FXトレーダーのなかには「専業トレーダー」を目指している人もいるでしょう。組織にとらわれない自由な生き方で生計を立てることは、投資家の理想形かもしれません。
FXというのは、初心者の(90%)が1年以内に市場から退場するというデータもあるくらい厳しい世界です。さらにそこから安定的な利益を出す専業トレーダーを目指すためには相当な覚悟が必要であり、現実にFX専業トレーダーとして活躍しているのは、ごく一部の人たちです。
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日本国内のFXトレーダーの動向
国内のFXトレーダーは30万人
意外と知られていませんが、日本人のFXトレーダー数は世界的にみても非常に多い水準にあります。金融先物取引業協会が公表しているデータによれば、日本国内でFX(外国為替)が一般に解禁された1998年から、金融庁がレバレッジ規制をおこなう2005年までの期間、世界のFX総売上高の(50%)を日本の投資家が占めていました。
2022年現在年現在、FX口座の開設数は累計で800万口座にものぼります。休眠している口座を除いて実際に取引中の口座は70万あり、市場参加人口は30万人と推定されています。
専業トレーダーは1万人
専業トレーダーについての統計資料はありませんが、多くとも推定5万人以下、現実的なところで1万人前後であると考えられます。これはFX単独で活躍している投資家で、このほかにFXと株式の両方に投資している投資家が(1~2万人)いると推測されています。
専業FXトレーダーに求められる条件とは
損失のプレッシャーに耐えられるメンタルを有する
プレッシャーに耐えるメンタルがなければ生き残ることはできません。損失場面で冷静な判断を下せない人は、そもそもFXに向いていません。
メンタルは練習で身につくものではありません。あるプロトレーダーは「お金をお金と思わないこと」が重要だといいます。このトレーダーはトレード結果をデータに残す際に、円で表さずにパーセンテージで表しているそうです。別の数字に置き換えることによって、資金を失ったことではなく、失敗したトレードに目を向けられるようになる工夫だそうです。
継続力がある
専業トレーダーがFXで生活するためには、トレードを継続しなければなりません。一時期うまくいかなくなっても中途半端に投げ出すことはできません。
専業トレーダーになるには、トレードの継続とともに勉強や研究を継続する力が必要です。市場は毎日変化し、それまで通用していたトレードロジックが通用しなくなることもあるので、日々勉強してチャートの動向を研究しなければなりません。
生活防衛資金を準備している
FXは勝ち負けがつきものですから、月々の収入が大きく異なります。その月の収入がゼロになったり、最悪の場合は収支がマイナスになることもあります。したがって、しばらく収入がない状態でも生活できる資金がなければ、トレードに専念することは難しいでしょう。
一般的に独身の人の生活防衛資金は50万円といわれており、最低限これぐらいの準備が必要です。くれぐれも運用資金とは別に生活防衛資金を用意しなければなりません。
コンスタントに勝てる安定性がある
日本の平均年収を稼ぐために必要な軍資金は300~600万円
FX専業トレーダーに求められる収入はどれぐらいでしょうか。人によって目標はさまざまです。いわゆる「億り人」を理想とする人も多いと思いますが、現実的な基準として日本人の平均年収436万円を稼ぐための条件を算出してみましょう。専業であるからには最低限、そのラインはキープしておきたいものです。
日本人の平均年収436万円を月単位で計算すると、月あたり36万円になります。為替市場は月20日オープンしているので、毎日18,000円(100pips)以上の利益が必要です。(ドル/円)で換算すると18万通貨の投資が必要になる計算となり、レバレッジを10倍にアップすれば約200万円の軍資金を要します。もっともレバレッジ10倍ではややリスクが高いので、軍資金が(300~600万円)あれば安心感があると思います。
コンスタントに勝ち続けることの難しさ
(100pips)は円に換算すると1円になります。一見簡単に達成できそうに思えますが、実際のトレードで1円分の値幅を取るのはかなり難しいものです。毎日プラスでトレードを負えることは不可能ですから、その点を勘案してもハードルが高い目標であることが理解できるのではないでしょうか。
専業トレーダーが覚悟しておかなければならないこと
社会的ステータスを失う
専業トレーダーになると社会的ステータスを失います。ニートと同じです。サラリーマンは家のローンを組んだり、銀行からお金を借りることができますが、FX専業トレーダーは社会的には無職と同じなので、金融機関の審査が通りません。あらたにクレジットカードをつくることも難しいでしょう。専業トレーダーを目指す場合は、これまでの社会的ステータスを失う覚悟が必要です。
体調管理が難しい
ニューヨーク時間(22時以降)から為替の動きが活発になるため、深夜から朝までの時間にトレードをする専業トレーダーは昼夜逆転の生活になってしまいます。不規則な生活による心身の健康には注意が必要です。体調面でとくに気をつけたいのは腰痛です。座った時間が長くなるので、ほとんどの専業トレーダーは腰痛に苦しんでいます。
専業トレーダーへの厳しい道のり
専業FXトレーダーになるためには、生活費以外に軍資金が300万円以上必要なうえ、この稿では詳しく解説しませんでしたが、高いトレード技術も要求されます。初心者が専業トレーダーになるためには、かなり高いハードルがあることを理解しておきましょう。また、ある程度の強運をもっていないとこの壁を越えることは難しいのではないでしょうか。
ちなみに猫道場としては、一足飛びに専業を目指すのではなく、堅実に市場で戦って、まずは5年間生き残ることを目標にすることを推奨しています。
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