチャートの「上限」「下限」は、理論価格上の「上限」「下限」を表しています。つまり、実際のビットコインの価格変動がストックフローモデルの「上限」「下限」の価格帯から外れた場合は、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を示すと考えられるわけです。
相場の変動を前にすると冷静さを欠いてしまいそうになりますが、ストックフローモデルの存在を知っていれば、「まだ想定範囲内」など、冷静さを保つことができます。
損切りと利確の基準としても活用できる
ストックフローモデルの「上限」「下限」を大きく逸脱した価格変動が発生した場合は、「利確」「損切り」を決断します。決済タイミングが難しいといわれているビットコインにおいて、ストックフローモデルは一定の決済指標として使えます。
ストックフローモデルには限界がある
ビットコインの価格変動をチェックしてみるとわかりますが、過去にはストックフローモデルとの相関性を無視したような価格の大変動が頻繁に発生しています。したがって、ストックフローモデルにある程度の信頼性は認めつつも、ときにそれとは無関係に大変動が起こることを想定しておくべきだと思います。
猫道場は、ビットコインや仮想通貨投資は自己資金の(10%)以内に留めることをおススメします。予測が難しい投資においては、最悪すべてを失ってもいいという覚悟のもとでチャレンジする覚悟が必要です。
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